「痛い」の言い方【ドイツ語表現】


「痛い」は日本語では形容詞ですが、ドイツ語に「痛い」に相当する形容詞はありませんね。

「頭が痛い」

「腰が痛い」

のような言い方はドイツ語では

「私は頭痛を持っている」

「私は腰痛を持っている」

と、名詞で表現するか

「頭が痛む」

「腰が痛む」

というように動詞で表現します。

 

ここではドイツ語の「痛い」の名詞と動詞を使った基礎的な言い方を勉強します。

 

☆☆

まずは名詞から。

「痛み」は

der Schmerz

といいます。

このような名詞が来たときに数えられるのか数えられないのかと疑問に思う人もいるかと思いますが、Schmerzは数えられる名詞です。

医療現場で使われるときは単数形で表現されることも多いと想像しますが、一般的には私たちはSchmerzenという複数形の形で使うことがほとんどです。

継続的に痛みが続くときには複数形で表しましょう。

Ich habe Schmerzen.

=痛い

↑これが基本的な形です。

 

さらに身体のどこかが痛い場合、身体の部位をSchmerzenの前につけて

Ich habe Kopfschmerzen.

=頭が痛い

Ich habe Zahnschmerzen.

=歯が痛い

Ich habe Rückenschmerzen.

=背中(腰)が痛い

Ich habe Halsschmerzen.

=喉が痛い

*本当は喉はdie Kehleで、首がder Halsですが、風邪をひいたりして喉が痛いときはHalsschmerzenといいます。

Ich habe Bauchschmerzen.

=お腹が痛い

 

また場所の前置詞を使って表現してもかまいません。

Ich habe Schmerzen am Bein.

Ich habe Schmerzen am Zahn.

Ich habe Schmerzen am Rücken.

Ich habe Schmerzen im Hals.

Ich habe Schmerzen im Bauch.

場所の前置詞はanかinかのどちらかで、場所の前置詞の文法に従っています。

ここではanであれば外から受ける痛み、inであれば中から感じる痛みという感じでしょうか。

 

ちなみに2つめの表現を使うときは身体の部位の性別を知っている必要がありますが、身体の部位の性別を記憶することは私は非常に困難でした。

目、鼻、口、耳どれも性別が違います。さらに2つあるものは基本的に複数形でもよく使います。

なので私が頭の中に色で記憶しているイメージ図をついでに紹介しておきます。

基本的な身体の部位の性別図です↓

青→男性名詞

赤→女性名詞

緑→中性名詞

もちろん細かい部位はいくらでもあり、性別もその都度覚えなければならないのですが、一番おおざっぱな性別表です。

図と単語と一緒に性別を確認してみてください↓

【ドイツ語単語】身体の部位 “Körperteile”

 

話はもどりますが、Schmezenという名詞はhaben以外にもbekommenやspürenなどと使うこともよくあります。

たとえば

Immer wenn ich Kaffee trinke, bekomme ich Bauchschmerzen.

コーヒーを飲んだらいつもお腹痛くなるんだ。

このような時は「腹痛を得る」=bekommenのほうがhabenよりもふさわしいかもしれません。

bekommenは病気などの表現にもよく使われます。詳しくはこちら↓

bekommenの使い方と例文(本動詞として)【ドイツ語動詞】

 

また

Beim Essen spüre ich am Zahn Schmerzen.

ご飯の時、歯が痛むんだ。

いつもは痛くないけれど、痛みを感じる時があるような表現にはspürenがぴったり。

 

☆☆

それでは次に動詞です。

この動詞は少し日本語母語者には感覚的に理解しにくいですが、先ほどの名詞の例よりもはるかに広い表現が可能なため、こちらも慣れておきましょう。

wehtun

=痛む

こちらは分離動詞、そして痛い部分を主語に持ってきます。

たとえば

Mein Kopf tut weh.

=頭が痛い。

分離するため前つづりのwehは後ろに来ます。

さらにこの動詞は不規則なので変化表も出しておきます。

tun 現在形 過去形 現在完了形
ich tue tat habe getan
du tust tatst hast getan
er, sie, es tut tat hat getan
wir tun taten haben getan
ihr tut tatet habt getan
sie tun taten haben getan

「昨日頭が痛かった」であれば

Mein Kopf tat weh.

Mein Kopf hat wehgetan.

といいます。

そして動詞ですから2つあるものには複数形を使うことも忘れずに。

たとえば

Meine Augen tun weh.

Meine Augen taten weh.

Meine Augen haben wehgetan.

のようにです。

 

この動詞を使った形を2種類覚えておきましょう。

このまま丸覚えがおすすめです。

一つ目は主語に「私の~」を入れた言い方。

Mein Zähne tun weh.

=私の歯が痛い。

Mein Rücken tut weh.

=私の腰が痛い。

Meine Schultern tun weh.

=私の肩が痛い。

Tut dein Bauch weh?

=お腹痛いの?

Meine Ohren tun weh.

=耳が痛い。

Mein Kopf tat weh.

=頭が痛かった。

動詞の変化形と単数複数形はたっぷり練習しておきましょう。

 

そして二つ目は主語を定冠詞にし、三格を入れた言い方。

Die Zähne tun mir weh.

=この歯が痛い

Der Rücken tut mir weh.

=ここの腰が痛い

Die Schultern tun mir weh.

=ここの肩が痛い

Tut dir der Bauch weh?

=お腹痛いの?

Mir tun die Ohren weh.

=この耳が痛い

Mir tat der Kopf weh.

=頭痛かった

 

この2つの文は非常に似ていますが、ここでも冠詞によって意味や使う場面は少し異なることもあります。

そして注意なのが

✖ Der Kopf tut weh.

↑これは使わないということです。文法的には正しいのかもしれませんが、意味が正しくないです。

これらの違いついては冠詞の知識が増えれば理解できると思います。

少しこちらで紹介している三格の再帰動詞に似ています。↓

(Ich wasche meine Hände./Ich wasche mir die Hände.)

再帰動詞と再帰代名詞 -Reflexive Verben und Pronomen- 【ドイツ語文法35】

冠詞を意味から理解できるようにしっかり勉強していってくださいね。

 

それでは少し動詞wehtunの表現力を例文で紹介してみましょう。

1.Die Wunde tut mir verdammt weh.

2.Der Schlag hat mir wehgetan.

3.Die Spritze hat mir nicht wehgetan.

4.Das helle Licht tut ihren Augen weh.

5.Der Lärm in Pachinko-Läden tut den Ohren weh.

6.Ich bin vom Fahrrad gestürzt. Das hat mir sehr wehgetan.

7.Ich habe mir beim Gemüseschneiden wehgetan!

訳↓

1)傷がとてつもなく痛むんやけど。

2)痛い一撃だった。

3)注射痛くなかったよ。

4)あの人は明るい光で目が痛くなる。

5)パチンコうるさすぎて耳が痛くなる。

6)自転車から落ちてめっちゃ痛かった。

7)野菜切るときやってしまった!(指切った)

 

このようにwehtunを使うとある個所を痛い痛いというだけではなく、痛みの原因となったもの(注射や騒音など)を主語にして言ったりもできるのです。

結果的に便利!慣れるとひじょーに使いやすく聴きやすいので、ぜひwehtunも使いこなしましょう。

 

動画解説はこちら↓

 

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