【応用】場所の前置詞:三格?四格?きわどい表現 -Wechselpräpositionen-【ドイツ語文法】
場所の前置詞に関する基礎文法で三格とも四格とも使える9つの前置詞(Wechselpräpositionen)について基本的なことを勉強しました。
大まかに分けると
三格がつくときは動かないとき。四格がつくときは動くとき。
そしてさらに、動かない動詞(三格と一緒)と動く動詞(四格と一緒)についても学びました。
しかし、たびたびドイツ語には非常にきわどい表現があったり、動かないけど四格、といった論理的ではない現象があります。それを今回は紹介していきます。
1.schreiben
三格:Er schreibt in dem Brief, dass er uns bald besuchen kommt.
(彼は手紙に、もうすぐ私たちに会いに来ると書いた。)
四格:Er schreibt seinen Namen in das Buch, damit jeder weiß, dass das ihm gehört.
(彼は誰でもわかるように本に自分の名前を書いた。)
*手紙のほうは内容にフォーカスをしているので三格、本のほうは「本に名前を書く」ことを目的にしているので四格と考えられます。
2.gehen
三格:Jeden Morgen gehen wir in dem Park spazieren.
(毎朝私たちは公園で散歩している。)
三格:Wir laufen gerade im Park.
(今公園(の中)を歩いている。)
四格:Gehen wir in den Park joggen!
(公園に走りに行こう!)
*gehenは何でも移動する意味だと思いこんでしまうと、三格が使えなくなってしまいます。「公園の中をぐるぐると歩く」ことは確かに動いているのですがあくまで公園内で移動する意味なので Wir gehen im Park spazieren.ということがふさわしいです。
3.sehen/schauen
三格:Können Sie sich in dem Spiegel von hinten sehen?
(鏡で後ろ姿が見えますか?)
四格:Schauen Sie bitte in den Spiegel.
(鏡を見てください。)
*鏡に映る姿を見るときは前置詞「in」を使います。
三格:Gerade sieht sie auf der Straße ein kleines Mädchen vorbeilaufen.
(彼女今、通りを小さい女の子が通っているのを見ている。)
四格:Die Frau steht stundenlang am Fenster und sieht auf die Straße hinunter.
(その女性はずっと窓ぎわに立って通りを見下ろしている。)
*sehenとschauenは「見る」という意味で、移動する・または動くという意図では使われません。
しかし例文では、道路の上にある何かの姿を追っている(例えば少女)文は三格、窓ぎわから道路を見下ろしているという表現には四格が使われています。“hin”という接頭詞は動きを表すものなので、上から「~を」見下ろす行為は四格が使われるようです。
文法的に言えば目的語がついているものは場所をつけると三格、目的語自体が場所の場合は四格というところでしょうか。
4.頭の上と舌の上
三格:Das chinesische Essen brennt auf der Zunge.
(中華料理を食べたら舌がピリピリする。)
四格:Die Sonne brennt mir auf den Kopf.
(太陽が頭の焼ける暑さだ。)
*どちらも身体の一部分が焼けるという表現です。三格目的語がつく文は前置詞+四格、そうでない方には前置詞+三格がついていますね。
5.halten
三格:Das Polizeiauto hält unter der Straßenlampe.
(警察の車は街灯の下に止まっている。)
四格:Ich halte den Brief unter die Lampe, damit ich ihn besser lesen kann.
(私は手紙をちゃんと読めるようにランプの下にかざす。)
*こちらは三格のほうは動いていない状態、四格のほうはランプに手紙を移動させたという意味なので論理的です。
またほかにも見つけたら更新します。
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