未来完了について:未来形II【ドイツ語文法20】


ドイツ語基礎文法一覧

未来完了形(未来II)はふだんの会話で使われることは、ふさわしい場面では使われていますが、そんなに多くはありません。

ひとまずは読んで、または聴いて分かれば十分です。

 

文法の形は

werden + 過去分詞(PartizipII) + haben/sein

 

未来完了形には2つの意味があります。

 

ひとつ目は「すでに~をし終わっているはずだ」という意味を持っています。

未来のある時点で、その事柄がその時までにすでに終わっていると推測できるときに使います。

つまり、この発言をしている時点では未来の出来事です(まだ起こっていないこと)。

In zwei Stunden wird er schon die Prüfung fertig geschrieben haben.

=2時間後には彼は試験を終えているはずだ。

 

In zwei Monaten werde ich neues Niveau erreicht haben.

=2か月後には新しいレベルに届いていると思う。

 

Im Jahr 3,000 werden alle Menschen ausgestorben sein.

=3000年には人間はみな絶滅しているでしょう。

 

In zwei Jahren werde ich meinen Führerschein gemacht haben.

=私は2年後には車の免許を取っているだろう。

※文の中に必ず未来の時制(明日、~日後、〇〇年、それまでに、など)を表す語が入っています。

この文法表現はかなりフォーマルに聞こえます。

なのでニュースなどではよく出てきます。「この犯人は3年後に刑期を終えて出てくるだろう」のような表現です。

ただ、ネイティブは日常表現でもここという時には使っています。頻繁ではないですがまぁまぁ聞くこともあります。

☆☆

 

ふたつめの意味は、「~したのだろう/しなかったのだろう」といった過去の出来事への推測です。

つまり、この発言をしている時点ですでに過去になっている出来事です。

例えば、約束の電車が到着してすべての客が降りたのに、その人の姿がなかったとき、

Er wird den Zug wohl verpasst haben.
(彼は電車に乗り遅れたのだろう。)

と表現することができます。過去の出来事への推測なので、主語は三人称のみになりますね。

上の例文「彼は電車に乗り遅れたのだろう」は文法的には未来完了であっています。
しかし実際に過去を推測する時に使われる文のほとんどは現在完了形です。

Ich glaube, er hat den Zug wohl verpasst.
(彼は電車に乗り遅れたと思う。)

と表現したほうが自然です。

また、たぶん(vielleicht)やきっと(bestimmt)といった副詞を使った過去の推量もよく使われます。

Er hat bestimmt den Zug verpasst.
(彼はおそらく電車に乗り遅れたんだ。)

このようにドイツ語の時制は、日常会話ではほとんどが現在形または現在完了で話されています。

とはいえドイツ語の6つの時制の文法の形は、この後出てくる中級の文法(話法の助動詞、接続法、受動態)で、何度も何度も応用されます。
文法の形だけは6つとも全部すらすらと出てくるように。
後から頭がごちゃごちゃにならないよう、今のうちに覚えておきましょう。

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更なる未来形2の例文:

1番目(未来)の意味か2番目(過去)の意味か考えながら読んでみましょう。

1.Er wird schon angekommen sein.
(彼はもう着いただろう。)

2.Ich werde den Bericht bis morgen Abend geschrieben haben.
(私は明日の夜までには報告書を書き終わっているだろう。)

3.Sie wird für ihre Prüfung gelernt haben.
(彼女はもう試験勉強をし終わっているだろう。)

4.Er wird den Flug schon gebucht haben.
(彼はもう飛行機のチケットを取っただろう。)

5.Er wird wohl einen schlechten Tag gehabt haben.
(彼にっては気分の悪い日だったんだろう。)

未来形2の文法解説動画はこちら↓

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