ドイツ選挙前の38の質問【Wahl-O-Mat2025】の内容をわかりやすく解説するよ!


ドイツの連邦議会選挙が今月2月23日に迫っています。それに先立って2月6日にWahl-O-Matが公開されました。私の周りのドイツ人たちは全員、公開当日待ってましたかのように取り掛かっており、関心の高さがうかがえます。もちろん私もやりましたよ。

Wahl-O-Matとは、ドイツの選挙前に有権者が自分の政治的な意見や価値観と各政党の政策を比較できる、無料のオンライン診断ツールです。

https://www.wahl-o-mat.de/bundestagswahl2025/app/main_app.html

↑ここから入ると38の質問が順番に表示され、それに「賛成」「中立」「反対」の中から選んで答えていく形式になっています。

これらの質問を知ることでドイツが今現在、どんな政策を重要視し問題視しているのかをまとめて理解することができます。

このツールは政治知識があまりない人でも答えられるように専門用語など難しい言葉は使われておらず、比較的答えやすくなっています。政治参加へのハードルを下げる役割も果たしています。

回答を終えると、自分の意見に近い政党が順番にリストアップされ、ドイツの政治における自分の立ち位置を簡単に把握することができるのです。

ドイツで生活する上ではこのような最新の政治情報が非常に大事だと思いますので、38の質問をここで解説しながら一緒に見ていきたいと思います。筆者もそれぞれの問題に対し意見を持っていますがここではなるべく中立で客観的に書けるように努力しています。

次のページで私自身の意見、なぜそう思うのかについて言及しますね。

Wahl-O-Matは誰でもできますので、意見のある人はぜひやってみてください!

*Wahl-O-Matは選挙のたびに最新の政治状況や政治問題に合わせて更新されます。政治教育を担う機関がかかわっているため、情報の信ぴょう性も高く、公正な視点から提供されているために安心して使うことができます。

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1.【Außenpolitik】Deutschland soll die Ukraine weiterhin militärisch unterstützen.

ドイツは引き続きウクライナを軍事的に支援すべきだ。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来、ドイツはウクライナに武器の供給や財政的支援などを行っています。

賛成派はヨーロッパ全体の安全を守るためには、ウクライナを支援し続けることが必要だって考えています。特に、EU内で協力し合ってロシアに立ち向かうべきだと強調しているのがSPDや緑の党(Grün)の立場。

一方、反対派は「軍事支援がさらに戦争を激化させるかもしれない」「これが長期的に大きなリスクになる」と心配しています。ドイツは過去に戦争で痛い経験をしてきたから、軍事介入には敏感な人も多いのかも。

 

 

2.【Umwelt】Der Ausbau erneuerbarer Energien soll weiterhin vom Staat finanziell gefördert werden.

再生可能エネルギーの導入は引き続き国によって財政支援されるべきだ。

再生可能エネルギーの拡大における政府の役割について。

賛成派は「これでエネルギー転換が進むし気候目標も達成できる」と言っています。太陽光発電や風力発電が増えれば地球環境を守るための第一歩になるというわけです。

でも反対派は「政府のお金を出し続けるのは長期的に効率が悪い」と主張している。もっと市場の力を信じて規制を強化した方がいいと。

さらにエネルギー価格の上昇や化石燃料への依存が問題になっているので、この議論は簡単には片付きません。

 

 

3. 【Soziales】Das Bürgergeld soll denjenigen gestrichen werden, die wiederholt Stellenangebote ablehnen.

求人を繰り返し拒否する人は生活保護費を打ち切るべきだ。

2023年にドイツはBürgergeldという制度をスタートしました。失業している人が最低限生活できるお金をもらえるという制度ですが、その条件がどうあるべきかという議論です。

賛成派は「何度も求人を断る人にはお金を支給するのをやめるべきだ」と言っています。

反対する人たちは「人にはそれぞれ事情があるから安易に支給を廃止するのは問題だ」と言います。仕事を断る理由もいろいろということですね。

難しい問題で答えはありませんが、結局はどういう社会を作りたいかっていう大きなテーマにつながっていますね。

 

 

4.【Innenpolitik】Auf allen Autobahnen soll ein generelles Tempolimit gelten.

