歴史を感じる廃墟:阿根納造船廠遺址【台湾】
約百年の歴史がある廃墟、阿根納造船廠遺址。和平島公園から徒歩でいける距離にあります。和平島公園と廃墟、一日あれば2つとも十分まわれる観光スポットになっています。
「阿根納」とはかつて建物の所有者だったアメリカの会社「Agenna」の発音を中国語に無理やり訳したものです。
アメリカの会社の前には日本が砂礦裝船工廠(砂鉱運送)として機能させていたそう。
1945年に日本が台湾から撤退した後にアメリカのAgennaという造船所によって経営されていました。しかしその後経営難に陥り会社は撤退。
そんなこんなで今日にいたるまでに巨大廃墟スポットへと変貌したのです。
全貌はこんなんです。枯れ落ちてて荒れてていかにも廃墟の代表格って感じ。
この建物がいつから無人になったのかはっきりとは分かりませんが(50~60年ぐらいかな?)半世紀でこんな剥き出しの姿になるんですねー。
初めて廃墟という廃墟を訪れた私は全体を撮ったあとに近づき、その目の前に立ったあと一体廃墟のどこをどう撮ればうまく伝わるのか全く分からなかった。なんか殺伐としていてどこを撮ってもそんなに変わらない気もする。
だから廃墟を撮るのって建築物に比べてすごく技術や感性が出るところなのかもしれないと何となく思ったです。
そんな廃墟の威圧感に負けずに頑張って撮ってみますよ(携帯で)。
いちおう入るの禁止。でも自己責任でね、て書いてあります。
入ってみました。
無機質に出てる線とぶらーんと一部垂れてるのが建物の内部までさらけ出てる感じ。
コンクリートの塊。老朽化か地震か何かで潰れてそのままのよう。
かつて生活用品であったであろう何かもそのまま散乱しています。
部屋の痕も家具もしっかり残っている。事務所だったのかな。リアルです。
人間の生活の痕跡も。トイレシャワーにベッドまで。ここに住んでた人がいたんですね。
台湾から撤退するときに不要なものはそのまま残していったんでしょうか?そんなものなのかな。
演出のような光景が多々あり。廃墟になった後にたまり場になってたのかな。
まるでここで残虐な出来事があったかのような演出まで。
「Go home」「coming home」「回家」「집에 가자」そして「家に帰ろう」の文字が散乱。
会社が撤退したあと、全く誰も住んでいなかったのかな?もしかして住む場所がなかった人々が一時暮らしていたりしたのかな?と連想させるような書き込みですね。それこそ戦時中叫びを表現してるようにも聞こえる。深い意味はないと思うけど!色々連想してしまいますね~。
これはちょっとフィクションの見すぎでしょうか。
たまたま遭遇!・・もしや人気スポット?衣装が白でないほうが生えそうやのになーとかお節介なこと考えたり。
コンクリートから堂々と生える植物。人間をはるかに超えてます。
こんなペラペラな階段初めて見た!
廃墟の向こうには海へとつながる川。
橋の向こう側にはこんなカラフルな景色もあったよ。
大きな漁港の一景色の中に混ざって存在していた廃墟からちょっと何か感じたり考えたりしてみた旅でした。
本物は写真よりかなり迫力あります。1階にも2階にもあがれるしペラペラのコンクリートの上に立ったりとかそれこそ壊れかけの階段とかとてもリアルな体験ができました。
廃墟ならではの醍醐味です!ぜひ安全にも十分に気をつけながら楽しんでくださいね。