ゲーテドイツ語試験【A1】会話試験対策 Teil 3:Goethe Zertifikat A1
Teil 1の自己紹介と、Teil 2の質問&回答が終わると最後の課題(Teil 3)が始まります。
Teil 3の課題は「人に頼みごとをする&それにリアクションを取る」です。
(Bitte formulieren und darauf reagieren)
Teil2と同じようにカードが机の上に置かれますが、今回はテーマがなく、絵の描かれたカードです。
↑このようなカードです。
試験管からはこのような説明があります。
☆☆☆
In Teil 3 sprechen Sie wieder mit Ihrem Partner.
Sie haben eine Bitte.
Hier ein Beispiel: Ein Glas Wasser, bitte!
Assessor: Ja, natürlich, bitte.
Nun Sie.
Nehmen Sie eine Karte.
Beginnen Sie.
ーーーーーーー
日本語訳:
課題3でももう一度隣の人を会話をしてもらいます。
隣の人にお願いをします。
それでは例を。“水をグラス一杯ください。”
(回答者:)もちろん、はいどうぞ。
それではあなたたちの番です。
カードを一枚引いて始めてください。
☆☆☆
カードを引いて隣の人に頼み事&リアクションをとる試験は2度、繰り返されます。
つまり一人につき引くカードは2枚です。
Teil3の課題はテーマがないため、Teil2に比べずいぶんと文の選択肢が絞られます。
ですが、絵のドイツ語単語が書かれていないため、絵を見て単語が出てくるよう単語を勉強しておくことが必須です。
まずは、“人に何かを頼む”ときにドイツ語ではどんな文型を使いますか?
考えてみましょう。
まず
命令形。「~してね」「~してください」
これは誰かに何かをしてもらいたいときに使いますね。
あとA1の段階ではもう一つ、お願いする表現を習っていると思います。
それが
話法の助動詞könnenを使った表現ですね。
「~してくれない?」「~してくれませんか?」
という言い方です。
この2つの表現をまずは記憶しておきましょう。
まず命令形の復習から。
命令形の文法はこちらに詳しく解説していますが、ここでは試験に必要な部分だけ切り取って復習します。
命令形は二人称のみに使える表現です。一人称と三人称はありません。
ドイツ語の二人称は3種類ありますね。du, ihr, Sie(敬称)です。
今回の試験で使うのはこのうちのどれでしょうか?
隣の受験者さんにお願いをするので、たいていは知らない人、つまりSieを使うことが一般的でしょう。
つまりSieの命令形の形を覚えるだけで事足ります。
Sieの命令形はどんな形でしたか?
そうです、疑問文と同じ形。ですね。後ろにハテナがつかないだけです。
そして敬称なので丁寧な命令形にするためにbitteという単語と一緒に使われます。
・Rufen Sie mich bitte an.
(電話をください。)
・Rauchen Sie hier bitte nicht.
(ここでたばこを吸わないでください。)
・ Geben Sie mir bitte ein Glas Wasser.
(水を一杯ください。)
このような文ですね。
次、話法の助動詞könnenでも頼み事をする文を作ることが出来ます。
Können Sie bitte zur Seite gehen?
(ちょっとだけ端へ寄ってくれますか?)
Können Sie mir bitte kurz helfen?
(ちょっと手伝ってくれますか?)
Können Sie mich bitte anrufen?
(お電話いただいてもいいですか?)
こちらの文はハテナがつきます。お願いでもあり、疑問文でもありますね。
ニュアンス的には命令形よりも若干丁寧さが増す言い方であり、相手に決定権をゆだねる言い方です。
しかし試験ではどちらを使っても特に違いはなく、代わりはありません。
また否定形として「~しないでください」とお願いするときは、命令形にnicht/keinをつけるだけですが、話法の助動詞だった場合、könnenではなくdürfen nichtになります。
dürfen nichtは禁止(~してはいけない)という意味でした。
否定のお願いが出てくるカードもあります。
それについては後程練習します。
☆☆
それでは試験ではどのような絵が出てくるのでしょうか?
ほとんどの絵は命令形またはkönnenの形で対応できますが、若干応用が必要なものもあります。
ここではそれらを一気にまとめます。
1.モノ・持ち運べるもの
持ち運べるものに対しては一貫して
「~を持ってきてください」または「~をくれますか?」とお願いすることができます。
Geben Sie mir bitte+単語
Bringen Sie mir bitte +単語
この文型を丸暗記で対応するのが一番容易です。
Geben Sie mir bitte….(~をください)は買い物をするシチュエーションでもよく使います。
Bringen Sie mir bitte…(~を持ってきてください)はそばにいる人に、そばにないものを持ってきてとお願いする言い方ですね。
単語例)
Bringen Sie mir bitte meine Jacke.
(私のジャケット持ってきてください。)
Können Sie meine Jacke geben?
(私のジャケットこっちへくれますか?)
☆☆
Bringen Sie mir bitte die Tasche.
(そのかばん、持ってきてください)
Geben Sie mir bitte die Tasche.
