ドイツでの結婚と自分プロデュースの結婚式。


2019年の終わりごろ、ドイツ人のパートナーとドイツで結婚しました。

私が実際に体験した婚姻と結婚式の流れや費用、事前準備などを記録しておきます。

ドイツの結婚式は基本的に自由です。10組いれば10通りの結婚式があります。

ウェディングドレスを着ない花嫁もたくさんいます。

もちろん同姓同士で結婚しても構いません。

ウェディングプランナーに段取りをお願いすることもありません。

自分の結婚式なので自分で全部段取りを決めてやるのが一般的。

唯一、日本より凝っていることといえば、結婚証明書となる婚姻届け。

日本のように好きな時に市役所に提出に行くのではなく、市庁舎などで小さな婚姻セレモニーが行われます。
そして参列者の前で愛を誓い、サインをして提出し、正式に夫婦となる流れ。
必要書類は事前に提出しておきます。

日本人の場合:

・戸籍謄本

・婚姻要件具備証明書(Ehefähigkeitszeugnis)

・住民票

の3つを日本で取得、さらに日本でアポスティーユ承認をし、さらにドイツ語に翻訳したものを提出。
翻訳者の選択は届出を出す市役所に直接確認するのがいいです。法的に承認されている翻訳者に直接連絡をとります。

私の頼んだ方の翻訳代は180ユーロでした。だいたいそれぐらいかかります。

ちなみにドイツ人は出生証明書(Geburtsurkunde)のみ。

これらの書類を婚姻セレモニーを行う市役所に提出し、日時の予約をとります。

婚姻セレモニーを行う場所はたくさんあり、どこでしてもかまいません。
こだわりたい人はお城や劇場などの選択肢もあります。

地元でする人は無料でできますが、それ以外の場所を選ぶと少しの手数料がかかります。
ちなみに私たちが選んだ場所は、パートナーの地元ではなかったので、手数料12ユーロと国際結婚手数料を40ユーロほど支払いました。

特別な場所や人気のある場所は数百ユーロの手数料がかかることもあります。
また土日に予約すると、市役所の人の休日出勤の手数料がどこでもかかります。

私たちはある美しい街のお城の中を選びました。
たまたま都合のいい日にちに予約ができたからです。
セレモニーは30分間隔で入っていたので、当日は人の出入りが激しかったです。

13日金曜日だったのにあの盛況ぶりに、日にち気にする人とかあんまいないのだろうと思いました。

婚姻セレモニーは正式な場なので厳粛です。カメラマン以外の撮影は禁止、携帯も鳴らさないよう直前に注意があります。
参列者の人数制限もあり、だいたい20人までしか入れません。

あまり広くない部屋には、真ん中に椅子と机が置いてあり、立会人を挟んで新郎新婦が座ります。
セレモニー自体は20分ほど。
立会人がいて、夫婦愛について10分ほど語ります。

そのあと、誓いの言葉⇒書類にサイン

ここまでが決められた流れ。

その後は自由で、事前にお願いすれば好きな音楽をかけてくれたり、出会いや想い出などを立会人が語ってくれることも可能です。指輪交換やキスも自由。

予約時に立会人のメールアドレスが渡され、希望があれば打ち合わせができるように手配されています。

私たちはこだわりがなかったので何の打ち合わせもしませんでした。

指輪交換とキスはしました。その後、参列者と一人一人ハグをして外に出て記念撮影の流れ。

その他の私たちの結婚式の費用は

・ドレス&スーツ:約500ユーロ

・2段のウェディングケーキ+ホールケーキ:200ユーロ

・レストランの食事:650ユーロ

・ブーケ:35ユーロ

・美容室リハーサル:100ユーロ

合計約1500ユーロ。

超シンプルでリーズナブル。

参列者は4人の両親と私の弟、パートナーの叔父と叔母、大学時代の友達2人のみという小さな式でした。食事も同じ。

ちなみに食事・ケーキ・衣装はすべてパートナーの両親が支払いました。ドイツで両親が費用を支払うことは一般的なようです。

カメラマンは、知り合いにプロがいたのでその方がしてくれました。

ケーキ屋、ブーケは直接お店に行き、希望を話し、値段を交渉し当日の何時に取りに行く、という予約を入れて終了。
そして当日、受け取ったと同時に料金を支払いました。

美容室は通常、リハーサルと当日の2回、美容室に行ってセットしてもらいます。
私は髪セットと化粧つきでリハーサル100ユーロ、本番が80ユーロでした。
化粧なしだと30ユーロほど安いです。

