鳳凰で感じる貧困問題。貧困を助ける4つの仕事【中国】
鳳凰に行きました。
私は今回、一日だけ鳳凰のほんの川沿いの地域を少し見て回っただけなのだけど中国にしてはとても小さな県だなと感じた。観光地としては唯一といえるほどの独特で美しい風景を持っているけど。
私みたいなのが撮る写真では全然表現力が足りてません。ぜひ実際に見てほしい。写真で見るより圧倒的に素敵な光景が広がっています。
建物のほとんどは旅館(客棧)かこじんまりしたお店でホワイトカラーどころかブルーカラーも存在しない地域。私が見たところ。もちろん電車は走っていないしコンビニもないしショッピングモールもない。ユニクロやスタバみたいな上海では見飽きたような海外のお店も何もない。あるのは料理屋かバーかお土産屋か雑貨屋である。売っている商品は手作りか義烏で見たことがあるものばかり。
つまりこの町の住民は観光業で食べているんでしょう。
旅館は観光客の要求にあわせてインフラが整っているところが多いけど住民のインフラがどの程度なのか知ることはできませんでした。
ここでは2018年の時点でも貧しそうな人をたくさん見ます。ゴミを必死で漁っている人やペットボトルを集めて歩く人、スイカの皮を集める人、フルーツを運ぶ人、お土産の刺繍をする人、観光客にひっきりなしに声をかけて何かを売ろうとする人・・・。花を売る子供もいます(常識ですが子供からは絶対に買ってはいけません)。
それはきっとこんな成り行き。
元々鳳凰で農業をして暮らしていたけど、いきなり観光地になってしまい外からたくさんの人々が押し寄せるようになった。その結果物価が上昇し今までどおりじゃ食べていけなくなった。生活に困った人たちはなりふり構わずに観光客のおこぼれにあずかろうと必死に食らいつき、生活費を稼いで食いつないでいる ← 今ココ。
観光客を相手にする仕事を見てみましょう。
1.花冠を売るおばあさん
手作りの花冠は一番みすぼらしい格好をしたおばあさんたちが声をかけて売りに来る。過酷な農民人生の証のような太く濃いしわがたくさん顔に刻まれている。お金がないとこんな顔になるのだろう。皆似たような顔をしている。そして彼女らは皆とても小柄。子供のような体系してます。
これ、いくらやと思います?なんと4元だよ!(66円)どこかで拾ってきた木の枝に糸でまとめて縛る。一つ一つの花には爪楊枝がついており、冠に刺さるようになっている。花もどこかから調達してくるか買うか自分で栽培するしかない。
手間暇も考えるとひとつ4元で売るって食べていけるの!?仮に一晩で5こ売れても20元。花を買っていたりしたら手元に入るのはもしかしたら半分かもしれない。はたして生活できるんだろうか?
たとえば炒めたじゃがいも(写真右)は屋台なら5元で買えます。餃子6こは10元。
花冠を売る人々は食べるのに(生きるのに)いっぱいいっぱいな気がしますね。
2.主に女性をターゲットに民族的な商売をする人たち。
鳳凰は夜の街なので昼間はほとんど座って時間をつぶしているが、彼女らはエクステを施す人たち。
ちょっと見えずらいですが、髪に少し明るいものが付いているでしょう。
明るい色の紐を少しの髪と一緒に三つ編みして華やかにするんです。8~10本ほどつけてくれます。10元。これは紐以外の元手がかからなくていいですね。ただ手先の器用さが必要かも。かなり細かい三つ編みをしなければならないから。時間も10~15分ぐらいはかかるんじゃないかな。
3.コスチューム、時には写真を提供する人たち。
若い女性や男性もいます。彼らは2種類いて、衣装一式のみを持っている人たちと、衣装+カメラを持っていて写真を撮ってくれる人たち。身なりも現代風。
後者はかわいいポーズや夜景スポットも紹介し、写真を撮ります。花の入ったカゴや冠などアイテムも用意されていて次々と色んなポーズをしていってました。可愛い。
写真は幾らか知りませんがコスチューム借りるのは10元。
この人が持っていたカメラはキャノンで大きなレンズもついていたのでそれが買えるだけ稼げたということですね。私も10年前だったら確実に着てた。若い子たちが喜びそうな商売です。年配におばちゃん観光客もたまに着て写真を撮ってもらっていたよ。
4.屋台で売る人たち
上の3つよりは圧倒的に安定してますね。ちなみに彼は苗族(ミャオ族)らしいです。とってもフレンドリーで仕事熱心な人でした。この人、日本人とも気が合うと思う。ミャオ語の他にトゥチャ語も話せるそう。普通語も流暢でしたよ。
一番安定しているのはお店を持つ、または旅館を営む・・・あたりでしょうか。バーの経営者はまぁまぁお金持ちかもね、利益率高いから。
例外でこれ。何かの冗談なの?と思ったけど
若い女の子に透明のマニキュアを塗ってもらう男性。そういえばこの町に水商売はあるのかな?
――――――――――――――――――――――
こうやって通りすがり的に鳳凰を見た後にグーグルさんで調べてみると。
湖南省に位置する鳳凰に住む人々は古くから土家族と苗族の集住地域で、今でも人口の半分以上が少数民族だそう。
しかしみんな普通の服装なので誰がどの民族かは全くわかりません。誰も民族衣装なんて着てないし。お祭りなんかに偶然居合わせたら面白そうだな。ちなみに私に花冠を売ったおばあさんは「漢族よ」と言っていた。共存してるんだな。
そして国家貧困扶助開発の重点県である・・・!まじで!でもほんとに農業しかない感じだったもん、そうだよね。工場とかなんにもなかったし。
一体いつから観光都市になったんだろう?
2001年に国に特別に国家歴史文化都市として許可されたらしい。約17年前から徐々に観光客が増えていったんですね。それこそ中国が必死で貧困撲滅に取り組み始め、成果が出てきた頃。約15年前から観光客相手に色々とがんばった人や政府から補助(?)が出て旅館(インフラ)などの商売ができるようになった人はこの地域ではちょっとお金持ちになったのかな。
まだ色んなところに古い建物が残っています。
家と言えないような家もよく見かける。
あちこちで洗剤を使って洗い物をする人々がいる。
あああ・・・川の水が汚染されるのに・・・。そういう意識はまだないようです。
その汚染された水の中で生きる魚を釣る人々。ああ健康問題の意識は・・・。
観光客&川のど真ん中でパンツ一丁の老人。
まだ初々しい観光地という印象が強い鳳凰。海外からの観光客もかなり少なかったし。ほとんどが中国人観光客。これからもっともっと観光地化するんだろうな。鳳凰を訪れた際にはぜひ綺麗な花冠をつけて歩いてね!!とってもかわいく見えます。男性で被ってる人もいましたよ!
次はどこから書けるかわかりませんがとりあえず印象深かった鳳凰でした。