しょうがないの言い方3つ【ドイツ語表現】


日本語の「しょうがない」に該当するドイツ語を紹介します。日常会話です。

現代人は古代人からしたら神様ばりに願いを叶えることができますよね。

たとえば、子供を産みにくい身体でも科学技術で自分の子供を作れる。病気や怪我をしても技術で治せるものも少なくありません。

職業、住居、恋愛もわりかし自由・・・

しかししかし。どれだけ頑張ってもどれだけ技術があっても、そしてどれだけ望んでいなくても、ただただ「しょうがない」こともありますよね。

自然災害はどうしようもないし、治らない病気や怪我もあります。

考えを巡らせながらドイツ語の表現を見ていきましょう。

今回は「しょうがない」に該当する日常表現を2つ、そして最後の3つ目はたぶん日本語では別の訳され方をしていますが、こう考えた方が実践で使いやすいと個人的には考えてるものを紹介します。

それではどうぞ。

 

Man kann nichts machen.

ひとつめは定番の表現です。

Was will man machen.

でもいいです。

直訳は「人は何もできない」です。

これだけで一文がすでに完成していますので、前後に文をつけるだけでいいです。

 

たとえば。

 

Die Prüfung ist nicht so gut gelaufen. Aber jetzt kann man nichts mehr machen.

=テストあんまりよくできなかった。でももうしょうがない。

試験後にいくら後悔してももう「しょうがない」。時間を戻すことはできないと言ったニュアンスが出ますね。

 

 

Die Preise steigen ständig. Aber man kann nichts machen. Das ist die Inflation.

=物価が上がり続けてるけど。しょうがないよね。それがインフラ。

ドイツもそうですが、日本も時給は上がらないのに物価が上がっている・・・のような現象があるかもしれません。

しかしいくら抵抗しようが物価は上がる。しょうがないから給料を上げてもらうしかないかもしれません。

 

 

Gegen Erdbeben kann man nichts machen.

=地震にはどうすることもできない。

一文で言いたい場合はgegen+A(四格)が使えます。地震には抗えない。地震に対しては無力だ、といった意味ですね。

ちなみにErdbebenは数えることができます。また単数形と複数形の形が同じなので、上の文のErdbebenはどちらかというと・・・?

複数形のErdbebenですね。

とはいえ、いやこれは違うやろ、言い方次第でできることもあるかもしれませんね。

地震が来ることを抑えることはできないけれど、命を守るために対策をすることはできるのでこの文一つだけだと言葉足らずかもしれません。

 

 

Gegen Alterung kann man nichts machen.  Es ist ein natürlicher Prozess.

=老いにはどうすることもできない。

これもgegen+Aを使った普遍的な文です。まぁこれももしかしたら将来覆される可能性がありますが、今のところは死ぬ確率は100%ですね。

 

 

Es regnet und die Wanderung fällt aus. Schade, aber was will man machen.

=雨が降っててハイキングは中止になった。残念だけど、まぁどうしようもないよね。

これもよくあるシチュエーションかもしれません。外にお出かけするときは雨が降ったらもうどうしようもありません。

schadeは「残念」という意味なので、Schade, aber man kann nichts machen.「残念だけどでもしゃーないな」といったようにschade, aber…の形でもよくついます。

Was will man machenは疑問詞がついていますので「どうしろというのだ」的なものが似た訳かもしれませんが、意味はMan kann nichts machenと全く同じ。書き換えいつでも可能です。

 

 

Die Zeit vergeht so schnell. Man kann nichts machen, außer jeden Moment zu genießen.

=時がたつのはほんと早い。今を精一杯楽しむ以外ないよね。

Man kann nichts machenのあとに接続詞außerをつけることもよくあります。

außerのあとにはzu不定詞をつけることができますが、この種類については今回は省略。上級文法です。

 

その他の日常で使えそうな例文も少し。

ご自身で訳してみてね!

Das Geschäft hat schon geschlossen. Schade, aber man kann nichts machen.

Der Laptop ist alt und langsam. Na, man kann nichts machen.

Die politische Entscheidung ist gefallen und wir sind anderer Meinung. Man kann nichts machen, außer unsere Stimme bei der nächsten Wahl zu nutzen.

