【中・上級】三格をとる再帰動詞 -Reflexive Verben mit Dativ- 【ドイツ語文法35ー1】


再帰動詞とは四格支配の動詞の一種です。

再帰動詞の文法ページではまず、本物と偽物の再帰動詞に分類しました。

その後さらに偽物を2つに分割し、四格をとる再帰動詞と三格をとる再帰動詞を紹介しました。

ここまでは再帰動詞の文法を復習するなどして頭に入れておいてください。

 

今回の解説はその先をいく応用(中・上級)です。

再帰動詞の文法ページで紹介した三格をとる再帰動詞は、つけてもつけなくてもいいものでした。

つまりつけてもつけなくても動詞自体の意味は変わらず、おもに強調する意味をもつものでした。(waschen, schminken, rasieren, anziehen, umdrehen, sehen, putzenなど)→詳しくはこちらへ

 

今回紹介する三格をとる再帰動詞のほとんどは、つけることによって動詞の意味が変わる性質のものです。

今回は当てはまる動詞を8種類紹介します。

 

何度もいうように再帰動詞とは四格支配の動詞の一種です。

三格の再帰代名詞が入っても四格の目的語は関係なくつきますので四格をつけることも忘れずに。

表記はsich3=三格の再帰代名詞、etwas=四格目的語としています。

 

sich3 etwas vorstellen

vorstellenという動詞は目的語に何がつくかによって意味が全く違います。

はじめにおさらいしておきましょう。

vorstellen+三格+四格

=(三格の)人に(四格の)人/モノを紹介する

Ich möchte dir meinen Brüder vorstellen.

=あなたに兄を紹介したい。

 

vorstellen+四格再帰代名詞

=自己紹介する

Können Sie sich kurz vorstellen?

=短く自己紹介してくれますか?

 

vorstellen+三格再帰代名詞+四格

=(四格)を想像する

Ich kann mir eine Reise nach Nordkorea nicht vorstellen.

=北朝鮮旅行なんて想像できない。

 

上記のように、三格の再帰代名詞を取ると想像するという意味になります。

ドイツ語ではan etwas denken könnenに近い意味です。

いくつか例文を見てみましょう。

・Ich kann mir eine Reise nach Europa gut vorstellen.

=ヨーロッパ旅行がよくイメージできる。

 

・Ich kann mir nicht vorstellen, wir das Leben im Mittelalter war.

=中世の生活がどんなだったか想像できない。

 

・Kannst du dir vorstellen, im Ausland zu arbeiten?

=海外で仕事することが想像できる?

 

・Stell dir vor, es gäbe in der Welt keinen Krieg mehr….

=もしもう戦争が起こらなかったら・・って想像してみてよ。

 

・Das Beste, was ich mir vorstellen kann, ist ein langer Urlaub.

=私が想像できるベストは長い休暇かな。

 

 

sich3 etwas wünschen

こちらの動詞も2通りの使い方があります。

しかし意味は同じなため、比較的わかりやすいです。

一つ目の使い方は

wünschen+三格+四格

=(三格の)人に(四格)を願う

Ich wünsche dir eine gute Reise.

=旅行楽しんできてね!(直訳:いい旅行になることを願っている)

 

二つ目が三格の再帰代名詞を使った

wünschen+三格再帰代名詞+四格

=~が欲しい・~を願う

という言い方です。

Ich wünsche mir einen Tesla zum Geburtstag.

=誕生日にテスラの車がほしい。

Ich würde mir wünschen, dass meine Mama mehr zu Hause ist.

=ママがもっと家にいてほしいと思っている。

 

 

sich3 etwas merken

merkenは再帰代名詞がないバージョンだと

merken+四格

=(四格)に気づく

という意味になります。

Ich habe nichts vom Erdbeben gemerkt.

=地震の何も気づかなかった。

 

merken+三格再帰代名詞+四格

=(四格)を記憶する

です。

再帰代名詞が入っているかいないかでずいぶんと意味が変わりますね。

Ich kann mir keinen Namen merken, aber Gesichter kann ich mir gut merken.

=名前は覚えられないけど顔はちゃんと覚えられる。

Es gibt so viele deutsche Vokabeln. Wie soll ich mir die alle merken?

=こんなにいっぱいドイツ語の単語がある、どうやって全部覚えればいい?

 

次の例文はどちらのmerkenも入った文です。意味を考えながら読んでみましょう。

Die menschliche Gedächtnis ist echt super! Trotzdem merken wir immer wieder, dass wir uns viele Dinge nicht merken können.