すべての高速道路で速度制限を導入すべきだ。

賛成派は「これで交通がもっと安全になり、CO₂も減るし、エネルギーの無駄も減る」と考えています。確かに、無制限だとスピードを出しすぎちゃうこともあるし、環境にも優しくなりそう。

でも反対派は「みんな自由に走りたいのに、それを制限するのはどうか」と思っているし、実際に時速制限がどれだけ効果があるかはよくわからないとも言っている。自由な移動って大事だし、効率的に交通安全を改善する方法を考えたいですね。

 

 

5.【Außenpolitik】 Asylsuchende, die über einen anderen EU-Staat eingereist sind, sollen an den deutschen Grenzen abgewiesen werden.

他のEU加盟国を通ってドイツに入国した亡命申請者はドイツの国境で拒否するべきだ。

この話は、難民申請者が最初に入国したEUの国で申請を行うべきだという「ダブリン協定」に基づいています。ダブリン協定っていうのは、一番最初に難民が入った国で亡命申請しなければならないという協定。しかしどう考えてもこれはEUの国境に面しているギリシアやイタリアに難民が殺到するので、変な協定です。

賛成派はドイツの難民申請システムを楽にするためには、これを厳格に適用するべきだと考えています。

一方反対派は、イタリアやギリシャなどの外縁に位置する国々がすでに負担を抱えていることや人道的な義務を考えると、そんなに厳しくするのは良くないと主張しています。

 

 

6. 【Finanz】Bei Neuvermietungen sollen die Mietpreise weiterhin gesetzlich begrenzt werden.

新たに賃貸契約を結ぶ際、家賃は引き続き法律で制限されるべきだ。

賃貸契約の際に大家さんが好きに価格を設定するのはどうかという議論。

「家賃価格上限」って、つまり賃貸物件の家賃が高すぎないようにするという制度で、これで賃貸市場が厳しい都市でも借り手を守ろうとしています。

賛成派は「これで家賃が無駄に上がらないし、住みやすくなる」と考えています。

でも反対派は「家賃の上限を設けすぎると、住宅を作ろうとする投資家が減っちゃうかも」と心配しています。そうなると、結局は新しい住宅が足りなくなって、ますます賃貸市場はバランスが崩れるのではないかと思われます。

 

 

7.【Innenpolitik】An Bahnhöfen soll die Bundespolizei Software zur automatisierten Gesichtserkennung einsetzen dürfen.

駅では警察が自動顔認識ソフトを導入するべきだ。

駅での自動顔認識ソフト導入するか否かの議論。

賛成派は「これで犯罪を未然に防げるし、犯人もすぐに見つけやすくなる」と言っています。

でも反対派は「プライバシーが守られないかもしれないし、データが悪用されるかもしれない」と心配してる。さらに、監視社会になっちゃうんじゃないかって懸念もあるようですね。

 

 

8.【Umwelt】Energieintensive Unternehmen sollen vom Staat einen finanziellen Ausgleich für ihre Stromkosten erhalten.

エネルギー集約型の企業は、電力料金に対する財政的補償を国から受けるべきだ。

この議論は、エネルギーを多く使う企業(例えば、鉄鋼業や化学業)に対して、政府が電気代を補助するかどうかに関する議論。

賛成派は「これで企業が国際的に競争できるし、雇用も守れる」と考えています。

反対派は「これがあるとエネルギー転換が進まなくなるし、結局は一般の消費者がその分のコストを負担することになるかも」と心配しています。

 

 

9.【Arbeit】Alle Beschäftigten sollen bereits nach 40 Beitragsjahren ohne Abschläge in Rente gehen können.

すべての労働者は、40年間の勤務後、年金を減額なしで受け取れるべきだ。

40年間社会保険料を支払えば、その後年金が減らず早く退職できるべきかという議論です。

賛成派は「長年働いてきたことや体力的にきつい仕事をしてきたことを評価して、これくらいの特典があってもいい」と考えています。

反対派は「これを実現すると、年金の財源が足りなくなって結局は保険料が上がるか税金をもっと払わされることになる」と懸念しています。それに、途中で仕事を辞めた人たちが不利になっちゃうっていう問題もあります。

 

 

10.【Innenpolitik】 Im einleitenden Satz des Grundgesetzes soll weiterhin die Formulierung „Verantwortung vor Gott“ stehen.

