過去の表現1:現在完了形【ドイツ語文法17】


ドイツ語基礎文法一覧

ドイツ語に3種類ある過去の表現のうち、最も日常的によく使われる現在完了形から学びます。
ドイツ語の時制まとめ

まずはどう形が変わるのか、現在文と比べてみましょう。

現在形の文:
A:Was machst du jetzt?
(今から何をするの?)

B:Ich besuche meine Eltern.
(両親のところに行くよ。)

――――――――――――――――――――――

現在完了形の文:
A:Was hast du gestern Abend gemacht?
(昨日の夜は何をしたの?)

B:Ich habe meine Eltern besucht.
(両親のところに行ったよ。)

現在文では動詞は2番目にあるのに対して、現在完了形では形を変えて最後につきます。

そして現在完了形は2番目にhaben(補助動詞)を人称変化させて入れると、上の文が完成しています。
habenの現在人称変化表

過去完了形の平叙文には、2番目にhabenまたはseinが入ります。
疑問文の場合はhaben/seinは1番目。

この2つを補助動詞(Hilfsverben)といいます。
そして文の最後にある動詞を本動詞(Vollverben)といいます。

補助動詞は意味を持たず、文法的な機能を果たすのみで
本動詞のほうが意味を持ちます。

最後につく本動詞の変化形は過去分詞(PartizipII)といいます。

つまり現在完了形は

補助動詞(sein/haben)+ 過去分詞

で、できています。seinとhabenは主語によって人称変化させるのを忘れずに。

――――――――――

では過去分詞の作り方は?

基本的な作り方は動詞の語幹取り出し、前後に“ge”と“t”をつけます。

例)
machen(する):語幹mach⇒gemacht
suchen(探す):語幹such⇒gesucht
lachen(笑う):語幹lach⇒gelacht

このように規則性がある変化をする動詞を、規則動詞といいます。
規則動詞の一覧はこちら

しかし規則動詞のすべてがge—-tの形になるとは限りません。

語幹が比較的長い動詞は、前の“ge”がつかず、後ろの“t”だけが付く場合があります。

例)
-probieren(試す):
語幹probier⇒probiert

-fotografieren(写真を撮る):
語幹fotografier⇒fotografiert

-interessieren(興味を持つ):
語幹interessier⇒interessiert
該当する規則動詞はこちら

分離動詞の場合はどうなるのでしょうか?
※分離動詞って何?という方はこちら

答えは、前つづりと動詞の間に“ge”が入ります。

例)
aufmachen(開ける)⇒aufgemacht
einkaufen(買い物する)⇒eingekauft
aufräumen(整理する)⇒aufgeräumt
分離動詞の規則動詞はこちら

では非分離動詞は?
※非分離動詞の文法を見る

非分離動詞は分離できず、動詞に前つづりがついて長くなるので後ろに“t”がつくだけです。
・・いいえ、長くなくても非分離動詞の前つづりがついているものはすべて“ge”省略です。

例)
bezahlen(支払う)⇒bezahlt
benutzen(使う)⇒benutzt
erklären(説明する)⇒erklärt
非分離動詞の規則動詞はこちら

以上が規則動詞です。

次は不規則動詞を見てみましょう。

―――――――――

ドイツ語では残念ながら、ふだんよく使われる動詞が不規則動詞であることが多いです。
覚えるまでは厄介ですが避けて通れません。
不規則ながらも、カテゴリー分けをしながら覚えやすいように説明します。

a) ge+動詞の原形

前に“ge”をつけるだけで完成の動詞。

例)
fahren(行く)⇒gefahren
kommen(来る)⇒gekommen
schlafen(寝る)⇒geschlafen

主な動詞:backen(焼く), braten(炒める), fallen(落ちる),heißen(という), laden(積む), laufen(歩く), wachsen(成長する), geben(あげる), fangen(つかまえる), fressen(動物が食べる), graben(掘る), halten(持っている), lassen(させる), messen(測る), tragen(運ぶ), blasen(吹く), stoßen(ぶつかる)
※これらの動詞にgeをつけて発音してみましょう。それが過去分詞形です。耳でも慣れましょう。

