時間の前置詞(1)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法32】


ドイツ語基礎文法一覧

今から勉強する文法は、時刻・曜日・月・季節・日付・年号のドイツ語の単語を使います。
それぞれの単語はこちらから習得できます(動画もあり)↓

時刻
曜日・月・季節
日付・年号の言い方

ここでは、これらの単語と前置詞を使ってどのように日常で表現するのかについて勉強します。

 

時間とは?

前回やった場所の前置詞が「どこ?Wo」などの質問に答える時に使うのに対し、時間の前置詞は「いつ?Wann?」に答える時に使えるものです。

時間には「点」と「流れ」があります。

ドイツ語では点で見る時間をZeitpunkt, 流れで見る時間をZeitdauerまたはZeitraumといいます。

時間を点とする表現はたとえば

いつ生まれた?

何時に起きた?

何曜日に歯医者に行く?

何月にコロナ広まったっけ?

・ペストって何世紀に広まった?

などです。時間の流れの中からある特定の点を取り出しています。
世紀は100年間もありますが、ひとまとめにして「何世紀」と表現するのは時間を点ととらえた言い方です。

 

逆に時間を流れでとらえた表現はたとえば

いつからドイツ語勉強してる?

何時まで仕事してる?

どれぐらい旅行行ってた?

何日以内にそれ提出せなあかんの?

などで、特定の一点ではなく流れの中の一部を切り取ったような表現です。

 

ここでは時間の前置詞を「点」と「流れ」に分けて勉強します。

ドイツ語の前置詞を点と流れに分けるとこのようになります。

1.点の前置詞(1):um, am, im

2.点の前置詞(2):vor, nach, bei

3.流れの前置詞(1):seit, ab, von

4.流れの前置詞(2):während, innerhalb, außerhalb

5.流れの前置詞(3):für, über, zwischen

点の前置詞はこのページ(文法32)で、流れの前置詞は次回(文法33)で詳しく見ていきます。

 

点の前置詞(1):um, am, im

前置詞は原則、前置詞+名詞/代名詞と出てくるため、格支配がありますね。

umは四格、anとinは前回やったWechselpräpositionで三格または四格のどちらかがつきます。
しかし、時間の前置詞のan, inはすべて三格です。

さらにanとinと一緒につく時間の名詞はすべて男性名詞なためam (an dem), im (in dem)という縮約形で使いましょう。

時間の前置詞は、時間に関する単語の種類によって決まっています。
こちらがその表です↓

単語の種類 前置詞
時刻 um um halb neun(8時半に)
一日 am am Nachmittag(午後に)
am am Mittwoch(水曜日に)
日付 am am 9. Juli(7月9日に)
im im Januar(1月に)
季節 im im Herbst(秋に)
年、世紀 im im 20. Jahrhundert(20世紀に)

この表から見てもわかるように、時の単位が小さい順にum→am→imがつくようになっていますね。

時刻の言い方はこちらに。これにumをつけて練習してみましょう。umをつけると「~時~分」という意味になります。

*「一日」とは朝(der Morgen)、昼(der Mittag)、夜(der Abend)、夜中(die Nacht)、午前(der Vormittag)、午後(der Nachmittag)といった一日の時間の区切りのことです。これらにamをつけて練習してみましょう。

*夜中だけは例外的に女性名詞でinとつきます:in der Nacht

*「7つの週」も全部男性名詞でamです。月曜日(der Montag)、火曜日(der Dienstag)、水曜日(der Mittwoch)、木曜日(Donnerstag)、金曜日(Freitag)、土曜日(Samstag)、日曜日(Sonntag)

*「週」は女性名詞でdie Wocheになりanではなくin がつきます:in der Woche

*「週末」は中性名詞(das Wochenende)で、am Wochenendeです。平日はunter der Wocheです。

*「日付」の言い方はドイツ語の序数を勉強しましょう。

*「年号」の言い方は独特です。1990年と2020年の表現は全く違います。その規則性を学んだ上で前置詞をつけて練習してみましょう。

 

それではこの前置詞+時の単語を実際どのように文の中で使うのか、例文を見ていきましょう

例1)試験

Im Sommer gibt es ein Prüfungstermin.
(夏に試験があります。)

・Die Prüfung findet im August statt.
(その試験は8月に実施されます。)

・Möchten Sie an der Prüfung am 10. August teilnehmen?
(8月10日の試験を受けたいですか?)