ドイツ憲法の冒頭の文には、引き続き「神の前で責任を負う」という表現を使うべきだ。

ドイツの憲法(基本法)の前文には、「神と人々の前での責任」っていう表現が入っいるのですが、これをそのまま残すべきかどうか?という議論。

残すべき!派は「歴史的にも文化的にも大事な表現で、倫理的な責任を強調する意味がある」と言ってる。

いや、削除すべきでしょ!派は、「国家は宗教と距離を取るべきだし、もっと中立的な表現にするべき」と主張。

宗教と国家の関係ってどこの国でも結構デリケートな話題だと思います。

 

 

11.【Arbeit】Deutschland soll weiterhin die Anwerbung von Fachkräften aus dem Ausland fördern.

ドイツは引き続き外国からの専門職の採用を推進すべきだ。

ドイツでは、看護、職人、ITなどの分野で深刻な人手不足が進んでいます。そこで「海外から専門職を積極的に採用しよう!」という政策があります。

賛成派は、「労働力が足りないと経済も社会保障も回らなくなる。だから外国人専門職の受け入れは必須!」と主張。

反対派は、「移民を受け入れるだけじゃなく、ちゃんとドイツ国内での人材育成に力を入れるべき」と言います。あと、「受け入れても、ちゃんと社会に溶け込めるサポートが足りてないのでは?」っていう懸念も。

ドイツの未来のために、どっちのアプローチが正しいのでしょうか?

 

 

12.【Umwelt】Für die Stromerzeugung soll Deutschland wieder Kernenergie nutzen.

ドイツは再び電力の生産に原子力を利用すべきだ。

ドイツは2023年に原子力発電を完全に止めたけど「やっぱりまた使うべき?」という議論が続いています。

賛成派は「エネルギー価格も上がってるし、気候変動対策として安定した電力供給が必要!」と主張。

反対派は「原発には安全面のリスクがあるし、放射性廃棄物の処理問題も未解決。そんな危ないものに頼るのはどうなの?」と警戒。

エネルギーの安定と安全、どっちを優先すべきなのか問題です。

 

 

13.【Arbeit】Bei der Besteuerung von Einkommen soll der Spitzensteuersatz angehoben werden.

所得税の課税において、最高税率を引き上げるべきだ。

これは税制の公平性と所得分配に関する議論。

賛成派は「高所得者はもっと税金を払って、社会全体を支えるべき!」と主張。

反対派は「そんなことをしたら、優秀な人のやる気が削がれ、投資も減って経済に悪影響が出る!」と懸念。

「富裕層にもっと負担を求めるべきか、それとも経済成長を優先すべきか?」といういつもの難しい問題。

 

 

14.【Bildung】 Der Bund soll mehr Kompetenzen in der Schulpolitik erhalten.

連邦政府は学校政策において、さらに多くの権限を持つべきだ。

ドイツの教育政策は基本的に各州に任されています。でも国全体で統一ルールを作った方がいいんじゃないか?という議論もあります。

賛成派は「どの州に住んでいても、教育の質が同じであるべき!全国的な基準を作れば、格差も減るし、教育改革も進む!」

反対派は「教育は地域ごとのニーズに合わせるべき!中央集権的に管理されたら、柔軟性がなくなる!」

全国統一 vs. 地方の自主性 どちらを優先すべきか、といういつもの議論。

 

 

15.【Außenpolitik】Aus Deutschland sollen weiterhin Rüstungsgüter nach Israel exportiert werden dürfen.

ドイツからイスラエルへの武器輸出は引き続き許可されるべきだ。

この問題はドイツの外交・安全保障政策と、歴史的背景からくるイスラエルへの特別な責任に関して。

賛成派「イスラエルの安全保障を守るため、武器供与を含めた支援は必要!」 特にガザでの紛争が激化する中で、イスラエルの防衛力を強化すべきという意見が強い。

反対派「武器供与がさらなる犠牲や戦闘の拡大につながる可能性がある!」ドイツ製の武器がどのように使われるのか慎重な管理が必要。外交的解決をもっと重視すべきという主張も。

安全保障と歴史的責任vs. 軍事支援による影響という、ドイツにとっては非常にセンシティブな問題。

 

 

16.【Soziales】Alle Bürgerinnen und Bürger sollen in gesetzlichen Krankenkassen versichert sein müssen.

