時間の前置詞(2)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法33】
これが時間の前置詞シリーズの目次です。
1.点の前置詞(1):um, am, im
2.点の前置詞(2):vor, nach, bei
3.流れの前置詞(1):seit, ab, von
4.流れの前置詞(2):während, innerhalb, außerhalb
5.流れの前置詞(3):über, für, zwischen
前回の文法、時間の前置詞(1)では時間を点として見た前置詞について勉強しました。
今回は時間を流れとして見る前置詞について学びます。
流れの前置詞(1):seit, ab, von
これらの前置詞にはすべて三格がつきます。意味も「~から」という始まりの時点からの流れを表します。
それでは何が違うのか、どう使い分けるのか例文を見てみましょう。
1.seit+三格=~から(過去→現在)
過去から始まり現在も継続中の出来事を表す。
・Seit einem Jahr rauche ich nicht mehr.
(1年前からタバコを吸っていない。)・Ich bin seit letzter Woche krank.
(私は先週から調子が悪い。)・Ich spiele seit zehn Jahren Klavier.
(私は10年前からピアノを弾いている。)・Sebastian hat seit dem Tod seiner Frau Alkoholprobleme.
(セバスチャンは妻が亡くなってからアル中だ。)*時に関する単語以外でも使える。
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A:Seit wann bist du in Deutschland?
(いつからドイツにいるの?)B:Seit August 2019 bin ich in Deutschland.
(2019年8月からいるよ。)ーーーーーーーー
A:Wie lange lernst du Deutsch?
(どれぐらいドイツ語勉強してるの?)B:・Ich lerne schon seit drei Jahren Deutsch.
(私はもう3年前からドイツ語を勉強している。)
*これらの文はすべて現在も継続中のため、seitは現在形のみ使えます。
✖ Seit einem Jahr habe ich Deutsch gelernt.
2.ab+三格 / von+三格+an=~から(未来→未来)
どちらも三格がつきます。
abとvon..anは同じ意味で、未来の出来事について話すときに使います。
「明日から授業が始まる」のような言い方です。
・Ab nächster Woche will er mit dem Rauchen aufhören.
・Von nächster Woche an will er mit dem Rauchen aufhören.
(彼は来週からタバコをやめようと思っている。)・Ab morgen werde ich abnehmen.
・Von morgen an werde ich abnehmen
(明日からダイエットする!)・Ab heute habe ich einen Internet-Anschluss.
(今日から私はインターネット環境がある。)ーーーーーーー
A:Ab wann ist Frau Schmitt in Urlaub?
(シュミットさんはいつから休暇?)B:Ab dem 20. August.
(8月20日から。)ーーーーーーー
A:Ab wann hast du wieder Zeit?
(いつからまた時間ある?)B:Ich habe vom 10. Januar an Zeit.
(1月10日からまた時間あるよ。)
3.von+三格+bis+三格=~から~まで(時制関係なし)
こちらは2とは違っていつまでという期限付きの表現です。
・Ich habe von acht bis halb neun auf ihn gewartet.
(私は8時から8時半まで彼を待っていた。)・Gestern hat es von morgens bis abends geregnet.
(昨日は朝から晩まで雨が降った。)・Unser Praxis ist von 8:00 bis 18:00 geöffnet.
(私たちの診療所は8時~18時まで開いている。)・Ich arbeite von Montag bis Freitag.
(私は月曜日から金曜日まで仕事をします。)ーーーーーーーーー
A:Wie lange dauert der Sprachkurs?
(その語学クラスはどれぐらい続くの?)B:Der Kurs dauert von April bis Juli.
*bisのみで「~まで」と表現することはできるが、von「~から」のみでは使えない。必ず最後にanをつけよう。
bisには2通りの文法がある。
bis+四格(ゼロ冠詞の場合)またはbis zu+三格(冠詞がつく場合)
例)
・Bis nächste Woche muss ich mich entscheiden.
(来週までに決めなければならない。)・Er hat bis sieben Uhr gearbeitet.
(彼は7時まで仕事だった。)・Ich bleibe bis Samstag in Italien.
(私は土曜日までイタリアにいる。)・Der Laden ist bis zum 30. Juni abgeschlossen.
(その店は6月30日まで閉まっている。)・Das Restaurant ist vom 12. 08 bis zum 15. 08 geschlossen.