・Die Prüfung findet am Vormittag statt.
(その試験は午前に行われます。)

・Ihre Prüfung fängt um 10:00 Uhr an.
(あなたの試験は10時に始まります。)

Am Dienstag können Sie Ihr Zeugnis abholen.
(火曜日にあなたの成績証明書を取りに来てください。)

時間の前置詞を入れる場所は比較的自由で、最初でも動詞の後でもかまいません。

ただ「時刻や曜日などの単語はいつ出てきても前置詞とセット使う」と認識してしまうのは間違いです。

あくまでum, am, imは三格・四格支配の前置詞なので、それにふさわしい場面でのみ使えます。

これらの例文のように「何日に試験をする」というなら前置詞+三格ですが、たとえば「今日は何日ですか?」の質問に答える際に

✖ Heute ist am 10. August.と前置詞+三格で答えることはできません。

 

「今何時ですか?」に答えるときも

✖ Jetzt ist um 10 Uhr.はダメです。

なぜなら動詞seinの述語は一格だからです。(述語に一格がつく特別な動詞=Kopulaverben)

(Kopulaverbenについての解説はこの動画の19分40秒あたりからご覧ください。できれば動画を全部見ると理解しやすいです)

そういうわけで

「今日は8月10日です」とドイツ語でいうには

〇 Heute ist der 10. August.

 

「今は10時です」は

〇 Jetzt ist 10 Uhr.(時刻はゼロ冠詞)

が正解です。一格の使い方については後で(下のほうで)例文を出してもう一度説明します。

 

もう一つ、さっきの例文よりも大きな時間の単語をつかった例文も見てみましょう。

例2)藤井聡太七段

・Er ist am 19. Juli 2002 geboren.
(彼は2002年7月19日に生まれた。)

Mit 14 Jahren und zwei Monaten ist er jüngster Shogi-Profispieler geworden.
(14歳2か月で最も若いプロ将棋棋士になった。)

Im Jahr 2016 begann er seine Karriere als Profispieler.
(2016年にプロ棋士としてのキャリアをスタートさせた。)

Am Montag, 8. Juni 2020 trat er den Kampf um den Kisei-Titel an.
(2020年6月8日、彼は棋聖戦タイトルの戦いに入った。)

・Das Spiel hat am Vormittag um 9 Uhr begonnen. Am Abend endet das Spiel.
(この対戦は午前9時に始まり、夜に終わった。)

・Er ist einer der ausgezeichnetsten Shogi-Profispieler im 21. Jahrhundert.
(彼は21世紀の最高の棋士の一人だ。)

*日本語では大きいほうから年→月→日付→曜日の順だがドイツ語は逆。小さいほうから。

*年齢の言い方は「~歳で」と言う場合mitを使います。1歳以外は複数形にすることを忘れずに。

ーーーーーー

*前置詞がつかない時間の表記

四格としてそのまま使える時間の表記もあります。ゼロ冠詞であることも多いので何格なのか分かりにくいですが、冠詞がついた場合は四格です。パターンがあるのでここで紹介しておきます。

1.世紀

2020 ist er einer der besten Profispieler geworden.

↑世紀はゼロ冠詞ですが四格として前置詞なしでそのまま使うことができます。

 

2.月初、月末といったAnfang(初), Mitte(中), Ende(末)の言い方

Die Veranstaltung findet Anfang Mai statt.
(このイベントは5月初旬に開催される。)

Sie wollen Mitte des Jahres heiraten.
(彼らは今年の中頃あたりに結婚する予定だ。)

 

3.毎日、先週、今月、来年のような表現

Nächste Woche muss ich zum Zahnarzt gehen.
(来週歯医者行かなきゃ。)

Sie will diesen Monat noch ihren Führerschein machen.
(彼女は今月のうちに免許を取りたいと思っている。)

Ich fahre diesen Samstag.
(私は今週土曜に行く。)

 

4.副詞のあとにつく表現

Was willst du heute Abend essen?
(今日の夜何食べたい?)

Ich habe morgen Nachmittag einen Termin.
(私は明日の午後用事がある。)

 

点の前置詞(1):疑問詞のつくり方

それでは冒頭にあった疑問詞を使った、時の訊き方を勉強しましょう。
これらの質問はドイツ語でどのように言うのでしょうか?

いつ生まれた?

何時に起きた?

何曜日に歯医者に行く?

何月にコロナ広まったっけ?

・ペストって何世紀に広まった?

基本的に「いつ=Wann?」と訊いてもいいのですが、もう少し具体的な答えがほしいときの「何時」「何曜日」「何月何日」「何年」の訊き方はこちらです。

単語の種類 前置詞 疑問詞
時刻 um um wie viel Uhr?
一日 am wann?
am an welchem Tag (Wochentag)?
日付 am an welchem Datum?
im in welchem Jahr?
季節 im in welcher Jahreszeit?
年、世紀 im in welchem Jahrhundert?

例文)

A:Um wie viel Uhr bist du aufgestanden?
(何時に起きた?)

B:Um halb acht bin ich aufgestanden.
(7時半に起きたよ。)

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A:An welchem Tag gehst du zum Zahnarzt?
(何曜日に歯医者に行くの?)

B:Am Donnerstag gehe ich.
(木曜日に行く。)

ーーーーー

A:An welchem Datum gibt es das nächste Spiel?
(次の試合は何日なの?)

B:Am 14. Juli.
(7月14日。)

ーーーーー

A:In welchem Monat hat sich die Corona-Virus in Europa enorm ausbreitet?
(何月にコロナがヨーロッパで爆発的に広まった?)

