【読解】ベルリンの大学食堂が肉を96%カット【上級ドイツ語ニュース3】
環境問題への対応としての食改革の大規模な一歩。
ベルリンの大学機関が先頭を切ってMensa-Ernährungskonzeptなるものを提唱しました。
ベルリンにあるすべての大学が、大学食堂で作られるメニューの96%に肉・魚を使わないと発表しました。
言い換えれば肉と魚を使った料理は4%。
2020年の食生活のレポートによると、ドイツでは
・ビーガン1%
・ベジタリアン3%
・肉食者58%
・ほぼベジタリアン時々肉食38%
です。
しかしこれは年齢により大きく異なると個人的には感じています。
私はドイツの大学に在籍していましたが、逆に肉食者のほうが割合的には少ないのではないかと思うぐらい、ビーガン、ベジタリアンが多かったです。ほぼベジタリアン時々肉食という人も非常に多く、環境問題について深刻に考えているという人は多かったです。逆に50代から上の人で肉食ではない人はほぼ聞きません。(データではなく個人的な観察です)
しかしここ数十年の時代の変化は大きく、食生活の改革の範囲は若者から意識が広がっているのはなんら自然だと感じます。私もずいぶん周りの大学生から影響を受けました。
ベルリンのStudentenwerkからのニュースです↓
Das Standartangebot in der Mensa ist zu 96 Prozent vegan und vegetarisch.
=学生食堂でのメニューの基準は96%をビーガンとベジタリアン食とする。
Montags wird deine Mensa rein vegan / vegetarisch.
=月曜日は完全に菜食のみとする。
Beginnend mit dem Wintersemester 2021 wird das Mensa-Standartangebot wie folgt aussehen:
・68 Prozent vegan
・28 Prozent vegetarisch
・2 Prozent Fisch
・2 Prozent Fleisch
=2021年冬学期から始まる学生食堂の基本メニューを次のとおりとする
・68%ビーガン
・28%ベジタリアン
・2%魚
・2%肉
Damit erfüllen wir jetzt schon die Vorgaben, die sich der WWF für 2050 wünscht.
=これでWWF(世界自然保護基金)2050年が望んだ基準値を果たすことになる。
WWF2050年とは↓
(WWF Deutschland)
Wie wollt ihr das machen?
Die Mensen und Coffeebars des studierendenWERKs BERLIN gehören zur sogenannten Systemgastronomie.
=ベルリンの学生食堂と学生カフェバーはいわゆるシステム形式の一つである。
Ein System – für alle Mensen.
=すべての食堂に1つのシステム
Steht am Montag ein Süßkartoffelauflauf auf dem Plan, so findest du diesen Auflauf in allen Mensen in der gleichen Qualität.
=月曜日にさつまいもグラタンがプランにあれば、全ての学生食堂に同じクオリティーでその料理を見つけられる。
Um das zu gewährleisten, arbeiten wir mit einheitlichen Rezepturen.
=それを保証するために、同じレシピで作ることにする。
Wir arbeiten zur Zeit mit 510 Rezepturen:
・341 vegan
・weitere 145 Rezepturen sind vegetarisch
・12 Fisch
・12 Fleisch
Mit diesen Rezepturen können wir dir 6 Wochen lang, jeden Tag etwas anderes anbieten.
=このレシピ数で6週間、毎日違った料理を提供できる。
☆☆☆
人間が肉を食べることは資源のブラックホールといわれる意味とは。
なぜ人間が動物の肉を食べることと環境問題が関係あるのか?
ここでは周知の事実のみをデータで述べます。
世界で食用のために殺される動物の数は
・一年で約740億匹
・一日で約2億匹
・一秒で約4万匹
食用動物の工場生産で使われる資源は
・農業地帯(土地)の80%以上=地球の大陸26%
・温室ガスの15%=飛行機・車・船の出す合計と同じ。
1キロの牛肉を作るために必要な資源は
・25キロの穀物と15000リットルの水
→この中の97%は牛の生命のために消費され、残り3%がカロリーに、4%がプロテインになる。
つまり牛に与える一生分の穀物と水をそのまま人間が消費すれば、35億人が食べていけるのである。
これがとんだ資源の無駄遣いであるのは言うまでもないことです。
これはつまり、動物を殺さなくても人間は十分に食べれる食糧がある、むしろこっちのほうが量が多く効率的ということです。
プラス食べられるために生み出され、殺されるために生かされている、工場的な大量生産に伴う動物の苦痛も無視はできません。
これだけの犠牲をして人間が得るものとは何?
「おいしかった」という満足?
犠牲に匹敵するでしょうか?
健康上のメリットはある?あると思ったらそんなデータがあるか調べてみましょう。
今いちど、私はなぜ肉を食べるのだろう?理にかなっている?と論理的に、そして感情的に考えてみてはいかがでしょうか?
そして「動物が好き」という発言はどういう意味でしょうか?
「自分は動物愛護者だ、犬猫の殺処分反対」と言いながらチキンナゲットを食べる自分は何をしているだろう?と考えてみてはいかがでしょう。
これは決して肉食者に対する批判ではなく、事実を言っているだけです。
ここまで明らかな事実を見ようとせず、知ろうとせず、考えようとせず、無責任な発言を無意識にしているあなたに対する問いかけです。
少しだけ時間をとって考えてみてください。
「いただきます」ってどういう意味?
「いただきます」とは日本では簡単に言うと、”あなたの命をいただいて私は生きることができます、ありがとうございます”という概念と説明する人が多いですが、この意味で使うのは日本語にしか存在しません。
これって言わない国より思いやりがあって素晴らしいと思う?ほんとにそう思う?
☆☆☆
2021年現在の世界の人口は78億7500万人で、2050年には95~97億人にまで増えると予想されています。
ほうっておけば人口増加と共に動物の工場生産も増え、環境が悪化するのをどうすればいい?
一人一人が頭振り絞って一生懸命考えるべきだと思います。
動画解説はこちら↓
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