イチローの習慣:ノーストレス生活


イチローはプロ野球選手。1973年生まれ。1991年プロ入り。2019年3月に現役を引退。

プロ野球における通算安打数と最多試合出場で世界記録を持つ。

4247ヒット
3563試合に出場

この2つの驚異的な数字は、いかに長い間、環境の変化、体調の変化、加齢とともに落ちる身体の変化などさまざまな逆境に、誰よりも効率的に適応してきたかを物語っている。

そんなイチロー選手が現役時代に送っていた一日とはどんな風だったのか。

イチロー選手は限られた時間をどのように使い、球場での最高のパフォーマンスを引きだしていたのだろうか。

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・イチロー選手の一日(本拠地で試合ある日の典型的な一日)

11時ごろ起きる ⇒ 自宅でトレーニング 
⇒ 昼食 ⇒ またトレーニング 
⇒ 15時ごろ球場へ ⇒ 到着後トレーニング ⇒ 打撃ケージで打つ ⇒ 少しマシーンでトレーニング ⇒ 打撃練習 
⇒ 18時15分に打撃ケージに戻って打ちこむ ⇒ マシーンでトレーニング
⇒ 19時10分試合開始 ⇒ 帰宅 ⇒ 食事 ⇒ 調子によっては夜もトレーニング ⇒ マッサージを受ける 
⇒ 午前3時就寝

一日のほとんどがトレーニングと練習(または試合)で終わっている。非常に淡々としたルーティーンの繰り返しであることがわかる。これをストレスのない状態で繰り返している。

生活の大半を占めているトレーニングについて。イチロー選手は、専用マシーンを使った初動負荷トレーニングを重視している。家にも球場にも専用のマシーンを置いていつでもトレーニングができるような環境を作っている。

一日の初動負荷トレーニング時間は約5時間。10種類のトレーニングを毎日行う。

 

・イチロー選手の食生活

好きなものを食べて好きなものを飲む食生活を続けている。理由は食のストレスを感じたくないから。

また、自分の体調を知るためにも毎日同じものを食べ続ける、またはやり続けることが大切だと言っている。1

神戸にいる日は週6で行きつけのお店に牛タンを食べに行く。(月曜は定休日)焼き方にもこだわる食通。

ホームの日の昼食はカレーを食べる日が多かった。ホームでの食事は必ず家。アウェイの日は行きつけのステーキハウス、イタリアン、日本食などで好きなものを欲しいだけ食べていた。2

興味深いのは、食へのこだわりが強いこと。にもかかわらず、同じものを長年食べ続ける習慣がある。この理由の一つは自分の体調のバロメーターにするため。もう一つは、新しいものを食べておいしくなかった時にテンションが下がったり、体調不良になったりすることを防ぐため

食については「健康にはこだわってストレスをためるのは不可。好きな食べ物だけをルーティーンにして何度も食べる」という姿勢がうかがえる。これが一番イチロー選手にとって効率の良い食生活なのだろう。

 

・イチロー選手のルーティーン思考

イチロー選手にとってルーティーンというのは、いかにノーストレス状態を作るかということのために行われている。野球にすべて集中するため、それ以外は徹底的にストレスを排除するという考えで、身に着けた習慣を淡々とこなしていた。

  1. イチロー×豊田章男×小谷真生子 2018 「ここだけの話」前編
  2. イチロー・インタヴューズ