b)前後にge—tがつくが、語幹が変化する動詞。

語幹の母音がi⇒u やe⇒a に変化しています。

例)
bringen(持っていく)⇒gebracht
denken(考える)⇒gedacht
kennen(知っている)⇒gekannt
wissen(知る)⇒gewusst
nennen(~と呼ぶ)⇒genannt
rennen(走る)⇒gerannt
brennen(燃える)⇒gebrannt

c)語幹が変化し、-enで終わる動詞

oに変わる例)
beginnen(始める)⇒begonnen
fliegen(飛ぶ)⇒geflogen
helfen(手伝う)⇒geholfen
schwimmen(泳ぐ)⇒geschwommen
sprechen(話す)⇒gesprochen
treffen(会う)⇒getroffen
biegen(曲げる)⇒gebogen
gewinnen(勝つ)⇒gewonnen
schließen(閉じる)⇒geschlossen
sterben(死ぬ)⇒gestorben
verlieren(失う)⇒verloren
werden(なる)⇒geworden
werfen(投げる)⇒geworfen
ziehen(引っ張る)⇒gezogen

iまたはieに変わる例)
bleiben(留まる)⇒geblieben
schreiben(書く)⇒geschrieben
steigen(上がる)⇒gestiegen
gleichen(比べる)⇒geglichen
beißen(噛む)⇒gebissen
greifen(掴む)⇒gegriffen
reiben(こする)⇒gerieben
reiten(乗る)⇒geritten
scheiden(離す)⇒geschieden
scheinen(輝く)⇒geschienen
schmeißen(投げる)⇒geschmissen
streiten(争う)⇒gestritten
verzeihen(ゆるす)⇒verziehen
weisen(示す)⇒gewiesen

uに変わる例)
finden(見つける)⇒gefunden
singen(歌う)⇒gesungen
trinken(飲む)⇒getrunken
binden(結ぶ)⇒gebunden
gelingen(成功する)⇒gelungen
klingen(鳴る)⇒geklungen
springen(跳ぶ)⇒gesprungen
stinken(臭う)⇒gestunken
zwingen(強いる)⇒gezwungen

d)その他の不規則変化

gehen と essen という最もよく使われる動詞の中の2つは何とも言えない変化をします。
この2つは、なぜ?とは考えず、そのまま覚えてしまいましょう。

gehen(行く)⇒gegangen
essen(食べる)⇒gegessen

不規則動詞三基本形の聴き流し動画↓

―――――――――――

補助動詞:seinかhabenか問題

ドイツ語の現在完了の補助動詞はhabenを使うことが圧倒的に多いです。
seinを使う動詞は少数派です。

ここではseinを使う主な動詞を覚えておきましょう。3つのパターンがあります。

1.場所を移動する動詞のときはsein
gehen(歩いて行く), kommen(来る), fahren(乗り物で行く), umziehen(引っ越す), fliegen(飛行機で行く), steigen(登る), rennen(走る)他。

2.状態の変化を表す動詞はsein
werden(なる), aufstehen(起きる), wachsen(成長する), sterben(死ぬ), gebären(生まれる), einschlafen(うとうとする), aufwachsen(育つ)など。

3.その他seinを使う動詞
bleiben(留まる), gelingen(成功する), geschehen(起こる), passieren(生じる), sein(である)

厄介なのは、seinを使う動詞であっても、文の内容によってはhabenになりうること。

Ich bin mit dem Auto gefahren.
(私は車で行った。)

