ある女教授の無防備な話【ドイツ】


ある夏、ドイツの大学に行ってた頃のエピソードです。

その日は友だちのアンディと今朝ばったり会うと
“昨日あったゼミでほとんどの学生が予習をしてこなかったため、やる気をなくしたイタリア人講師が、20分早くゼミを終わらせてしまった”

といや~な感じで言っていました。

当時私が参加していたゼミも予習は必須でした。

私たちのゼミの女性教授は50代ですが、オックスフォード大やハーバード大で修士、博士取得という輝かしい経歴の持ち主で、現在はその分野のスペシャリストとして活躍されています。

黒がお好きなようで暑くなった最近はよく、涼しげでエレガントな黒のワンピースを着ていらっしゃいます。
とても躍動的で健康的で、学問に裏付けられた知的な表情と一緒に、圧倒的なオーラを放っているとても魅力的な方です。

ゼミはとても面白く深く、
私のような特に真面目でもない学生がこのような教授のゼミを受けれることを何かの冗談じゃないかと思いますが、この上なく光栄です。

そのゼミは前半に教授が講義をし、後半はディスカッションという形式。

喋り終わってディスカッションの時間になると教授は
「さぁ、今からあなたたちの時間よ。
読んできた書物はまずどんな形式で書かれていた?」
などと質問を投げかけながら空いている机の上にポンっと座り、片足を立てるのです。

膝丈ぐらいのワンピースを着ている上に、
当然私たち学生に向いていて、
なおかつ上から見下ろしているのだから、
驚くことにパンツが丸見えなのであります。

そこまでパンツに対して開放的ではない私や中国の学生は
形式か…フィクションやけど作者の体験談が元やろうしな…
とか考えながら
どーしても集中力がパンツにいく!!
教授が足をたてかえるたびにぎくり、とします。

形式と同じくパンツもいろんな見え方をするのです。

その丸見え状態が約40分間続きます。


50代のおばはんが、
それも世界トップレベルの学者がする行為としては
ちょっとギャップがありすぎる気がしてならへんのですが

結構緊迫している授業の中で
学生たちの発言に
手厳しいツッコミや深い読みを展開しながら
一方でのパンツ丸見えというマヌケな感じに
私たち学生はちょっぴり気持ちがリラックスできたりするのです。

ちなみに黒でした。


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