=人の記憶とはすごいものだ。それでもたくさんのことが覚えられないことに私たちはいつも気づかされる。

 

 

sich3 Mühe geben/machen

こちらは四格目的語と動詞が決まった表現です。

Ich gebe mir Mühe.=Ich gebe mein Bestes(がんばる)

詳しくはこちらに→「がんばる」のドイツ語

Ich mache mir Mühe.(努力する・苦労する)

といった意味です。三格の再帰代名詞は必ず必要です。

・Ich gebe mir viel Mühe, mein Deutsch zu verbessern.

=ドイツ語がよくなるようにがんばる。

 

・Man sollte sich nicht so viele Mühe geben, um andere zu überreden.

=他の人を説得しようとそんなにがんばらないほうがいいよ。

 

・Mach dir bitte keine Mühe.

=無理しないでね。

 

・Ich mache mir die Mühe, ihr den Sachverhalt genau auseinanderzusetzen.

=状況を細かく説明するのに苦労している。

 

 

sich3 Sorgen machen

これも動詞+四格目的語が固定されている決まり表現で、「心配する」という意味ですね。

比較的理解は容易だと思います。

sich4 um 四格 etwas sorgenと全く同じ表現です。

・Ich mache mir wegen der bevorstehenden Klausur Sorgen.

=今からある筆記試験を心配している。

 

・Es fällt vielen Müttern schwer, sich keine Sorgen um ihre Kinder zu machen.

=多くの母親にとって子供を信頼する(心配しない)ことは難しい。

 

・Er wird das Flugzeug nicht verpassen, du musst dir keine Sorgen machen.

=彼は飛行機に乗り遅れないから心配する必要ないよ。

 

 

sich3 Gedanken machen

口語でよく使われる表現です。「考える(nachdenken)」という意味に近いです。

der Gedanke(考え・思考)は複数形の形になり、Gedankenにしてmachenをつけると決まり表現です。

・Du machst dir viel zu viele Gedanken.

=考えすぎだよ。

 

・Mach dir nicht so viele Gedanken.

=あまり考えすぎないの。

 

・Ich habe mir in letzter Zeit über mein Leben viele Gedanken gemacht.

=最近自分の人生(生活)についていっぱい考えてた。

 

・Junge Menschen sollten sich um ihre Rente viele Gedanken machen.

=若い世代は年金についてよくよく考えたほうがいいよね。

 

 

sich3 leisten können

これは四格目的語だけでなく話法の助動詞könnenつきの決まり文句です。

意味は

Ich kann es mir leisten.

=Ich habe Geld, es zu kaufen.(これを買うお金がある)

Ich kann es mir nicht leisten.

=Ich habe kein Geld, es zu kaufen(これを買うお金がない)

これらの表現はIch habe Geld.などの直接的な言い方よりも好んで使われています。

・Ich wünsche mir einen Tesla zum Geburtstag, weil ich es mir selbst nicht leisten kann.

=自分ではとても買えないので誕生日にテスラの車が欲しい。

 

・Ich habe hart gearbeitet, ansonsten hätte ich mir die Reise nicht leisten können.

=ハードに仕事をしなかったら旅行に行けなかった。

 

・Es gibt in der Welt viele wahnsinnige Dingen, die sich nur Reiche leisten können.

=世界には金持ちだけが買える(体験できる)異常なものがたくさんある。

 

 

sich3 Zeit nehmen/lassen

ここでは三格の再帰代名詞+時間(Zeit)の表現を2種類紹介します。

Zeitが四格目的語で、決まり表現です。

Zeit nehmen+三格再帰代名詞

=時間をとる

Zeit lassen+三格再帰代名詞

=時間をかける

・Er nimmt sich viel Zeit, um mit den Kindern zu spielen.

=彼は子供と遊ぶために時間をたくさんとっている。

 

・Danke, dass du dir Zeit für mich genommen hast.

=たくさん時間使ってくれてありがとう。(手伝ってくれてありがとう)

 

・Du solltest dir für schwierige Entscheidungen viel Zeit nehmen.

=難しい決定をするときはたっぷり時間とらなきゃ。

ーーーーーーーー

・Lassen Sie sich ruhig Zeit. / Lass dir Zeit.

=ゆっくりしてください。

 

・Ich lasse mir Zeit.

=ゆっくりするわ。

 

・Ich würde mir gern beim Baden mehr Zeit lassen können.

=もっと長い間お風呂に浸かっていれたらいいのにな~。

動画解説はこちら↓

ドイツ語読解一覧
ドイツ語単語一覧
ドイツ語文法一覧
文法練習問題一覧
ドイツ語動詞一覧
ドイツ語例文一覧
ドイツ語表現一覧
個人レッスン
ドイツ語学習トップ