B:Im März denke ich.
(3月と思う。)

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A:In welchem Jahrhundert hat die Pest in Europa gewütet?
(何世紀にペストがヨーロッパで猛威をふるったの?)

B:Im 14 Jahrhundert.
(14世紀。)

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ついでに「今日何日?」などの一格をつかう例文も書いておきます。いつ前置詞を使って、いつ使わないのか、時の単語はしょっちゅう使う日常表現なのではっきりと理解しておきましょう。

A:Wie spät ist es jetzt? Wie viel Uhr ist es jetzt?
(今何時?)

B:16 Uhr.
(16時。)

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A:Welcher Tag ist dein Lieblingstag?
(何曜日が好き?)

B:Mein Lieblingstag ist Samstag.
(私の好きな曜日は土曜日だよ)

*この土曜日は特定されていないのでゼロ冠詞です。

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A:Welche Jahreszeit magst du am liebsten?
(どの季節が一番好き?)

B:Ich mag Herbst.
(秋かな。)

もっと例文を見て勉強する。

 

点の前置詞(2):vor, nach, bei

これらは3つとも三格支配の前置詞で、vor(~の前)、nach(~の後)、bei(~の時)という意味を持ちます。
この点の前置詞の特徴は、

vor einem Tag(一日前)
nach einem Tag(一日後)

のように時に関する単語と一緒にもつきますが、そうでない単語でも使うことができます。

vor der Arbeit(仕事の前)
nach der Arbeit(仕事の後)
bei der Arbeit(仕事の時)

 

例文)試験・藤井七段に関係した例文です

Vor der Prüfung frühstücke ich gut.
(試験前私はしっかり朝食をとる。)

Nach der Prüfung trinke ich gern ein, zwei Bierchen.
(試験後私はちょこっとビールを飲むのが好きだ。)

Bei der Prüfung ist kein Handy erlaubt.
(試験の時はスマホが禁止されている。)

Er hat kurz vor dem Spiel Tee getrunken.
(彼は対局の直前、お茶を飲んだ。)

Er sah nach dem Spiel total erschöpft aus.
(彼は対局後、からっきし疲れて見えた。)

Er hat beim Spiel vier Stunden Zeit zum Nachdenken.
(彼は対局の時、4時間の持ち時間がある。)

*順番は前置詞を最初にしてもいいし、動詞の後にもってきてもいい。

 

nachとinの違い

「~後」たとえば、何日後や何週間後という表現はnachのほかにinという前置詞も使われます。どちらも三格支配です。

しかし、「~後(in)」のほうは、時間に関する単語としか使えません。その他の単語、たとえばArbeitやSpielではin der Arbeitというと場所の前置詞になり、別の意味になってしまいます。

ただし時間の単語になると

In vier Wochen muss ich wieder nach Japan zurückkehren.
Nach vier Wochen muss ich wieder nach Japan zurückkehren.
(4週間後にまた日本に戻らなければならない。)

この場合、どちらを使っても同じ「~後」の意味です。

しかし、

・In drei Tagen fahre ich in die Schweiz und in zwei Wochen nach Deutschland zurück.
(3日後にスイスに行って、2週間後にドイツに戻ってくる。)

・In drei Tagen fahre ich in die Schweiz und nach 11 Tagen nach Deutschland zurück.
(3日後にスイスに行って、その11日後にドイツに戻ってくる)

この2つの文はドイツに戻ってくる日にちは同じで、結局は同じ意味です。ただ、表現がちがいます。
前者は「現在の地点」から2週間後と言っているのに対し、後者は「スイスに出発する日」から数えています。

つまりinは今話している現在から「~後」としか言えないのに対し、nachはその時間が始まる地点に順応性があるということです。

*また「~ぶり」という日本語の言い方はドイツ語ではnachで表します。

Wir sehen uns in einem Jahr wieder.
(1年後にまた会おう)

Wir haben uns nach einem Jahr getroffen.
(1年ぶりに会ったねー。)

 

最後にvor, inの時の単語バリエーションを参考程度に。

・vor einer Stunde(一時間前)、in einer Stunde(一時間後)
・vor zwei Tagen(2日前)、in zwei Tagen(2日後)
・vor drei Wochen(3週間前)、in drei Wochen(3週間後)
・vor vier Monaten(4か月前)、in vier Monaten(4か月後)
・vor fünf Jahren(5年前)、in fünf Jahren(5年後)

 

例文)

A:Wann habt ihr euch kennengelernt?
(君たちいつ知り合ったの?)

B:Vor drei Jahren.
(3年前かな。)

ーーーーー

A:Wann fährt ihr in Urlaub?
(君たちいつ休暇に行くの?)

In zwei Wochen.
(二週間後かな。)

 

それでは練習問題をどうぞ。

【基礎】時間の前置詞の練習問題(1)【ドイツ語文法】

 

次回の文法は時間の流れの前置詞を勉強します。

この文法の動画解説はこちら↓

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