es gibtの基礎【ドイツ語文法12-1】
今日はとても使い勝手がいい、でもなんかイレギュラーな感じがするes gibt+A(四格)という表現について学びます。
es gibtは日常的によく使われる表現ですが、初めて見ると少し分かりにくいですよね。
でも大丈夫。しっかりと実践的な場面を想像して練習しますよ。
まずgibtってなんの動詞やねん、ってなります。
gibtはこの表のここにあります↓
geben | Präsens | Präteritum | Perfekt |
ich | gebe | gab | habe gegeben |
du | gibst | gabst | hast gegeben |
er, sie, es | gibt | gab | hat gegeben |
wir | geben | gaben | haben gegeben |
ihr | gebt | gabt | habt gegeben |
sie | geben | gaben | haben gegeben |
そう、gebenの三人称単数形!
gebenは「あげる」「与える」みたいに覚えるのが一般的ですよね。
つまりes gibtを直訳すると「それは与える」。
しかし、実際の意味は「~がある」「~が存在する」という意味なのです。
Es gibt +対象(四格/Akkusativ)
これ決まった形!訳し方は「ある・いる・存在する」!
主語はいつもes。erやsieにはなりません。
主語がerやsieになるときは「与える」と訳しますよ。
現在
それではA1の教科書に出てくるes gibtの表現を参考にして例文を作ってみますよ!
課題は
Was gibt es in deiner Stadt?
=あなたの街には何がありますか?
あなたが今いる街、住んでいる町には何がありますか?映画館はありますか?野球場はありますか?博物館や公園は?
またないものも当然否定形で言うことができますね。
頭の中で思い出してみてください。そしてes gibt+Aで書いてみましょう。
参考に私の町のことも書いてみました!
In meiner Stadt gibt es ein Kino, aber (es gibt) kein Theater und keine Oper.
Es gibt in meiner Stadt viele Parkplätze.
Natürlich gibt es ein Rathaus – in jeder Stadt gibt es ein Rathaus.
Hier gibt es keine Universität. Deshalb gibt es auch keine Mensa.
In der Innenstadt gibt es einige Restaurants und Cafés, aber ich gehe nur sehr selten dorthin.
和訳
私の街には映画館はありますが、劇場もオペラハウスもありません。
私の街にはたくさんの駐車場があります。
もちろん、市役所もあります。どの街にも市役所はありますね。
ここには大学がありません。だから学生食堂もありません。
市内の中心にはいくつかのレストランやカフェがあります。でも私はそこにはめったに行きません。
こんな感じでいかがでしょうか。
ちなみにes gibtのほかにseinも「ある」「いる」の意味あるやん。どっちでもいいのかな?と思った方はこちらのページを読んでみてください。
どちらでもよくありません。
それでは次の課題。
「あなたの街」はとても広範囲でしたが、少し範囲をせまくしましょう。
Was gibt es in der Nähe?
=近くには何がありますか?
Was gibt es in der Gegend?
=周辺には何がありますか?
あなたが今いる近くには何がありますか?家の近く、というイメージでもかまいません。
道路?信号?スーパー?ポストはありますか?山や海などの自然は?
これも書き出してみましょう。
ちなみにin der Näheとin der Gegendの違いは、Gegendのほうがもう少し広範囲です。Näheは本当に近く。
それでは私も今度は思いつくままに書き出してみます。
Es gibt in der Nähe einen Supermarkt.
=近くにスーパーがあるよ。
Es gibt in der Nähe eine Pizzeria.
=近くにピザ屋さんがあるよ。
Es gibt in der Nähe eine Autobahn.
=近くに高速道路がある。
Es gibt in der Gegend viele Berge.
=この周囲にいっぱい山があるよ。
Es gibt in der Gegend gute Einkaufsmöglichkeiten.
=このへんは買い物するところがいっぱいあるよ。
Einkaufsmöglichkeitenは直訳すると「買い物の選択肢」という感じです。いい買い物の選択肢がある、が直訳ですね。
あなたの住んでいる近くには買い物の選択肢がいっぱいありますか?それとも少ないですか?
いっぱいあったら
Es gibt gute Einkaufsmöglichkeiten.
なかったら
Es gibt keine gute Einkaufsmöglichkeiten.
Es gibt schlechte Einkaufsmöglichkeiten.
と覚えましょう。
A1で出てくるes gibtはここまでです。
☆
次。A2で出て来るes gibtの表現。
A(四格)にどのような名詞が入っているのでしょうか?
このような名詞です↓
Es gibt einen Grund.
Es gibt viele Möglichkeiten.
Es gibt immer Ausnahmen.