Das Konzert war ausverkauft. Man kann nichts machen, außer es beim nächsten Mal zu versuchen.

☆☆

 

2つ目の表現です。

 

Na gut, hilft nichts.

これも意味は1つ目と同じなのですが、さらに口語表現です。

 

たとえば

Hat der Zug wieder Verspätung? Na gut, hilft nichts. Ich muss warten.

=また電車の遅延?まぁしょうがない。待つしかないね。

こんな感じ。

Na gut, hilft nichts.の前にはなんらかの「しょうがない理由」をつけてください。唐突に言う表現ではありません。

 

他の例もどうぞ。

Der Kuchen war ausverkauft? Na gut, hilft nichts.

=なに、ケーキ売り切れ?あ、そ、、しょうがないね。

 

Ich muss Überstunden machen. Na gut, hilft ja nichts. Morgen mache ich früher Feierabend.

=残業しないと。しゃーないよな。明日早く帰ろ。

 

Ich habe meinen Schlüssel vergessen! Na gut, hilft nichts. Ich muss meinen Mitbewohner anrufen.

=鍵忘れた!どうもできひん、ルームメイトに電話しな。

☆☆

 

最後。3つ目。

 

A in Kauf nehmen

これは独和辞書を引くと「Aを我慢して受け入れる」「Aを我慢する」と訳されています。

その通りです。

たださ、「Aを我慢して受け入れるわ~」って日常会話で言うかなぁ?言うやろうけどさ。

私はどうもこの表現がピンと来なくて、長年このin Kauf nehmenが使えなかったんです。

でもある時、これって「Aやけどしゃーない」って意味ちゃうん?と気づいてからふさわしい場面でこの表現が出てくるようになりました。

はっきり言って意味は辞書に書いてあるのと同じなんですが、やっぱり自分が普段親しんでいる表現でつなぐと本当に使いやすくなる。

なので例文を見てみましょう。訳はそれぞれの好きにしてくださいね。

 

この3つ目の表現は1と2のように「選択肢がない状態のしょうがない」ではなく、「選択肢がある状態だけど、しょうがない」となります。

たとえば

 

Ich mag Sportwagen. Deshalb nehme ich den hohen Preis in Kauf.

=スポーツカー好きやねん。 だから高いけどしゃーない。

 

Ich will unbedingt in einer Großstadt leben. Ich nehme also Lärm und hohe Mieten in Kauf.

=絶対都会に住みたい。だから騒音とか家賃が高いのはしゃーないわ。

 

Ich muss mich operieren lassen. Dabei muss ich gewisse Risiken in Kauf nehmen.

=手術しないといけない。ある程度のリスクはしょうがない。

 

Das ist mein Traumjob. Ich nehme also den langen Arbeitsweg in Kauf.

=これはやりたかった仕事なんだ。だから通勤が長いのはしょうがない。

 

Ich will einen Hund halten. Ich nehme gern die Verantwortung in Kauf.

=犬を飼いたい。責任は喜んで受け入れる。

 

最後の例はgernがあったので、受け入れるほうにしました。in Kauf nehmenのすべてが「しゃーない」ではないのですが、ほとんどの場合このように訳すことができ、こう考えると日常で使いやすかった体験から紹介しました。

in Kauf nehmenは選択肢がありメリットがある状態で、そちらを優先するのでデメリットがあるのもしょうがない・そして受け入れるしかないといった意味になります。

中級の表現ですが、日常だけでなくニュースなどもにもよく登場する決まり表現です。

☆☆

 

ということでまとめ。

今回は「しょうがない」のドイツ語表現を3つ紹介しました。

1.Man kann nichts machen. / Was will man machen.

2.Na gut, hilft nichts.

3.Ich nehme A in Kauf.

1と2は同じ意味ですが2のほうがくだけた感じの口語表現。しかし1も日常でよく使います。

1と2は選択肢がない状態で受け入れるしかない時。雨とか遅延とかね。

3は選択しがある状態でメリットを取る結果、デメリットを受け入れるのは「しょうがない」という意味で使いました。

 

☆☆

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