(このレストランは8月12~15日まで閉まっている。)
*時制はなんでもOK.
流れの前置詞(2):während, innerhalb, außerhalb
いずれも二格がつきます。
1.während+二格=~の間
・Während der Vorlesung mach ich mir Notizen.
(講義の間、私はメモを取っている。)・Ich möchte nicht, dass ihr Während des Unterrichts mit dem Handy spielt!
(授業中にスマホをいじるのはやめてほしい!)・Schnallen Sie sich bitte während des Flugs an.
(飛行中はシートベルトを締めてください。)・Während des Mittagessens habe ich mit meinem Kollegen geredet.
(昼休憩の間私は同僚とおしゃべりしていた。)
2.innerhalb+二格=~以内に
・Der Bus fährt innerhalb zehn Minuten ab.
(このバスは10分以内に出発する。)・Ich muss meine Hausarbeit innerhalb eines Monats abgeben.
(私は論文を一か月以内に提出しなければならない。)・Er ist innerhalb der nächsten Stunde zu Hause.
(彼は一時間以内には家についている。)・Innerhalb einer Woche hatte er in München eine passende Wohnung.
(彼はミュンヘンで一週間以内にぴったりの住居を見つけた。)ーーーーーーー
A:Wann kommt die nächste U-Bahn?
(いつ次の地下鉄が来る?)B:Die nächste U-Bahn kommt innerhalb der nächsten fünf Minuten.
(次の地下鉄は今から5分以内に来る。)
3.außerhalb+二格=~外に
・Außerhalb der Öffnungszeiten geht bei uns niemand ans Telefon.
(開いてる時間以外は誰も電話にでない。)・Er rief außerhalb der Geschäftszeiten an und konnte es nicht erreichen.
(彼は営業時間外に電話をかけたが、つながらなかった。)・Die Schüler dürfen nur außerhalb der Schulzeit für den Klimaschutz demonstrieren.
(生徒たちは学校時間外にのみ環境デモを行ってもいい。)・Sie rauchen außerhalb der Arbeitszeit.
(彼らは仕事の時間外にタバコを吸う。)
流れの前置詞(3):über, für, zwischen
überとfürは四格支配、zwischenは三格支配。
1.über+四格=~以上、~にかけて
・Ich fahre übers Wochenende weg.
(僕は週末にかけていないから。)・Wir warten schon über eine Stunde auf den Bus.
(私たちはもう1時間以上バスを待っている。)ーーーーーーー
A:Wie lange lernst du Deutsch?
(どのぐらいドイツ語勉強してる?)B:Ich lerne schon über einen Monat Deutsch.
(もう一か月以上勉強してる。)ーーーーーーー
・Ich bin schon seit über einem Monat im Ausland.
(私はもう一か月以上前から海外にいる。)
*前置詞seitとüberを両方使った例。あくまで最初の前置詞の格を優先し、überは間にはさんでいるだけ。
2.für+四格=~間
währendは「仕事中」などどんな単語でも言えるのに対し、fürは時に関する単語としか使えない。
・Wir fahren für zwei Wochen in Urlaub.
(私たちは2週間休暇に行く。)・Ich bleibe nur für drei Tage in Berlin.
(私は3日間だけベルリンにいる。)・Ich gehe für sechs Monaten ins Ausland.
(私は6か月間海外に行く。)
*währendとfürはどちらも「~の間」という意味だが、währendは自由に名詞を入れることができるのに対し、fürは時間に関する名詞のみが入る。
〇 während der Vorlesung=講義のあいだ
✖ für die Vorlesung
3.zwischen+三格(A und B)=AとBの間
・Ich komme zwischen 20 und 21 Uhr.
(私は20時と21時の間に来る。)・Zwischen Mittagspause und Feierabend muss ich hart arbeiten.
(昼休憩と退勤の間はハードに働かなければならない。)・Zwischen Weihnachten und Neujahr fliege ich nach Spanien ans Meer.
(クリスマスとお正月間にスペインの海に行く。)
*zwischenはundと一緒につく。「~と~の間」と言わなければならない。
つまりドイツ語の時間の前置詞には「~の間」という語が3種類ある:während, für, zwischen。でもそれぞれ文法の機能が異なり、während+二格はどんな名詞でも使え、für+四格は時間に関する語のみ、zwischenはundと一緒につく。
それでは練習問題をどんどんやって記憶に定着させましょう。
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