【基礎ドイツ語】spielenは文法によっても意味が違う


ここではたったひとつ、spielenという動詞を勉強します。spielenは日本語にはない動詞である上に意味がたくさんあります。

さらに意味によって他動詞(四格目的語がつく)になったり自動詞(目的語がつかない)になったりする少し厄介な動詞でもあります。しかし日常でよく使われるので基礎的な意味と使い方は理解しておきましょう。

また、実際に使えるように今回は基本的な5つの意味とその使い方を紹介します。

spielenの基本:5種類の意味はこちら。一つずつ例文とともに解説していきます。

 

遊ぶ

“spielen=遊ぶ”は日本語の「遊ぶ」がすべてあてはまるわけではありません。子供や動物が「遊ぶ」、または子供や猫と一緒に遊ぶという意味で使われます。主語や使い方が限られています。

spielenが使える例はこちら。

・Die Kinder spielen.
(子供たちが遊んでいる。)

・Sie spielen draußen.
(みんな外で遊んでいる)

・Das Mädchen spielt mit Puppen.
(その女の子は人形で遊んでいる。)

・Die Katze spielt mit dem Ball.
(猫がボールで遊んでいる。)

・Er spielt mit seinem Kind.
(彼は彼の子供と遊んでいる。)

・Meine Kinder spielen im Sand.
(私の子供たちは砂遊びをしている。)

*mit+モノ=(モノ)で遊ぶ。mit+人=(人)と遊ぶ。

*「友達と遊ぶ」はspielenは使えず、ausgehen(出かける)を使います。
Ich gehe heute mit Alena aus.=今日アリーナと遊びに行く。

 

弾く・演奏する

この意味でつかうspielenには自動詞と他動詞の両方の使い方があります。

“楽器+spielen=(楽器)を弾く”と“曲+spielen=(曲)を弾く”は他動詞(四格目的語)がつきます。

・Ich spiele Flöte.
(私はフルートを吹く。)

・Sie spielt schon seit über 10 Jahren Gitarre.
(彼女はもう10年以上前からギターを弾いている。)

・Die Pianistin spielt eine Sonate und einen Walzer.
(そのピアニストはソナタとワルツを弾く。)

・Er spielt jeden Tag die Etüden von Chopin.
(彼は毎日ショパンのエチュードを弾く。)

・Sie hat heute ein Klavierkonzert von Mozart gespielt.
(彼女はモーツァルトのピアノ協奏曲を弾いた。)

・Das Orchester spielt eine Symphonie von Beethoven.
(そのオーケストラはベートーベンの交響曲を演奏する。)

*spielenはすべての楽器を演奏するときに使えます。日本語だと弦と鍵盤楽器は「弾く」、管楽器は「吹く」、打楽器は「叩く」など使い分けができますが、ドイツ語はspielenのみです。
〇Sie spielt Posaune.(彼女はトロンボーンを吹く。)
✖Sie bläst Posaune.

ドイツ語の楽器の単語はこちら

 

また自動詞として主語+spielenで完結できる例はこちら。

・Ich kann meistens vom Blatt spielen.
(私はほとんど初見で弾ける。)

・Ich spiele gern auswendig.
(私は暗譜で弾くのを好む。)

・Er spielt nach Gehör.
(彼は耳コピで弾く。)

・Sie spielt heute in einem Konzert.
(彼女は今日、コンサートで演奏する。)

*どれも四格目的語がついていませんが、文が成り立ちます。

 

球技スポーツをする

これも他動詞“(競技名)+spielen=(競技)をする”と自動詞“試合をする”の両方があります。

四格目的語の場合

・Ich spiele Fußball.
(僕はサッカーをする。)

Spielst du immer noch Tennis?
(今もテニスしてるの?)

・Er spielt Baseball in einer Mannschaft.
(彼はあるチームで野球をしている。)

Gehen wir heute Billard spielen?
(今日ビリヤードしに行く?)

・Ich mag Golf spielen.
(ゴルフしたいなぁ。)

*あくまでボールを使うスポーツ(球技)のみにspielenを使う。格闘技系はmachen(Judo machen, Karate machen…)といい、水泳をする(schwimmen)、ボクシングする(boxen)といったそれぞれの動詞があるスポーツも多い。

ドイツ語のスポーツの単語一覧

 

また、自動詞として主語+spielenで完結するのは“試合をする”という意味があるとき。

・Die Mannschaft spielt heute gegen einen starken Gegner.
(このチームは今日、強敵と試合をする。)

・Wegen einer Verletzung kann er zurzeit nicht spielen.
(怪我のせいで彼は今、試合に出ることができない。)

・Die Mannschaft spielt offensiv.
(このチームは攻撃的に戦う。)

*「チーム」が主語になることも多い。

 

ゲームをする

すべてのカード・ボード・コンピューターゲームに使える。ゲームの種類や名前もすべて四格目的語で。

賭け事あるなしも関係なくspielen.

・Wir spielen oft Karten.
(私たちはよくトランプをする。)

・Lass uns Monopoly spielen.
(モノポリやろう。)

・Er spielt sehr gut Schach.
(彼はチェスがとても強い。)

・Sie spielen Poker.
(彼らはポーカーをしている。)

・Ich spiele gern Computerspiele.
(私はコンピューターゲームが好きだ。)

*PCゲームだけはam Computer spielenともいえるが、四格のほうが一般的。

また賭け事の額などを表現するときは自動詞で表現することもできる。

・Er spielt riskant.
(彼はリスクの多いやり方をする。)

・Die Chinesen spielen im Kasino um hohe Summen.
(中国人はカジノで巨額の金を賭ける。)

・Ich will nicht um Gelt spielen.
(私は賭け事をしたくない。)

・Er spielt mit offenen Karten.
(彼はカードを見せながらやる。)

*「賭ける」のドイツ語はwettenという単語がある。しかしwettenはゲームに限らない。

 

演じる

“(役)を演じる=(役)+spielen”。また人が主語出ない場合は「上演する」の意味もある。この場合は“machen”も同じように使えます。(Er macht Romio.など)

・Er spielt Romio.
(彼はロミオを演じる。)

・Masato Sakai spielt Naoki Hanzawa.
(堺雅人は半沢直樹を演じている。)

・Jeder will die Hauptrolle spielen.
(誰もが主役を演じたい。)

・Sie hat im Film eine kleine Rolle gespielt.
(彼女はその映画でわき役を演じた。)

・Das Staatstheater spielt heute eine Oper von Mozart.
(国立劇場は今日、モーツァルトのオペラを上演する。)

*関係のある単語として、フィクション映画のことを“Spielfilm”という。また、その反対、ドキュメンタリーのことはDokumentation.しかしフィクションのドラマのことはSpielserieとは言えない。なぜでしょうね。

 

自動詞と他動詞

spielenの文法と意味のまとめ

自動詞(目的語なし) 他動詞(四格目的語)
1.遊ぶ 1.----
2.演奏する 2.(楽器を)弾く
3.試合をする 3.(球技を)する
4.---- 4.(ゲームを)する
5.---- 5.(役を)演じる

いかがでしたか。spielenは意味がたくさんあり、意外に正しく使うのが難しい基本動詞の代表格ですね。しかしよく使う常用動詞であることは間違いないので、この5つの意味は覚えておきましょう。もちろん、これ以外の意味もありますがそれはまた後程。

動画解説はこちらです↓

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