2つ(以上)の話法の助動詞を使った文の作り方【ドイツ語文法25-1】
「できなければならない」「できるようになりたい」など、話法の助動詞を一つの文で2つ使いたい場合は、どうすればいいのでしょう?
「できなければならない」と言いたかったら、können「~できる」とmüssen「しなければならない」を同時に使う必要があります。
「できるようになりたい」ならmöchten/wollen「~したい」とkönnen「~できる」が必要ですね。
意味的に一緒に使えない語も多いですが、約5通りの組み合わせがあります。もっとあるかもしれませんが、使われるのは稀です。
文の作り方は、日本語で一番最後に出てくる話法の助動詞のほうを2番目に、もう一つの話法の助動詞は不定形で最後につけます。
1.müssen+können
Ein Lehrer muss im Unterricht den Inhalt gut erklären können.
(教師は授業で内容をしっかり説明できなければならない。)
Ein guter Chef muss seine Mitarbeiter motivieren können.
(良い上司は従業員のモチベーションを高めることができる必要がある。)
Als Reiseführer muss man viele Sprachen sprechen können und gut mit Menschen umgehen können.
(ツアーコンダクターという仕事は多言語を話せなければならないし、人づきあいが上手くできないといけない。)
本動詞を省略した表現も可能。⇓
Das musst du können.
(それはできなきゃね。)
2.sollen+können
Ein Lehrer soll im Unterricht den Inhalt gut erklären können.
(教師は授業で内容をちゃんと説明できたほうがいい。)
Man soll verzeihen können.
(人は許すことができたほうがいい。)
3.müssen+wollen
Erfolg muss man haben wollen.
(成果を出したいと思うことが必要である。)
4.müssen+dürfen
とても稀ですがmüssenとdürfenが組み合わせた表現。
Man muss Wölfe abschießen dürfen.
(狼は撃ってもよいことにならなければならない。)
↑ この文は実際には受動態で使われていました。
2つの助動詞が受動態で使われることはめったにないですが参考までに。
受動態:Wölfe muss abgeschossen werden dürfen.
話法の助動詞・本動詞・補助動詞・話法の助動詞と動詞が実質4連続。
5.möchten/wollen + können
Ich will gut Deutsch sprechen können.
(ドイツ語がうまく話せるようになりたい。)
Fast alle möchten ihr Handy ihre Handys unterwegs überall nutzen können.
(ほぼ全員がスマホをどこでも外で使えるようになりたいと思っている。)
6.話法の助動詞が3つ以上つく文・その他。
Man muss wollen können.
Ich kann, weil ich will, was ich muss.
⇓この文、理解できる人いる?文法的には正しいらしい。超上級。
Die können sollen, müssen wollen dürfen.
7.過去形の作り方
過去形(Präteritum)が使えるときはそちらを優先しましょう。
Das musstest du können.
(それはできなきゃならなかったね。)
Der Chef musste seine Mitarbeiter motivieren können.
(良い上司は従業員のモチベーションを高めることができなければならなかった。)
sollenのように、過去形と間接話法IIがかぶるようなややこしい場合のみ、現在完了形を使ったほうがいいでしょう。
⇒Der Chef hat seine Mitarbeiter motivieren können sollen.
8.最後に
2つ(またはそれ以上)の話法の助動詞が一文に入った文は、現在形では普通に使われますが、過去形や受動態、副文で出てくることはとっても稀です。
なぜかというと文法的には正しいのですが、ドイツ人は他の文法を使った表現を好むからです。
先ほど出てきたsollen+könnenの現在完了の文(Der Chef hat seine Mitarbeiter motivieren können sollen.)は文法はあっていますが、ドイツ人はこんな言い方はまずしないし、聴いても違和感があるといいます。
ドイツ人なら間接法IIを使って“Der Chef hätte seine Mitarbeiter motivieren sollen.”というでしょう。こちらのほうが自然であり、意味も変わりません。
つまり実際に使われる現在形を覚えておけば十分です。
参考:https://deutschegrammatik20.de/spezielle-verben/modalverben/zwei-modalverben/
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