私がドイツの大学で履修した内容:音楽学Musikwissenschaft


覚えてるうちに書いときます。

私は2013~2016年にドイツの総合大学に通っていました。文系の哲学カテゴリーに属する音楽学が主専攻でした。日本語では音大にある楽理科と同等の学科だと認識してます。

ちなみに私は主専攻を音楽学、副専攻を中国学として単位を取りました。

以下、私が主専攻で受けた講義、ゼミ、授業とプレゼン、論文のテーマなどを断片的に(全部ではありませんが参考までに)。

 

1)必修科目(筆記試験、口答試験)

・音楽学の基礎

・音楽理論1:和声法

・音楽理論2:対位法

・楽曲分析1:基礎形式や方法

・楽曲分析2:その応用

・定量記譜法

・音楽の歴史1:音楽の始まり~約1520年

・音楽の歴史2:約1520年~1730年

・音楽の歴史3:約1730年から1850年

・音楽の歴史4:約1850年~現代

 

2)必修選択科目

ゼミ(60分のプレゼン+15ページ以上の論文に合格することが条件)

・始まり~1650年 
ゼミ名:オスワルド・フォン・ウォルケンシュタイン( Oswald von Wolkenstein)

私の研究テーマ:「Modalität(該当の日本語なし)」

 

・1650~1880年 
ゼミ名:ハイドンの弦楽四重奏

私の研究テーマ:「緩楽章の形式について」

 

・1880年~現代 
ゼミ名:バイオリン協奏曲

私の研究テーマ「アルバン・ベルク バイオリン協奏曲~ある天使の思い出に~」

 

ハウプトゼミ(60分のプレゼン+25ページ以上の論文に合格が条件)

・ゼミ名:16世紀の音楽教育 史料と背景

 私のテーマ:「ルターの思想はその後の西洋音楽教育をどう変えたか」

 

・ゼミ名:微分音

私のテーマ:ユリアン・カリロ(Julian Carrilo)の音楽理論と曲分析

 

3)選択科目(ゼミ、プレゼン、論文を自由に選べる)

私はそれぞれ別のゼミで全てプレゼンを選ぶ。論文やレポートといった書く系は苦手でした。ドイツ語複雑なのよ!プレゼンは好きでした。

・パウル・ヒンデミット チェロソナタ Op.8 (60分プレゼン)

・ウィリアム・バード 表題音楽の研究 (60分プレゼン)

・フェルディナンド・メディチの器楽曲とB.クリストフォリのピアノ制作(60分プレゼン)

・ベートーベン交響曲第三番 作曲の背景とナポレオンの影響(15分プレゼン)

他(思い出したら追加します)

 

4)その他の補強科目(主専攻以外、試験およびプレゼン必須科目のみ履修可能)

・大学合唱団、大学オケで活動

・インド学科でペルシア語

・スペイン語

・言語学の基礎

・ドイツ語上級文法

など。

 

その他ラテン語と第二か国語(英語以外)の合格証明書を提出。

副専攻の単位証明書。

最後に卒業論文。

という流れでした。

 

学部とはいえ容赦なしに専門的だったので今回の記事はほとんどの方にとって「?」って感じだと思いますが、音楽学についての情報を求めているほんの一部の方へ届けばいいなと思います。また希望や需要があればもっと詳しい内容も公開します。

ちなみに私のゼミ内容みて「何で器楽ばっか?歌曲は?」と疑問に思った方、安心してください。これは私の好みが非常に偏っている結果であり、実際はオペラも歌曲もバランスよくあります。

歌曲は昔のドイツ語や詩的なドイツ語の読解が私には困難で、音符を読むほうがずっと楽だったからだというのもあります。

ちなみに私が一番好きな時代やテーマは20世紀初めの調性音楽から無調音楽に移行する真ん中のあたり。だからヒンデミット、12音技法や微分音に興味をもって手を出したという流れです。けっこう好みがばれますねこーゆーの。

でも学部であれど好きなところをある程度やらせてもらえるようなシステムになってたのはよかったです。

ちなみにプレゼンはドイツ語のみ、論文はドイツ語と英語どちらで書いてもオッケーでした。

私は英語苦手なので全部ドイツ語でかきました。

 

え?卒論のテーマ?

そりゃなんとなく恥ずかしいのでまたの機会に(誰も聞いてない)