ダイビングと私とマイノリティ。沖縄でダイビング
スキューバダイビングをしたことのある人で好きではなかったという話を、少なくとも私は周りの人から聞いたことがありません。逆にハマって沖縄に移住した友達は何人かいるのだけども。
なので10回以上潜っていてライセンスも持っているにもかかわらず、ダイビングを楽しいと感じない私はかなりマイノリティなのではないかと思っています。泳ぐのは好きなんですけどね。
先日沖縄旅行で15年ぶりにダイビングをした感想の前に、ダイビングと私について少し。
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なぜダイビングのライセンスを取ったのか
初めてのダイビングは20歳の冬、オーストラリアの世界遺産グレートバリアリーフの海でした。それはそれは多種多様な魚が見れて、ウミガメに触れることもできる海だった。
当時私は体育科の高校を卒業→スポーツ系の専門学校でバリバリスポーツをしていたものの、専門学校で得るものがなさすぎて1年で退学。
その後の生き方についてスポーツの経歴が有利である警察や自衛隊への就職、またはスポーツ系のインストラクターで食べていくという2択を考えていました。20歳の冬にオーストラリアを訪れたのは後者の選択肢を探ってみようと試みたからです。興味のあったものは空と海のダイビング&乗馬でした。
勉学に一切身を入れてこなかったので、私にはスポーツしかないと思っていたし。
そしてどれかの方向でプロになるなら膨大にお金がかかる上に狭い日本より、その道に強い海外で取得するほうが何かと効率が良い。
なので1か月間オーストラリアのケアンズに滞在し、試しにダイビングのライセンス取得(オープンウォーター、アドバンスまで)と、乗馬3日間(乗馬農場に泊まり込み)、そしてスカイダイビング1回体験をしてみました。
それぞれ体験をしてみて一番好きだったものをゆくゆくは極めて職業に・・と考えていたのです。
当時の私にはどれも魅力的に思え、どれがいいかな、どれもしたかったらどうしようとワクワクしていました。
最初はスキューバダイビング。3つの中で一番ライセンスが取りやすく、仕事にもつながりやすくコストも高くない人気スポーツ。
体験ダイビング1回のあと、よっぽど気に入らない限り3日間船の上に泊まり、2つのライセンスを取得する予定でした。
体験ダイビングはほとんど記憶にありませんが、大きなウミガメに出会って大喜びで一緒に泳いだ様子をプロの方にたくさん撮ってもらっていたにもかかわらず、一枚も写真買わないというどKYぶりを晒したことだけは覚えています。だって当時の私には娯楽用は千円でも高かったんやもん。今思えば本当に買えばよかった。
その後ライセンスを取得する気はあったみたいで、3日間で約10回潜って課題をこなすというライセンス取得コースへ。
ダイビング機材の扱い方も課題も、それほど難しかった印象はありません。重かったしやらなければいけないこともたくさんあったけど、無理!とは思わなかったし、耳抜きも体力も体調も特に問題はありませんでした。先生も皆も最年少だった私にとっても優しかったし。
唯一困難だったのは海の中で方角を把握することで、地上での方向音痴は海の中でも見事に方向音痴なのだと悟ったことぐらい。
しかしとにかく早く終わりたかったし、回数をこなせばこなすほど潜るのが億劫になった。当時はあまり深く考えなかったけど、何が一体楽しくなかったのだろう?
今改めて考えなおしてみると、海の中で見る景色が単純につまらなかったんだと思うのです。
「グレートバリアリーフ 海の中」でグーグル写真を検索してみると、こんな美しい景色がでてきます。文句なしに世界遺産レベルの海の中だよね。美しいです。同時に写真の加工技術も素晴らしい。
しかし私の目が実際に見たのはこんな景色。これも正真正銘のグレートバリアリーフ。この写真でもまだきれいなほうです。
もちろん魚はあちこちにたくさん泳いでいるんですよ。
そして浅い場所であればあるほど色だって見える。でもね地上に比べたら断然モノトーンです。当然水中なので、普段感じることもない空気に比べ圧倒的に水の存在感も大きい。空気中の見えないゴミは水の中ではたんまりと見えて視界を濁します。
さらに第二段階のライセンス取得ではさらに深度が増すのでほとんど光が入らなくなる。真っ暗。そんな薄気味悪い中泳いで一体何が楽しいの?というのが私の正直な感想でした。
気圧で顔は圧迫されるし口呼吸だしそれなりに消耗する。本当に何が楽しいのかがわからないのです。好きな人はあれなのかな、体が浮いてる感覚が楽しいのだろうか?