Ich habe das Auto gefahren.
(私はその車を運転した。)

fahrenはseinだけではなくhabenになることもあります。このような動詞は一定数あります。

見分け方は、文の中に目的語(四格)があればどの動詞でもhabenを使う、ということです。

―――――――――――

ここまでの解説を読むと現在完了のsein/habenの2択は一見とても複雑です。

しかし大多数の動詞はhabenであり、またsein支配の動詞は日常的に最もよく使われる語がたくさん入っています。

現在完了形をまとめると、

・補助動詞sein/habenは2番目の位置、現在人称変化をする。

・本動詞は文の最後で、過去分詞形に変化する。

・過去分詞形には規則動詞と不規則動詞がある。

・seinかhabenかはほとんどの場合、本動詞よって決まる。

これを全部やって初めて過去の表現が正しく言えます。

どうやって正しく言えるようになるの?と思われる方、

練習あるのみです。現在完了は練習をたくさんした人が正しく使えるようになります。
近道はありません。さっそく自分でやってみましょう。

ここにある例文をすべて現在完了形に変えてみましょう。
どれも日常的によく使われている表現です。⇓

ドイツ語の例文:一日の流れ

頑張ってください!(回答はこちら

さらに、練習問題もやってみましょう。回答は一番下です。

【初級】現在完了形の練習問題 -Perfekt-【ドイツ語文法】

現在完了形の文法解説動画。耳からもインプットを!↓

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3 コメント

  1. こんにちは。Nanakoさんの動画や解説を少しづつ見てドイツ語学習に取り組んでいます。
    17課のヘンデルとグレーテルの動画の中の文章についての質問です。
    Er legt Steine hinter sich auf den Weg. のsichは、再帰代名詞になるのでしょうか。
    現在60歳ですが、50代になってからドイツ語をラジオ講座で始め、最初は本当に理解できない未知の言葉でしたが、今はドイツ人の考え方やドイツをはじめとするヨーロッパの国々の実情なども知りたいと思って、インターネットのニュースなどを正確に読めるようになることを目標にしています。和訳のコツなどのアドバイスはとても参考になり、動詞を見つける大切さを感じています。文法も解説、動画、練習問題と順序立って学習できるように工夫されているので、高校までの英語しか外国語を学習したことのない私にとっては願ったり叶ったりの講座となっています。このサイトに巡り会えた事に感謝です。

    1. おっしゃるとおりこのsichは再帰代名詞です。
      応用の範囲ですが、前置詞+三格または四格の再帰代名詞という使い方もあります。
      色々と使い方はあるのですが今回の例に限っていえばhinter(場所の前置詞)+四格代名詞という形ですね。
      この代名詞が主語と同じ人物であれば再帰代名詞になります。
      例)
      Ich stelle die Tasse vor mich.=私はカップを自分の前に置く。
      Er stellt die Tasse vor sich.=彼はカップを自分の前に置く。

      ↑これはmichもsichも主語と同一人物なので再帰代名詞になります。
      ちなみに普通の代名詞は使えません(×Er stellt die Tasse vor ihn.)。

      主語と同じ人が文のどこかで繰り返された場合は再帰代名詞になるということですね。

      こんな短い回答ではうまく言いきれていないですがのちに(だいぶ後)詳しい動画を作ります。

      これは18の動画を撮った当時、いつか誰かが気づくかもしれないとは思っていましたが比較的高度なものです(ほぼすべての文法動画にそのポイントがありますが今のところ誰からも質問きてない)。
      これだけでもあなたが一つずつ真面目に丁寧にドイツ語を勉強されているのが分かります。
      的確で良い質問をありがとうございます。
      何歳になっても前に進もうと好奇心を持たれている方を見ると私もそうでありたいと改めて思います(*^-^*)
      そんな方に自分が作ったものを存分利用してもらえるのはこちらこそ願ったり叶ったりです。

  2. 回答ありがとうございます。再帰動詞は文章読解をする際にその存在を忘れがちなのですが(作文の際も)、どの再帰を意味するかがわかると読解する上では大いに役に立つ品詞だと思います。
    これからも疑問が生じましたら質問させて頂きたいので、よろしくお願いします。酒井

 

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