一生ドイツ語(2)象は鼻が長いんじゃない他
2011年から断続的にドイツに住み、ドイツの大学を出て、ドイツ語を日常言語とする私が最近学んだことの一部をおすそわけ。
(1)はこちら↓
シャッター・ブラインド
・der Fensterladen
・der Rollladen
・die Jalousie
まずは語彙の使い分け。窓の前後にある細かいものの名称。
これ意外と日常会話で使うから覚えておくと便利ですよ。よく授業で生徒さんにも訊かれます。
まず写真で見てみましょう。
der Fensterladen
der Rollladen
die Jalousie
日本語ではなんていうでしょう。
der Rollladenはシャッターまたは雨戸ですね。つまり窓の外についているものです。
die Jalousieはブラインダー。これは窓の内側についていて太陽光を遮るものです。
der Fensterladenは日本の家には基本的についていませんね。そのかわり日本の家は雨戸(=Rollladen)がついていることが多いでしょうか。
ちなみに上下に開閉するシャッターやブラインダーの動詞はhochmachen/runtermachen
Ich mache die Jalousie hoch.
=ブラインダーを上げる。
Ich mache den Rollladen runter.
=シャッターを閉める(下げる)
そして左右に開閉する窓はaufmachen/zumachenです。
Ich mache den Fensterladen auf.
=外の窓を開ける
Ich mache den Fensterladen zu.
=外の窓を閉める
あてずっぽう
ドイツ語の「あてずっぽう」はaufs Geratewohlといいます。
口語はauf gut Glückです。しかしこれも文法的には矛盾していて説明できませんのでこのまま覚えましょう。
主に何も考えずに何かを選んだときに使います。
Aufs Geratewohl nehme ich irgendeine davon.
Auf gut Glück nehme ich irgendeine davon.
=あてずっぽうにここから一つ取った。
Ich bin aufs Geradewohl in das Restaurant gegangen und es war sehr lecker.
Ich bin auf gut Glück in das Restaurant gegangen und es war sehr lecker.
=適当にレストランに入ったけど、めっちゃおいしかったよ。
茂みと藪と・・
・der Busch
・das Gestrüpp
・die Hecke
・die Böschung
これも語彙シリーズ。目に見えるものの名前って実生活ではけっこう必要だけど時には至難の業。
特に自然系は難しい。専門用語じゃなくても難しいと思う。日本語でも言えないものも多い気がします。
それでは写真で見てみましょう。
der Busch
das Gestrüpp
die Hecke
die Böschung
それぞれ日本語ではなんていうんでしょうね。
私的にはder Buschは茂み、das Gestrüppは藪、die Heckeは生垣、die Böschungはちょっとした傾斜地。ぐらいでしょうか。
日独などの辞書を見ても全部書いてあるので、細かい使い分けは難しいですね。
ちなみにdie Böschungは先日、Loschという町の世界遺産の修道院に行ったときにみかけて、この段差をなんていうのか訊いたもの。するとBöschungだよと言われました。
この段差↓
これが世界遺産の修道院だよ。
象は鼻が長いんじゃない
全然関係ないですが「象は鼻が長い」という日本語の文法研究で有名な本がありますね。
日本語が話せて言語に興味がある方はぜひ読んでほしいですが、ドイツ語ではあの象の長い鼻は「鼻」といいません。
der Rüsselという別の単語を使います。
ドイツ語の鼻(die Nase)とは人間であれば2つある鼻の穴のことを指すらしい。
つまり象にも鼻はあるけど、それは穴があいている先のところだけで、あの長い物体はRüsselというのだよ!
じゃあ一体なにがRüsselかというと、口の上部とつながっている鼻(日本語では鼻という)のことをいうらしい。
つまりこういうこと↓
象はder Rüsselが長い!
他に口の上部とつながった鼻を持つのは豚です。
だから豚もRüsselを持っていることになりますね。
それにしてもドイツ人とドイツ語で会話していると
「象は鼻が長いのか長くないのか?」
「肺は1こか2こか?」
「メロンパンはパンといえるかいえないか?」
みたいな不毛な議論をたくさんしなければなりません。自分が当たり前と思っていることがいかに当たり前ではないか、言語からもたくさん学ぶことができますね。
仲がいい v.s. 仲直りする
「仲がいい」とドイツ語で言いたければ、私だったら
Ich verstehe mich mit ihm/ihr gut.
=私はあの人と仲がいい。
Wir verstehen uns gut.
=私たちは仲がいい。
が最初に思い浮かびます。これはみんなよく使っている気がします。
でも最近別の表現を聞きました。
Ich vertrage mich mit ihm/ihr gut.
=私はあの人と仲がいい。
Wir vertragen uns gut.
=私たちは仲がいい。
sich vertragen!
vertragenは、Ich vertrage keinen Alkohol.(=アルコールが飲めない・体に受け付けない)といった意味が真っ先に思い浮かびますが・・。再帰動詞の使い方もあったのですね。
また「あの人と仲直りした」であれば私は
Ich habe mich mit ihm/ihr versöhnt.
しか知りませんでした。
でもこれもsich vertragenでいけるんだそうです。でもwiederをつける!
Ich vertrage mich mit ihm/ihr wieder.
=私はあの人と仲直りした。(またなかよくなった)
Wir vertragen uns wieder.
=私たちは仲直りした。
こんな使い方ができたんですね~。仲がいいと仲直りするの表現は紙一重。なるほど。
書き具合
schreibenの主語は大概人ですが、ペンやえんぴつが主語になることもあるんですね。
最近知りました。
Der Stift schreibt nicht mehr.
=書けない(インクがなくなった)
Der Kugelschreiber schreibt besser als der Bleistift.
=ボールペンのほうがえんぴつより書きやすい。
Der Bleistift schreibt hart.
=このえんぴつは固いね。
へーえ、便利。
最後に翻訳の練習をどうぞ。
1.Kannst du die Jalousie runtermachen? Die Sonne blendet mich.
2.Auf gut Glück wähle ich eine davon aus.
3.Elefanten haben einen langen Rüssel.
4.Wir vertragen uns gut.
5.Wir vertragen uns jetzt wieder.
6.Der Kuli schreibt gut.
日本語訳は上にあります。
動画解説はこちら↓
最近友達の家でやった新しいボードゲーム。テキスト多いし複雑で毎回大変だよ!
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