だいたいどの美容院でも相場は同じぐらいです。

私はリハーサル時にしてもらった髪のセットと化粧が気に入らなかったので、結局自分でやりました。
なので当日の美容室はキャンセル。リハーサルの100ユーロのみ支払いました。

招待した人数は10人強。お互いの家族と仲の良い親戚、2人の友達程度。
日本から私の家族も来ていたので、コミュニケーションが困難なこともあり、小さいお祝いを希望しました。

当日の段取りはこんな感じ。朝9時から予約していた美容室はキャンセルしたので12時からスタート。

12時~市庁舎で婚礼セレモニー

13時~レストランで食事

その後、短く街歩き

16時~家でカフェ&ケーキカット

個人的に一番こだわったのは、レストランの食事内容。
人数が少ないので食事を豪華にと思い、パートナーの家族がつきあいの長いイタリアレストランでイタリア人シェフに直でお願いしました。
コース料理、季節的にトリュフ、魚料理・・・など希望も聞いてもらえ、とても素敵な食事になりました。

パートナーの家族になじみのあるレストランだったので相当なサービスがあり、豪華にしようと思ったのに驚くほどリーズナブルな値段で素敵な内容の食事でした。

カメラマンといいシェフといい、人付き合いのいいパートナーの家族に感謝です。

10人強だったので特に部屋を貸し切ったりはしなかったので、結婚式らしい雰囲気の食事ではなかったけど、とても満足です。

ウェディングケーキは、地元のお気に入りのケーキ屋さんでオーダーしました。

⇓この写真の感じで2段に・・と希望を伝えると

⇓こうなりました。

色をできるだけ真似てくれたようでとっても可愛いです。ちなみに花はドイツ名物Marzipanでできています。

ケーキの中身もオーダーできました。

下は黒い森のサクランボケーキにしてもらい、上は日本のいちごショートケーキの写真を見せてこれにしてほしいと希望しました。

いちごのショートケーキはドイツにはないのですが、ケーキ屋さんが真似てくれて、味はいちごショートケーキそのもののでおいしかった!大満足。

サイズは下は30センチ。特大で食べきれませんでした。

ドイツの伝統的な結婚式では、食事⇒カフェという流れで、カフェの際にケーキカットをすることが多いそう。
私たちはパートナーの実家で「カフェ」をしました。

その後、カプチーノやコーヒーを飲みながら3種類のケーキを食べ、しばし談笑をして終わりました。

もちろん引き出物はなし。

お祝いとしては来てくれた人もそうでない人も、カードと50~150ユーロぐらいの現金をいただきました。
仕事をしている人はだいたい100ユーロぐらいが相場っぽいです。
学生は50ユーロ程度。

でも特に決まってはいないので、プレゼントなどでもよさそうです。日本のように律儀な感じはありません。

ただパートナーは、お祝い金のリストは作っていました。
招待されたときの相場を考えるときに役立つそうです。

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以上が私たちの結婚式でした。

きっと別のカップルに訊くと全く違う答えが返ってくるでしょう。

ちなみに教会での結婚式は、婚姻セレモニーとは別に行われます。
とはいえ生まれたときに洗礼を受け、教会税を支払っている人たちしか教会での挙式はできません。

新郎がカトリックで新婦がプロテスタント・・・といった場合は、両方を尊重した挙式用の教会も存在します。

つまり宗教を持っている人は婚礼セレモニー、教会で挙式、披露宴(食事)という3段階でする場合も多いということですね。