すべての市民は法定健康保険に加入する義務を負うべきだ。

みんな同じ健康保険に入るべき?という話。

賛成派は「公的保険一本化で、みんな平等&財政も安定!」一つの制度に統一すれば、負担が公平になり、管理コストも削減できる。

反対派は「選択肢がなくなるし、医療の質が落ちるかも!」民間保険の高い保険料が医療システムの重要な財源になっているため、それがなくなるとサービスが悪化する可能性がある。

つまり平等と財政の安定vs. 選択の自由と医療の質のせめぎ合い。

 

 

17.【Dieversität】Die gesetzliche Frauenquote in Vorständen und Aufsichtsräten börsennotierter Unternehmen soll abgeschafft werden.

上場企業の取締役会や監査役会における女性の割合を定めた法律は廃止されるべきだ。

女性のリーダーシップ枠をどうするか問題。

賛成派は「能力が大事で、性別は関係ない!」性別に基づく区別は不要で、実力で選ぶべきだし、男性が不公平に扱われる可能性もある。

反対派は「女性のチャンスを作るために必要!」現在の社会には女性がリーダーになるための壁があって、女性に平等なチャンスを与えるために枠が必要だ。

実力主義と性別平等。どちらの価値観が優先されるべきかが争点です。

 

 

18.【Landwirtschaft】Ökologische Landwirtschaft soll stärker gefördert werden als konventionelle Landwirtschaft.

有機農業(環境に優しい農業)は従来の農業よりも強く支援されるべきだ。

持続可能な農業をどう支援するか?というテーマ。

賛成派は「環境に優しくて、多様性を守るために重要!」環境に配慮した農法は化学物質の使用が少なく、自然を守りながら生産できる。これを支援すれば、持続可能な方法がもっと競争力を持つようになる。

反対派は「伝統的な農業も大事!」従来の農業は供給安定に重要で、もっと支援してこそ新しい技術や持続可能な方法が進む。

どちらの方法がよりバランスよく未来の農業に必要なのかが問われています。

 

 

19.【Innenpolitik】Der Bund soll Projekte gegen Rechtsextremismus verstärkt fördern.

連邦政府は右派過激主義に対する取り組みを強化すべきだ。

ドイツにおける極右主義への懸念について。

賛成派「予防と教育が大事!」極端な思想や暴力、差別に対抗するために、早期からの予防と教育が必要だと主張。これによって極右の影響力を減らせる。

反対派「すべての極端な思想に対応すべき!」極右だけでなく、左翼過激主義やイスラム過激主義にも対応するべきだと指摘。バランスの取れた予防策が重要だという意見。

両者の間で、どこに重点を置くべきかが議論されています。

 

 

20.【Menschenrecht】Unternehmen sollen weiterhin die Einhaltung der Menschenrechte und des Umweltschutzes bei allen Zulieferern kontrollieren müssen.

企業はすべての仕入れ先において人権と環境保護の遵守を引き続き監視しなければならない。

この問題は2023年から施行された「供給チェーン監視義務法」に関するものです。

賛成派は「人権と環境保護のために必要!」世界の供給チェーンでの搾取や環境破壊を防ぐためには、企業が責任を持って監視することが大切だと主張。

反対派は「負担が大きすぎる!」特に中小企業にとって、行政手続きや財政的負担が大きすぎるとの批判。より柔軟な対応が求められている。

この問題は企業の責任とその負担とのバランスが焦点となっています。

 

前半の動画(1-20)

 

21.【Soziales】Die Ausbildungsförderung BAföG soll weiterhin abhängig vom Einkommen der Eltern gezahlt werden.

学費支援であるBAföGは、引き続き親の収入に基づいて支給されるべきだ。

この問題は、BAföG(学生支援金)の所得依存性に関するものです。

賛成派「親の責任!」親が経済的に支援できるなら、子どもの教育をサポートするのが当然だと主張。

反対派「親に依存しないべき!」親の経済状況に左右されず、全ての若者に平等なチャンスを与えるために、親から独立したBAföGに改革すべきだと考えています。

この問題は、教育の機会均等と親の負担とのバランスに関する議論です。

 

 

22.【Finanz】Die Schuldenbremse im Grundgesetz soll beibehalten werden.