Es gibt einen Unterschied zwischen “lernen” und “studieren”.
Es gibt günstige Angebote für Reisen.
Es gibt viele Anzeichen für den Klimawandel.
Es gibt immer wieder neue Untersuchungen.
四格に入っている単語は
der Grund(理由)
die Ausnahme(例外)
der Unterschied(違い)
das Angebot(割引・提供)
das Anzeichen(前兆)
die Untersuchung(調査)
これだけでもう訳せますね。
理由がある/ない、例外がある/ない、違いがある/ない、割引がある/ない、前兆がある/ない、調査がある/ない
日本語でも直訳できて分かりやすいです。
このへんを知っておけばA2のes gibtの単語はばっちりです。
☆
過去
とはいえ、教科書に出てこなくても日常会話ではめちゃくちゃ広範囲で使う場面がありますね。
たとえば事故・災害など。
事故があった、家事があった、などは日本語でも同じです。
そしてこれは起こった後に言うことが多いですよね。
もっかい三基本形見とこう。
geben | Präsens | Präteritum | Perfekt |
ich | gebe | gab | habe gegeben |
du | gibst | gabst | hast gegeben |
er, sie, es | gibt | gab | hat gegeben |
wir | geben | gaben | haben gegeben |
ihr | gebt | gabt | habt gegeben |
sie | geben | gaben | haben gegeben |
es gab A
es hat A gegeben
これは日常でどちらもよく使うから絶対覚えとき!
ちなみにドイツの上に行けば行くほどes gabを使われることが多く、es hat gegebenは南ドイツでよく使われます。
ちなみに私は真ん中のちょっと下らへんのヘッセンに住んでいますが、es gabの方がよく使います。だって短いし楽やん。ほとんどの動詞は日常で過去形を使いませんが、多用する動詞もあります。
例文。
Es gab 2011 ein großes Erdbeben.
=2011年に大きな地震があった。
Es gab einen Erdrutsch. / eine Lawine.
=土砂崩れ/雪崩れがあった。
Es gab einen Waldbrand.
=山火事があった。
Es gab einen Unfall auf der Straße.
=あの道路で事故があった。
Es gab einen Anschlag.
=テロがあった。
現在完了形にも慣れておきましょう。上の例文を現在完了形にします。
Es hat 2011 ein großes Erdbeben gegeben.
Es hat einen Erdrutsch / eine Lawine gegeben
Es hat einen Waldbrand gegeben.
Es hat einen Unfall auf der Straße gegeben.
Es hat einen Anschlag gegeben.
全く同じ意味ですので、過去形・現在完了形どっちを使っても自然ですよ!
次。
病気も。
病気や怪我の場合は少し気を付けてください。
日本語では
「熱がある」「頭痛がある」
のように「ある」が使えますが、 これはes gibtではありません。
haben
です!
「私が」熱を持っているのだから!
私自身がなんらかの病気であるときはhabenを使ってください。
es gibtは「ある」の他に「存在する」という意味がなければいけません。
先ほどの事故は「存在した」のだからes gibtでいいですが、病気の場合は「病気が存在する」はおかしい。
とはいえ「地球上にコロナが存在する」的な一般的なのはいいですよ。
しかし、私一人が病気という具体的な事例であるのなら、素直に「私」が主語でhabenです。
〇 Ich habe Fieber.
× Es gibt Fieber.
〇 Ich habe Halsschmerzen.
× Es gibt Halsschmerzen.
こういうことですね。
habenを使った病気や怪我の練習はこちらにもあります↓
ただ先ほどのように、一般的に存在する場合はes gibtももちろん使えますよ。
たとえば
〇 Der Impfstoff hat verschiedene Nebenwirkungen.
=このワクチンはいろいろな副作用を持っている。
〇 Es gibt verschiedene Nebenwirkungen bei Impfstoffen.
=このワクチンはいろいろな副作用がある。
どちらにも使えることもあります。
es gibt, haben, seinは基本動詞でありながらまぁまぁ使い分けが難しいこともありますが、ちゃんと理解できるように分けられているなと感心することも多いです。
どれもちゃんと適したところで使うことができ、しっかりと意味も区別されている。
言語を使うにあたって感覚ってほんとうに大事。感覚ないと日本語だってきっとめちゃくちゃだよ。
es gibtの感覚について体験したこを少し言語化した記事はこちら↓
これとともに読むとかなり理解度が上がるかもしれません。
☆☆
ドイツ語は「現地の教科書」をメインに勉強することをおすすめします。
教科書をやりながらこのサイトや動画を知識の補足、補強に使ってくだされば本望です。
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