こじゃれたドイツ語【ドイツ語上級単語】
ここでは10年以上ドイツで暮らしている私が個人的に、初めて聴いた時になんとなくスタイリッシュというか「小じゃれてるなぁ」とちょっと感激した単語たちを紹介します。完全な独断です。
全部日常のふとした会話などから知った言葉です。
まずは名詞から。
Schwanengesang
der Schwan(白鳥)とder Gesang(歌)を組み合わせた語。白鳥の歌!
この語の意味は「遺作」です。つまり芸術家などが残した最後の作品。
Der Schwanengesang von Mozart ist das Requiem in D-Moll.
=モーツァルトの遺作はニ短調のレクイエムだ。
☆☆
Die Brüder Karamasow wurde der Schwanengesang von Dostojewski.
=カラマーゾフの兄弟はドストエフスキーの遺作になった。
歌だけでなく作曲でも小説でも作品であれば何でもSchwanengesangと言います。
sein letztes Werk(最後の作品)とかいうよりはるかに美しくない!?
これを知った時感動しました。
Gottesanbeterin
der Gott(神)とdie Anbeterin(女性の崇拝者)を組み合わせた語。神に祈る女性!
神に祈る女性だけど実は虫!
写真を見た方が早いでしょう。
そう、この意味は「カマキリ」です。オスでもメスでもGottesanbeterinです。
これは明らかに見た目でつけた名前よね。上のように手を合わせている感じなのか、下のようにひざまずいている感じなのか、どっちにせよ神に祈る女性と名付けられてしまったこの虫の日本語はカマキリ!
Die Gottesanbeterin ist in Deutschland ein eher seltenes Insekt.
=カマキリはドイツではどっちかというとあまり見かけない虫だ。
カマキリやクワガタと言った私たちが子供頃になじみのある昆虫たちはあまりドイツで見かける印象がありませんね。
でも温暖化のせいでこれからは増えそうな気もします。
die Geheimratsecken
これはder Geheimratとdie Eckeの二語からなる名詞。
der Geheimratは昔存在した官職の名前で、君主の統治をサポートしたり意見したりする重要な名誉職だったそうな。
die Eckeはご存じのとおり「はしっこという意味」
die Geheimratseckeとは男性の生え際の後退のことらしいです。
分かりやすい例がゲーテです。↓
Goethe hatte Geheimratsecken.
=ゲーテはこめかみが後退していた。
Er hat noch keine Geheimratsecken.
=あの人はまだ生え際が後退してないよ。
die Geheimratseckeだと単数形ですが、2つあるので普段使うときは複数形になりますね。
ちなみに昔は生え際が後退することはネガティブではなく、年齢を重ねて威厳がでてきたというポジティブな意味だったらしいですよ。だからder Geheimratという名誉職の名前を借りることになったのでしょう。おもしろい。
das Schweineohr
こちらはdas Schwein(豚)とdas Ohr(耳)を足した名詞。
本物の豚の耳のこともSchweiineohrといいますが、もう一つ意味が。
なんとこれ↓
源氏パイやん!
源氏パイより数倍大きいけどね。
豚の耳に見える?説明によると豚の耳介(じかい)に似ているからそういうらしいです。ほんまにそう見える!?
ハート型にしか見えないのは私だけなんでしょうか。
よくパン屋さんで売っています。
先日、注文するときに名前がわからずにそのハートのチョコレートついてるやつっていうたら、店員さんに「Schweineohr」と教えてもらって知りました。
確かに中の模様の描き方がそう見えるのか・・・・しかしヨーロッパ人のほうが想像がリアルなんでしょうか。
その他
fuchsteufelswild
mucksmäuschenstill
mutterseelenallein
形容詞3つ。
私は個人的には長いので全然使いませんが、よくドイツ語のネイティブの先生とかが好きな単語とかって紹介してるのがこの3つ。
確かに私も好きだけど。長いから使わない。
でも意味は知っておいたほうがいいでしょう。
fuchsteufelswildは「かんかんに怒る」という意味です。
Sie war gerade fuchsteufelswild.
=あの子さっきかんかんに怒ってたで。
人を主語にしてseinをつけたらOkです。形容詞だから使い方は簡単ですね。
Als er das gemerkt hat, wurde er fuchsteufelswild.
=それに気づいたとき、かんかんに怒った。
なんでder Fuchs(きつね)とder Teufel(悪魔)とdas Wild(ワイルド)でかんかんなのかは分からないが、何かの物語なのかな。興味のある人は調べてみてください。
mucksmäuschenstillは最後のstillが「静か」という形容詞ですね。実はder Mucksも「かすかな音」とか「そっと動くこと」といった名詞です。Mäuschenは小さいネズミのことです。
しーーーんと静まり返っている、みたいに訳しましょうか。
Wir müssen hier mucksmäuschenstill sein.
=ここでは足音一つたてちゃだめだよ。
「しーーーんとしている」を大げさに言いたい時のためにこの表現は取っておくといいかも。
Es war mucksmäuschenstill im Raum, als wir alle meditiert haben.
=みんなで瞑想した時、部屋しーーーんとしてたね。
最後はmutterseelenallein。
これもなんとなく察しがつきそうな単語ですが、私の個人的な訳は「一人ぼっち」がしっくりくるかな。
孤独さを大げさに言いたい時のためにこの表現を取っておくといいかも。
Als ich zum ersten Mal im Ausland war, war ich mutterseelenallein.
=初めて海外に行ったとき、一人ぼっちだった。
なんとなく孤独の哀愁を感じさせるような表現ですね。
ちなみに私が初めて海外に一人で行ったときは背中に羽根が生えたようなすがすがしい気持ちでした。
ということで
der Schwanengesang
die Gottesanbeterin
die Geheimratsecke
das Schweineohr
fuchsteufelswild
mucksmäuschenstill
mutterseelenallein
というコンポジタばかりを紹介しました。コンポジタなので当然長いのはしょうがない。長いですがなかなか面白い単語がたくさんあるなぁと思います。どの言語も独特の単語を持っていますよね。
何回行っても好き、ハイデルベルク。
上級単語一生ドイツ語シリーズもあります。
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