ドイツ憲法における財政規律(債務制限)は維持されるべきだ。

この問題は2009年からドイツ基本法に組み込まれている「財政規律(Schuldenbremse)」に関するものです。

賛成派「未来のために必要!」 財政の健全性を保ち、将来の世代に過度な借金を負わせないために、この規則は必要だと主張しています。

反対派「柔軟さが欠けている!」この規則が投資の停滞を招き、特に気候変動対策やインフラ整備といった重要なプロジェクトに対して、政府が柔軟に対応できなくなると懸念しています。

要するに、財政の安定と国家の迅速な対応とのバランスが重要だという議論です。

 

 

23.【Migration】Asylsuchende sollen in Deutschland sofort nach ihrer Antragstellung eine Arbeitserlaubnis erhalten.

亡命申請者は、申請後すぐにドイツで就労許可を受け取るべきだ。

この問題は、難民申請者の労働市場へのアクセスに関するものです。

賛成派「早期の労働市場参加が鍵!」  難民申請者が早期に労働市場に参加することで、自立を促し、同時に専門職不足の問題にも対応できると主張しています。

反対派「経済的な移民を促進する恐れがある!」 早期の労働市場参加が経済的な理由で移住する人々を増やし、難民制度を圧迫する可能性があると懸念しています。

この議論では、難民の自立支援と難民制度の安定とのバランスが重要だという点が焦点となっています。

 

 

24.【Umwelt】Deutschland soll das Ziel verwerfen, klimaneutral zu werden.

ドイツは温室効果ガスの排出量をゼロにする(環境負荷をゼロにする)という目標を放棄すべきだ。

2045年までにドイツが気候中立を達成するという国の目標に関するものです。

賛成派「現実的ではない!」  この目標はドイツ経済に過度の負担をかけ、繁栄や競争力を損なう恐れがあると主張しています。

反対派「気候変動は重大な問題!」 →気候変動の深刻な影響に対処するためには、長期的な気候保護対策が不可欠だと強調しています。

この議論は、経済の持続可能な成長と気候保護の長期的な取り組みとのバランスをどう取るかが焦点となっています。

 

 

25.【Arbeit】In Deutschland soll die 35-Stunden-Woche als gesetzliche Regelarbeitszeit für alle Beschäftigten festgelegt werden.

ドイツでは、35時間労働制をすべての労働者に対する法定労働時間として定めるべきだ。

1週間の労働時間を35時間に短縮するか否か。

賛成派「ワークライフバランスが向上!」  より良いワークライフバランスや健康への負担軽減、そして生産性向上を期待しています。

反対派「経済競争力が低下!」  特に人手不足の業界では経済競争力に悪影響を与える可能性があり、一律のルールが硬直した働き方を生む恐れがあると懸念しています。

労働時間の短縮が個人の生活の質向上と経済全体の効率とのバランスをどう取るかが鍵となっています。

 

 

26.【Menschenrecht】Schwangerschaftsabbrüche sollen in den ersten drei Monaten weiterhin nur nach Beratung straffrei sein.

妊娠中絶は、最初の3ヶ月間はカウンセリング後に限り違法ではなくなるべきだ。

ドイツにおける妊娠中絶に関する現行法について。現在、妊娠12週以内に義務的なカウンセリングを受けることで、法的に中絶が認められています。

賛成派「命を守るバランス!」  妊娠中絶を行う女性へのサポートを提供しつつ、未出生の命を保護するために重要な規制だと主張しています。

反対派「女性の選択肢を広げるべき!」  より自由でアクセスしやすい中絶手続きを求め、女性の決定権を強化すべきだとしています。

女性の権利と命の保護との間でどのようにバランスを取るかが中心となっています。

 

 

27.【Finanz】Der Euro soll in Deutschland durch eine nationale Währung ersetzt werden.

