losの日常の表現【ドイツ語副詞】
これらのlosを使った表現は日常会話、特に口語で頻繁に使われる表現です。
Was ist da los?
Was ist los mit dir?
Heute ist es viel los.
Los, wir beginnen.
Ich muss gleich los.
Er ist schon los.
Der Knopf ist los.
すべてsein動詞と一緒に使われるものをあげていますが、意味は同じなの?違うの?ニュアンスはどうなの?いつ使うの?という話ですね。
意味はすべて違います。
口語なので会話形式でひとつずつ意味を見ていきます。
ちなみにこのlosが副詞なのか形容詞なのかという議論はしません。このへんは曖昧です。
ただ、losはlosgehenやloslegenなどの分離動詞の前つづりとして入ることもあります。その場合は動詞自体がかわりますので、今回はseinの述語として使われるlosのみの解説です。
Was ist los?
これはWas ist passiert?=何が起こったの?と同じ意味で使われます。
ダイアログ例↓
A:Hast du das Bild vom Vulkanausbruch gesehen?
B:Ja, was ist dann eigentlich los?
A:Ich weiß auch nicht, was los war.
訳↓
A:あの噴火の映像見た?
B:見た見た、一対何が起こったの?
A:さあ何でああなったんだろ、私も知らない。
自然災害や事故など、予期していないことなどが発生し、その詳細を尋ねる時などに使われる口語です。
たくさん人が集まっているけど何が起こったのかわからないときなどにもぴったり。また怪我をしていたり、何かがあったりした様子だったときにも使えます。驚きをもって尋ねるという感じの表現ですね。
Was ist los mit D
先ほどの文にmit D(三格)をつけると「Dの何かがおかしい、普通じゃない」というようなニュアンスになります。D sieht komisch / unnormal aus.といった感じでしょうか。
Dには人が入ることが多く、誰かの様子がいつもの違った時などに使われます。
ダイアログ例↓
A:Hast du neulich das Gesicht von Kim Jong-un gesehen?
B:Ja, es hat viel abgenommen. Was ist los mit ihm?
A:Ich frage mich auch. Irgendwas ist es mit ihm los.
B:Vielleicht hatte er ein gesundheitliches Problem.
訳↓
A:最近金正恩の顔見た?
B:うんうん、めっちゃ痩せたよね。どうしたんだろ?
A:私もおかしいなと思ってたんだ、なんかあったんでしょ。
B:健康の問題とか?
誰かの行動がおかしかったりいつもと違い、原因がわからない時にぴったりの表現です。
Was ist los mit dir?と訊かれたらいつもと違うことを怪異・心配されているという意味でしょうか。
とはいえ使える範囲は広く、いつも面白い人が寒いジョークを飛ばしたり、おっちょこちょいな行為や笑える行為をしたりしたなどでもあまりネガティブにならず使うことも多いです。
Es ist viel los.
これは上の2つとは意味がガラッと変わり、「(場所が)混んでいる・混んでいない」という意味です。
viel, wenig, nichts, kaumなどの語と一緒に使われるとこの意味になります。
ショッピングモールやクリスマスマーケット、路上やなど様々な場所に人が多いか少ないかという意味で使います。
Es ist wenig los.=人が少ないです。
ダイアログ例↓
A:Verdammt, heute ist viel los.
B:Außerdem tragen die meisten Leute keine Maske.
A:Kommen wir erneut, wenn nicht so viel los ist?
B:Ja, ich hoffe, dass nächstes mal ganz wenig los ist.
例↓
A:ちょっとー、今日人がいっぱいだ。
B:しかもほとんどの人がマスクしてないし。
A:あんまり多くないときにもっかい来る?
B:うん、次はすごい少ない時を狙って来れるといいな。
↑この会話は私がジムに行ったときに思いついたものです。また駅や道路、車の渋滞などのときにも場所であればなんでも使えます。
人がいないときはEs ist kaum los. Es ist gar nicht los.など段階によって表現も変えられます。
非人称代名詞のesは副詞が最初に来ると省略できます。〇Heute ist viel los.
しかし主語がないときは入れてましょう。〇Es ist viel los.
Ich bin A los.
これは四格と一緒につくものです。Aから解放されたという意味です。
一般的には病気などが入ります。ドイツ語ではvon D frei sein.と似た意味です。
ダイアログ例↓
A:Ich bin endlich die nervigen Nebenwirkungen los.
B:Das freut mich. Aber bald fängt die Pollenallergie an.
A:Verdammt, ich kann den Schnupfen nicht los werden.
B:Du Armer.
訳↓
A:やっと忌々しい副作用から解放された~。
B:おーよかったね。でももうすぐ花粉症の時期が来るよ。
A:うわ最悪、今度は鼻水が治らないなぁ。
B:ああかわいそう。
Nebenwirkung(副作用)やSchnupfen(鼻水)など身体の不調に関連した単語ですね。Kopfschmerzenなどもよく使います。
さまざまな意味がありますね。
los, beeil dich!
命令形で使われることが多いlosには「急げ」または「始めて」のどちらかの意味が含まれています。始める前や出かける前に言う言葉です。
またもう一つ「行く」の代わりにlosを使うこともあります。2つ同時にダイアログを見てみましょう。
(家族で出かける前の家のなか)
A:Wo ist Opa?
B:Es ist schon los. Wir müssen auch gleich los.
A:Warte, ich muss mich noch umziehen.
B:Los, beeil dich, ansonsten verpassen wir unseren Zug.
A:So, ich bin bereit. Los geht’s!
訳↓
A:おじいちゃんは?
B:もう行ったよ。私らもすぐ行かなきゃ。
A:まって、まだ着替えなきゃ。
B:はやく、でないと電車に乗り遅れちゃうよ。
A:準備できた、さ、いこう!
いろいろな意味のlosが含まれていますね。
最初の2つのlosはrausgehen(出かける)と同じ意味です。おじいちゃんは一足先にもう出てるよ、と言った意味と、私たちもすぐに出かけなきゃという意味です。
また、命令形として文の最初に来ているlosは「急いで」というニュアンスがあります。
Los geht’s!は決まり表現で、さぁ出発、またはさぁ始めよう、的なニュアンスです。
los
最後のlosは取れる・または外れるといったニュアンスがあります。
しかし使える単語はかなり限られている気がします。ここでは2例紹介します。
1)Der Knopf ist los.
2)Der Hund ist von der Leine los.
訳↓
1)ボタンが取れてしまった。
2)犬のひもが外れている。
何かがボロッと取れてしまった、という感覚でしょうか。しかしこれ以外の例文は思いつきませんでした。
まとめ
たくさんの意味があり、また口語で使われることが多いlosの意味まとめです。
1)発生する・起こる
2)おかしい・普通じゃない
3)解放される・治る
4)始める・出発する
5)外れる・取れる
それぞれのニュアンスによって少しずつ使い方が違いますね。ある意味では非人称esが主語に、あるところではichが主語に使えたり前置詞がついたり、特定の副詞や形容詞がついたりもします。
できれば日常で聴きながらシチュエーションと共に慣れたいですね。
動画解説はこちら↓
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