夜も潜ったけれど、それこそ真っ暗闇だし寒いしさらに見えないし。夜に光を発する超珍しい魚の住処もそっと覗くことができましたが、「すごいなあ」以上の感想がなく・・。二度と潜りたくない。特に夜は。
グレートバリアリーフの感想がこんな感じでした。
そこから約15年。ダイビングをしたいと思ったことは一度もなく・・。
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15年ぶりのダイビング
先日、沖縄でダイビングをする機会がありました。「青の洞窟」という魅力的なスポットがあるらしく私もひさびさで楽しみ。わくわく。こんなところらしい。
グレートバリアリーフは楽しくなかったけど、もしかしたら沖縄のマリンブルーの海の浅いところを潜るなら魅了されるかもしれない、と思いました。岩のすきまから当たる光を見るのも新鮮かもしれないし。
しかし・・・。
当日集合場所に行ってみると、風が強くて青の洞窟へのダイビングは中止と言われてしまいました。代わりにサンゴと魚のいっぱいいるスポットに案内できますということ。残念だけどこればっかりは仕方がない。運が悪かった。11月だし。
私はその時点でがぜんやる気がなくなってしまったのですが、パートナーは初めてのダイビングで相当楽しみにしていたし、せっかく沖縄の美しい海に潜れる機会なのだからと行くことにしました。
簡単なレクチャーを受け、15年ぶりに海の中へ!写真で実際の様子をどうぞ。沖縄のマリンブルーはグレートバリアリーフで記憶にある真っ青な海とは全く違う雰囲気。
魚に餌付けをするとめっちゃ寄ってきて可愛い口で手をツンツンします。可愛い。
インストラクターさんはニモを見せようと誘導してくれました!たくさんいた。小さくてとっても可愛かったよ。
インストラクターさんから黒い靴下みたいのを渡されて戸惑う私。実はこれ、生き物だったらしい。知らずにニギニギしてしまった・・。ごめん。
とっても海の中を楽しんでいます。・・ように見えます。実際に最初の5分ぐらいはまだ楽しめた。餌付けは自然と笑顔になったし。
があと5分終わるのが遅かったら私はサインを出してあげてもらおうと思っていたぐらい、最後のほうはとてもつらかった。
なんだろう、体調不良だったのか何だったのか。耳抜きを何度しても圧迫感が抜けず、頭痛も出てくるし、最後のほうは呼吸するたびに胃がむかむかした。早く鼻呼吸がしたくて一刻も早く海の中から抜け出したかったです。前日飛行機の移動したうえに寝不足だったから、30代の体にはきつかったのかもしれませんが。
実際は30分ほどだったらしいのですが、海の中にいた時間がとっても長く感じました。上がるサインが出たときが一番うれしかったもん。こうやって振り返って写真を見ると、ああ楽しかったかな?と思うのだけれど、一方でもう二度とやりたくないとも思う。もう海の中いいよ。地上のほうが美しいだよ。これが本音。
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感想:二度とやりたくないと再度思う
やっぱり私はダイビングを楽しめない。どの海に行っても同じだと感じる。今回原因がちょっとはっきりわかりました。
1.海の中はきれいじゃないと思うこと
2.魚やサンゴに対する知識がないこと
3.身体が不快であること
この3つが合わさって楽しくないと思うのですね。
しかし初めて潜ったパートナーはとっても楽しかったようで、自国でライセンス取る!と張り切っています。私は二度と潜りたくない・・・なんてことは喜びを半減させてしまいそうで決して言えませんが、本心は海の中はこりごり。
なので元気でアクティブなお父様と一緒にライセンスを取りに行けばいいヨ!と勧めておいてその後のダイビングも2人で行ってくれたらとひそかに願っています。(完)
ダイビングにこんな感想を持つ人もいますよ、という例でした。
人それぞれ楽しいと思うことも、綺麗だと思うものも違うというあたりまえの現象でございました。興味のある方は潜ってみてぜひ多種多様な感想を教えてくださいませ。きっと私の感じ方とは違う世界が広がっているはずです。
最後に8千円ぽっきりで体験ダイビングをできた、今回私が利用した所はここだよ。
餌付けも海の中での写真も全部合わせて8千円はここしかないです。私たちについてくれたインストラクターさんはかなーり適当でしたが、逆に海の中で自由にできて私には良かった。お勧めです。
沖縄にいったらダイビングをしよう!