(そのかばんをください。)
☆☆
食べ物にも問題なく使えます。
Bringen Sie mir bitte ein Stück Pizza.
(ピザを一切れ持ってきてください。)
Geben Sie mir bitte ein Stück Pizza.
(ピザをください。)
☆☆
Bringen Sie mir bitte das Mittagessen.
(昼食をもってきてください。)
Können Sie mir bitte das Mittagessen bringen?
(昼食を持ってきてくれますか?)
☆☆
またこれ以外に出てくる主なモノの単語は(絵で出てきますが):
コイン・ペットボトル・携帯・ノート・本・ソーセージ・果物類・野菜類・食器類・えんぴつ・新聞・くつ・プレゼント・いす・めがね・鍵・ボール・花・昼食・朝食・車・自転車
といったものがあります。これらの単語はかならずドイツ語で覚えておきましょう。
そして文の作り方は、先ほどの文型ですべて対応できます。
またこのようなお願いをされたときの答え方は
1.Ja, hier bitte.
2.In Ordnung.
3.Ja, ich kann das machen.
4.Klar, ich mache das gerne.
5.Moment bitte.
など、簡単なリアクションで大丈夫です。
2.禁止の表示
このような禁止の表示が出てくることもあります。
「~しないでください」という否定のお願いができるかを問うものです。
この場合は、2通りの言い方ができるでしょう。
一つ目はもちろん命令形。
そして二つ目は禁止の話法の助動詞dürfenを使った言い方です。
1.Rauchen Sie bitte hier nicht.
=ここでたばこを吸わないでください。
2.Sie dürfen hier nicht rauchen.
=ここでたばこをすってはいけません。
これらのどちらかが一般的です。
単語例
Telefonieren Sie bitte hier nicht.
(ここで電話しないでください。)
Sie dürfen hier nicht telefonieren.
(ここでの電話は禁止です。)
☆☆
Fotografieren Sie bitte hier nicht.
(ここで撮影しないでください。)
Machen Sie bitte hier keine Fotos.
(ここで写真を撮らないでください。)
Sie dürfen hier nicht fotografieren.
(ここは撮影禁止です。)
☆☆
Schwimmen Sie bitte hier nicht.
(ここで泳がないでください。)
Sie dürfen hier nicht schwimmen.
(ここは水泳禁止です。)
☆☆
Essen Sie bitte hier nicht.
Sie dürfen hier nicht essen.
3.建物の絵
建物が来た場合は、道を尋ねる文を作ることが一般的です。
Entschuldigung, wo finde ich den Hauptbahnhof?
(すみません、中央駅はどこにありますか?)
Ich suche den Hauptbahnhof. Können Sie mir bitte helfen?
(中央駅を探しています、助けてくれませんか?)
☆☆
Entschuldigung, wo finde ich die Post?
(すみません、郵便局はどこですか?)
Ich suche die Post. Können Sie mir bitte helfen?
(郵便局を探しています。助けてもらえませんか?)
これも疑問形になりますが問題ありません。
Wo ist die Post?やWo gibt es die Post?などの簡単な訊き方でも成り立つでしょう。
ただこれらの絵を持った人に道を尋ねられた場合、答え方は少し厄介ですね。
「まっすぐ行きます=Gerade aus」や「ここを右に行ってください=Gehen Sie hier nach rechts.」などの答え方も見ておきましょう。
4.開ける・閉める
開いたままのドア、開けかけの手紙など、「~を開けてください」「~を閉めてください」とお願いする練習もしておきましょう。
閉める=schließen, zumachen
開ける=öffnen, aufmachen
です。これらの動詞を命令形またはkönnen形にしてお願いしましょう。
Öffnen Sie bitte den Brief.
(手紙を開けてください)
Können Sie bitte den Brief öffnen?
(手紙を開けてくれますか?)
☆☆
Schließen Sie bitte die Tür.
Machen Sie bitte die Tür zu.
(ドアを閉めてください。)
Können Sie bitte die Tür schließen?
Können Sie bitte die Tür zumachen?
(ドアを閉めてくれますか?)
☆☆
Machen Sie bitte den Kühlschrank zu.
(冷蔵庫を閉めてください。)
Können Sie bitte den Kühlschrank zumachen?
(冷蔵庫を閉めてくれますか?)
☆☆
Öffnen Sie bitte die Flasche.
(瓶を開けてください。)
Können Sie bitte die Flasche öffnen?
(瓶を開けてもらえますか?)
5.時計
何らかの時計の絵が出てきたらこれは一択です。
時刻を教えてもらえるようお願いしましょう。
Entschuldigung, Wie spät ist es?
(今何時ですか?)
↑これは丸覚えです。
答え方は“Es ist zehn Uhr.”(10時です。)などです。
☆☆
Teil 3は2にくらべてもバリエーションが少なめなので、割かし対策が取りやすいかと思います。
また答え方も単純なものが多く、そこまで難易度は高くありません。
ただ、カードの単語だけは必ずドイツ語で覚えておくようにしましょう。
できれば性別と一緒に。
動画解説はこちらです↓
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