ドイツではユーロを廃止し、別の通貨に置き換えるべきだ。

ユーロの将来と欧州統合についての議論です。ユーロを導入したことで、EU内での貿易が円滑になり経済の安定に貢献していますが、賛成派と反対派の意見は分かれています。

賛成派「経済的自由を取り戻せる!」  ドイツが再び経済と財政政策をコントロールできるようになると主張し、ユーロの導入により失われた独立性を取り戻すべきだと言います。

反対派「ユーロがEU経済を支えている!」  ユーロがEU内での貿易を促進し、経済的安定をもたらしていることを強調し、ユーロからの離脱は不安定要因と経済的損失を引き起こす可能性があると警告します。

ユーロがもたらす利点と、国家の経済的独立の重要性とのバランスをどう取るかが重要な議題です。

 

 

28.【Verkehr】Beim Ausbau der Verkehrsinfrastruktur soll die Schiene Vorrang vor der Straße haben.

交通インフラの整備では、道路よりも鉄道を優先するべきだ。

この問題は車移動か鉄道移動かどちらを促進したいかです。

賛成派「環境に優しい鉄道!」 →鉄道は二酸化炭素排出が少なく道路の混雑を減らすため、環境に優しい移動手段だと主張しています。鉄道網の拡充が求められています。

反対派「道路も重要!」  特に地方では道路交通が重要な役割を果たしており、鉄道だけでなく、道路インフラの整備も不可欠だと指摘しています。

要するに環境に配慮しつつ、地方の交通の需要を無視せずバランスを取ることが重要だという議論です。

 

 

29.【Soziales】Ehrenamtliche Tätigkeiten sollen auf die zukünftige Rente angerechnet werden.

ボランティア活動は将来の年金に反映されるべきだ。

ボランティア活動に対する報酬についての議論です。

賛成派「社会的貢献に報酬を!」  ボランティア活動は社会にとって重要な役割を果たしており、年金制度においてもその貢献を認めるべきだと主張しています。

反対派「ボランティアは自由であるべき!」  ボランティア活動が報酬に結びつくと、年金制度に追加的な負担がかかり、ボランティア精神が損なわれる可能性があると懸念しています。

社会貢献の認識と、制度への負担のバランスをどう取るかが重要なポイントです。

 

 

30.【Finanz】Die Grundsteuer soll weiterhin auf Mieterinnen und Mieter umgelegt werden dürfen.

固定資産税は、これからも賃貸契約者が支払うべきだ。

固定資産税の負担を誰が負うべきかという議論です。

賛成派「公平な負担配分!」 →固定資産税は使用している住宅面積に基づいており、この負担分配は公平であると主張しています。

反対派「賃貸市場に配慮を!」 →住宅市場がすでに逼迫している中で、固定資産税の負担を賃貸業者に移すべきだとし、賃借人の負担軽減を求めています。

住宅利用者と所有者間で税の負担をどう分けるかが焦点です。

 

 

31.【Arbeit】Das Streikrecht für Beschäftigte in Unternehmen der kritischen Infrastruktur soll gesetzlich eingeschränkt werden.

重要なインフラを支える企業の従業員は、ストライキをする権利に制限を受けるべきだ。

ストライキの自由と公共サービスの安定性のバランスについてです。

賛成派はストライキが医療や交通など重要なサービスに影響を与えるため、制限をかけるべきだと考えています。

反対派は、ストライキは労働者の基本的な権利であり、それを制限することは不公平だと主張しています。

簡単に言うとストライキをどこまで認めるか、社会全体の利益と労働者の権利をどう調整するかが問題です。

 

 

32.【Innenpolitik】In Deutschland soll es auf Bundesebene Volksentscheide geben können.

ドイツでは国家レベルでも国民投票を実施できるようにすべきだ。

全国規模での国民投票の導入についての議論です。

賛成派は国民投票によって市民の参加が強化され、より直接的な民主主義が実現できると考えています。

反対派は複雑な政治的問題が単純な「はい」か「いいえ」の質問に縮小され、ポピュリズム的な決定が増える可能性があると懸念しています。

要するに、国民の声を直接反映させるか、政治的な決定を専門家に任せるかのバランスが問われている問題です。

 

 

33.【Innenpolitik】Unter 14-Jährige sollen strafrechtlich belangt werden können.

