便利すぎる中国の出前サービス


今や世界に先駆けたITの技術化と日常化が目立つ中国。上海で日常的に目にする先端技術の使用は:

1)電動バイク。それ以外のバイクを見かけるのはもはや0,001%ぐらい。また電動スクーターや電気自動車の普及も目立つ。

2)電子マネー。現金で支払うと外国人だとバレるぐらいの電子マネー率。

3)オンライン出前サービス。毎日の昼食、夕食に使う中国人は驚くほど多い。

 

今回取り上げるのはおもに3の出前サービスです。

出前サービスにはほぼすべての高級レストランから極小規模の料理店までが登録しており、消費者は食べたい料理を選んで携帯でポチっと選び、そのまま携帯の電子マネーで支払います。すると40分以内に電動バイクにのった配達者が持ってきてくれるという仕組み。

1と2の技術をすべて盛り込んだ便利なサービスです。特に、どこにいてもその時に食べたい物をできたてほやほやで食べれるいうのが特段に便利で快適で先進的。

ドイツで出前といえばピザ屋ぐらいしか普及してないし、アメリカや日本でも以前よりは普及しているものの、中国に比べればまだまだ規模が小さい。

さて。

出前サービスの主役はなんといっても宅配ドライバーですよね。

ドイツでは(日本もそうかな?)宅配をするのはだいたいお店の従業員で、自分の店で作られたものだけを届けるというシステムです。

しかし中国はいくつかの大きな出前サービス会社が運ぶ作業を一切引き受けています。ドライバーは登録制で扱いは業務委託(次の記事で詳しく見ていきます)。

注文が入った時点で担当ドライバーの携帯にその情報が入り、その人が店に行って料理を受け取り、バイクで注文者の場所まで届けるという流れです。

上海では道路を走る電動バイクの軽く半分以上は出前サービス会社のロゴをつけて走る宅配ドライバーです。とにかく利用する人が多く、生活の一部になっているといってもいいぐらい。うちの職場の中国人も食堂があるにもかかわらずほとんどお昼は出前です。

 

ということで私もアリペイを使ってやってみました、出前サービス!(銀行口座がないと中国で電子マネーは使えませんが、アリペイのほうは銀行口座がなくても使える方法があります。詳しくは調べてね。)

どんな仕組みになってるのでしょう!果たして便利なのでしょうか??

まずアリペイのページを開き、テイクアウトを探す。(英語か中国語)

テイクアウトを選択すると、アリペイと提携しているデリバリー会社への登録を求められます。提携会社は「餓了麽」。しょっちゅう道路で見かける大手会社。

 

登録が終わったら次は料理選び。こちらは中国語のみ。外国人には優しくないシステムです。カテゴリーから選んだり店や料理名を直接探すことも可能です。・・て食べ物だけじゃなくて医療薬っていう欄もありますね。病気なったときとかめっちゃ便利!スーパーもあります。怠けものは日用品もデリバリーできてしまいます。

 

あまりに選択肢が多くて戸惑ったので、注文数の多いレストランを選択してみました。だーっとメニューが出てきます。



 下にスクロールして延々と現れるすごい品数から食べたいものをチョイス。青い+部分を押すと個数が追加されます。

お弁当を2つ買ってみる。ワールドカップ弁当だって。ネーミングがうまいですね。下に合計金額、右側をクリックすると確認画面に進みます。

 

注文内容を確認します。なぜかお弁当が半額近く安くなってますね。なぜでしょうね。クーポンもらえたのかな。その他「餐盒」4元は袋やパックの実費、そして配送費は驚きの3元。

配送費の安さ。3元。まじ?いったいバイク乗りのバイト代いくらなのさ?

 

アリペイで支払いを済ませると一瞬でこんな画面が出てきます。ドライバーのGPSですね。どこを走っているのか一目でわかる地図と到着予定時間。その下には「ドライバーは今店に商品を取りに行ってる途中だよ」というメッセージが。

 

ずっと見ていると、「お店で商品を受け取ってるからね」というメッセージに変わる。

 

その後再び「今そっちに向かってますよ」というメッセージに変わる。

 

あとはドライバーの安全運転を見守り、ドライバーマークが家の近くに来たらのそのそと出て行って商品を受け取るだけ。もし出会えなければ「聯係騎手」から電話をかけることもできる。

無事、ほかほかのお弁当を受け取れました!こぼれないようにしっかりとした素材のパックが使われています。箸などもついてる。

 

まとめ:最高に便利!注文してから受け取るまでにかかった時間は約40分。平均的です。忙しい人でもお腹がすいたと思ったら、なんの時間の消費もなく40分後には自分の好きなものを食べれる。なんと快適なのでしょう。しかもそれにかかる手数料(袋代や配送費)が格安。そりゃみんな利用するわ。十分納得でした。

ちなみに中国人同僚に、値段や割引についての疑問をぶつけてみました。

・デリバリーしたものと同じものを店で直接食べた場合の値段は同じなのか?

・ 半額近く割り引かれているのはなぜなのか?結果デリバリーの方が安くなるのでは?

この2つの答えは、値段の決め方は店によってそれぞれである。私の今回注文した店は、デリバリーのほうが高くなっているので、割引かれた値段がお店で食べた値段とそう変わらないのではないか。ということでした。

こまごまと割り引かれたりちょっと高い値段設定になっていたりするらしいですが、総合するとどちらもあまり変わらないそう。そらみんなデリバリー頼むわよ・・・。

どのお店が店内で食べるのに比べどれだけ高いか安いかみたいな情報は(お金に非常に敏感な)中国人同士でしょっちゅう交換されているし、お店にクーポンもらったとかもよく聞きます。お得においしいものを食べたいと思えば地元の人にデリバリー情報を教えてもらうのがなんたってベストです。

 

そしてもう一つの疑問。

便利さや快適さの裏には必ず犠牲となっている人や環境がある。これはまぎれもない現実。私の疑問はデリバリー天国の主役、宅配ドライバーたちについて。彼らの労働状況は一体どうなっているのか?

中国のあちこちで起こっている宅配ドライバーの大規模なストライキをもとに書いた記事がこちらです:追い込まれる宅配ドライバー


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