新年に起きた参事【ドイツ】
ドイツの新年は花火で始まります。
ふだんは禁止されている花火が、新年の最初の1時間(0~1時)だけは唯一、すべての人に開放されます。
まさに一年に一度の全員参加型花火大会。
だから花火もけっこう本気。大晦日の3日前からしか売られていません。
28日ごろのあるスーパー。花火しか見えない。
日本でよくある線香花火や手にもってパチパチと楽しむ可愛いものなどとはかけ離れており、もっと本格的です。
飛距離のあるロケット花火や、小さいのでも爆音がするものばかり。
打ち上げ花火も何百連発とかで、お値段も100ユーロを超えるものも各スーパーに売っています。
当日は家の前や公園など、花火禁止の場所以外は基本的にどこで上げても構いません。
もちろんあまりに音の大きすぎる花火や、禁止の花火もあります。(やってる人は必ずおるけど。ポーランドで買えるから。)
私の住んでいる場所でいうとたとえばカールスルーエ城の敷地内では、数日前から花火禁止のポスターが出ていました。
大事なお城やスケートリンクがあるし人が密集する場所であることから、安全を考えての対処でしょう。
当日はかなりの人々でにぎわっており、数時間前からたくさんの警備員が見回りをしていました。
禁止を知らずに花火を持ってきて準備をする人たちに声をかけたりしていました。
当日の様子。
たくさんの人がビールを片手にお城の敷地内に集まっていました。花火を上げるのではなく、お城の周囲で上がる花火の見物をし来た人たちです。
もちろんこれだけたくさんの人がいれば、わざと花火をしようとする人もいます。
新年になる前にもちらほら近くで爆発音がしたり、ロケット花火が飛んだりしましたが完璧にすべてを取り締まるのは無理。
敷地のはしっこでこそっとランタンを1つ飛ばした若い4人の男女もいました。
(ランタンは年末でも禁止)
彼らが飛ばしたランタンは真っ暗な空の上に唯一の光となってゆらゆらと飛んでいき、たくさんの人が目を奪われました。
ランタンは新年になる前にフライングで上がりましたが、皆でカウントダウンをして新年になった瞬間、お城の敷地のド真ん中で派手な連続打ち上げ花火が上がりました。
それを見たドイツ人たち
「誰かがやってのけちゃったねー」
「毎年いるだろうね」
と一番大きく見える花火を楽しんでいました。
「禁止なのに警備員は止めに行かないのか?」
「彼らにはあとで罰金とか注意とかある?」
と聞いてみたら、
「やっちゃったもんはもう止めないよ」
「これだけの人数がいるのに、警備はとてもよく機能してる」
「禁止な理由は人への被害を恐れてだから、上がるだけの花火なら安全で問題ないはずだ」
と言っていた。もちろん怒る人は一人もいない。
禁止と書いて注意はするけどそれでもやっちゃう輩はしゃーない、っていうスタンスなんだなーと思いました。
やったもん勝ち。
不特定多数に向けたロケット花火なんかをあの敷地でやってたら当然アカンでってなるけど、それを認識しながらちょっとヤンチャしたいという人は別に勝手にしたら?って考え。もちろん警備員も動きません。
へー。と思いました。
新年早々みんなお祝い気分の中、規則に反したから!という理由でお咎めるのも2020年の始まりが嫌な気分になってしまう、というのも少しあるのでしょう。
特別な機会には規則であれ寛容になる国民性な気がした新年でした。
とはいえ。
2020年は新年早々こんなことになってもーたで。
寛容とか言うてる場合とちゃうかった。
もうあかんやろ、ランタン。
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