14歳未満の子どもにも刑事責任を問われるべきだ。

ドイツにおける刑事責任を問われる最低年齢に関するものです。現在刑事責任が問われるのは14歳以上。

賛成派は14歳未満でも重大な犯罪を犯した場合、責任を問うべきだと主張しています。

反対派は14歳未満の子どもたちはまだ必要な成熟度を欠いており、予防措置や若者支援の取り組みが優先されるべきだと考えています。

若者の責任の取り方と、それに対する支援策とのバランスが重要な問題です。

 

 

34.【Außenpolitik】Deutschland soll sich für die Abschaffung der erhöhten EU-Zölle auf chinesische Elektroautos einsetzen.

ドイツは、中国製の電気自動車にかかっている高いEU関税を廃止するよう働きかけるべきだ。

貿易摩擦と欧州自動車産業の保護に関するものです。

賛成派、関税をなくすことで自由貿易が進んで、消費者は安い価格で商品を買えるようになると言っています。

反対派は関税が欧州の企業を守るために必要だと考えており、中国から輸入される安い製品が政府の補助金で価格が不公平になっている点を問題視しています。

要するに自由貿易によって消費者の利益を守ることと、欧州の産業を守ることのバランスが大事だということです。

 

 

35.【Migration】In Deutschland soll es weiterhin generell möglich sein, neben der deutschen eine zweite Staatsbürgerschaft zu haben.

ドイツでは、一般的にドイツの国籍とともに二重国籍を持つことが可能であり続けるべきだ。

二重国籍についての議論です。特に移民の統合やグローバルな移動の文脈で取り上げられています。

賛成派は複数の国にルーツを持つ人々の文化的・家族的なつながりを認めるべきだと考えています。

反対派は二重国籍が忠誠心の対立を引き起こす可能性があると懸念し、どちらか一方の国籍を選ぶべきだと主張しています。

要するに、複数の国に深いつながりを持つ人々をどう扱うかという問題です。

 

 

36. 【Soziales】Für junge Erwachsene soll ein soziales Pflichtjahr eingeführt werden.

若い成人には、社会的な義務として1年間の活動を義務づけるべきだ。

若者に義務として社会的な活動(例:介護、環境保護、災害支援など)を1年間行わせる制度についてです。

賛成派はこれによって社会への貢献を学び、貴重な経験が得られると言っています。

反対派は強制的な活動が個人の自由を侵害し、安い労働力が市場に影響を与える可能性があると心配しています。

社会貢献を進める一方で、個人の自由や経済への影響について議論している問題です。

 

 

37.【Umwelt】Neue Heizungen sollen auch zukünftig vollständig mit fossilen Brennstoffen (z. B. Gas oder Öl) betrieben werden dürfen.

今後新たに設置される暖房は、ガスや石油で動くものが引き続き許可されるべきだ。

エネルギー転換における暖房技術の未来についてです。

賛成派は最新のガス暖房技術が依然として効率的で、信頼できる暖房を提供するために必要だと主張しています。

反対派はCO₂排出量を減らし、化石燃料への依存を減らすために、より厳しい規制を求めています。

要するに、エネルギー効率と環境への配慮のバランスを取ることが重要だという議論です。

 

 

38.【Arbeit】Der gesetzliche Mindestlohn soll spätestens 2026 auf 15 Euro erhöht werden.

最低賃金は2026年までに15ユーロに引き上げられるべきだ。

この問題は、現在の法定最低賃金(12.82ユーロ)の引き上げについてです。

賛成派は、最低賃金を上げることで購買力が強化され、社会的不平等が減少し、生活に必要な賃金が保証されると主張しています。

反対派は、中小企業への負担や、特に経済的に弱い地域での雇用率への悪影響を懸念しています。

要するに、最低賃金を引き上げることで社会的な公平を進める一方で、経済や企業に与える影響も考慮しなければならないという議論です。

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Wahl-O-Matの質問は、今まさに議論されている社会的・政治的な問題をズバッと反映しています。

社会の公平性や経済の安定、環境問題や安全保障まで、私たちの生活に直結するテーマばかり。こ

れを通じて、自分がどの政党の考え方に近いのかをしっかり理解し、納得のいく投票ができるようになるわけです。

各テーマの背景や立場を深く掘り下げて考えることで政治がどう回っているのか、もっとクリアに見えてくる。

自分の立ち位置をしっかりと見つめ直すチャンスにもなると思います。

後半(21-38)↓

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