ドイツ語の時制6種類まとめ【ドイツ語文法16】


ドイツ語基礎文法一覧

ドイツ語の時制(現在・過去・未来)の表現法は6種類あります。
現在は1種類、過去は3種類、未来は2種類です。

文法の形まとめ

現在形:Er schreibt eine Prüfung.
過去形:Er schrieb eine Prüfung.
現在完了形:Er hat eine Prüfung geschrieben.
過去完了形:Er hatte eine Prüfung geschrieben.
未来形:Er wird eine Prüfung schreiben.
未来完了形:Er wird eine Prüfung geschrieben haben.

時制は、動詞を操作することによって表現されます。

動詞の操作は

・語形変化
・補助動詞の導入
・動詞の位置の変化

の3つです。これらをいじって、現在・過去・未来を表現します。

ここでは6種類の時制の全体像をつかめるよう、簡単にまとめます。
そのあと、詳しい解説でしっかりと学びましょう。

 

 

1.「現在」の表現(1つ)

日本語の表現には現在形「(今から)~する」と、現在進行形「(今)~している」の2種類ありますね。

ドイツ語は一種類のみです。同じ文法で表します。

ただし現在文に“gerade”という語が入っていると、その文は現在進行形になります。

“jetzt”だと今からするところだ(まだ始めていない)という意味になります。

現在形のつくりかた:動詞を人称変化に従って変化させる・動詞の位置を2番目に。

Er schreibt eine Prüfung.

この文は「彼は試験を受ける/彼は試験を受けている」どちらにも使えます。

副詞を付け足すことで、どの時点を表しているのかがさらに明確になります。

Morgen schreibt er eine Prüfung.
(彼は明日試験を受ける。)

Er schreibt gerade eine Prüfung.
(彼はちょうど今、試験を受けている。)

Er schreibt jetzt eine Prüfung.
(彼は今から試験を受ける。)

Er schreibt bald eine Prüfung.
(彼はもうすぐ試験を受ける。)

※注意すべきは、ほとんどの未来の出来事も現在形で表すことが一般的。
日常会話で現在形が使われる範囲はとても広いのが特徴的です。

 

 

2.「過去」の表現(3つ)

ドイツ語には2種類の過去形「~した」と、1種類の過去完了形「~していた」という3種類の文法表現があります。

意味は同じ2種類の過去形のつかいわけは簡単。

話し言葉か書き言葉か、です。

会話やメールのときは現在完了形、新聞や小説など文面では過去形という文法の形をとりますが、どちらにしても意味は同じ。
ではなぜ分けられているかと言うと、過去形のほうが短いため、限られたスペースで多くの情報を伝えられるからです。

日常的には、一部の単語を除いてほとんどの過去の表現が、現在完了形で話されています。

つまり、現在完了形を先に勉強した方が効率的です。

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現在完了形「~した」のつくりかた:補助動詞haben/sein+ge(動詞の語幹)t。補助動詞は2番目、動詞は最後。
動詞の語幹って何?という方はこちら。

Sie hat eine Kleidung gekauft.
(彼女は服を買った。)

補助動詞 habenとseinは現在人称変化と同じ変化形、最後に来る動詞は原型の語尾がとれて“t”がつき、前には“ge”が付きます(kaufen⇒gekauft)。

ただし前後につく“ge”と“t”は規則動詞の場合だけ。
ドイツ語には大量の、そしていろいろな種類の不規則動詞があります。
後に詳しく見ていきましょう。不規則動詞は丸暗記の必要があります。

また、動詞によってhabenついたりseinがついたりします。

kaufenにはhabenがつきましたが、たとえばgehen(行く)にはseinがつきます。

Ich bin nach Hause gegangen.
(私は家に帰った。)

※gehenは不規則動詞。

どの動詞でどっちを使うのか、に関しても後に詳しく。
この2択は丸覚えではなく、だいたいの検討をつけることができるのでご安心を。

ここでは基本的な形と動詞の位置についてだけ覚えておいてください。

現在完了形を詳しく勉強する。

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過去形「~した」のつくりかた:動詞の語幹 + “t” + 現在人称変化形・動詞の位置は2番目。

Ich kaufte eine Kleidung.
(私は服を買った。)

小説の中などで出てくるような表現です。
動詞の位置が変わらず、現在形と似ているので紛らわしいですが、よく見ると語幹のあとに“t”が入っています。

二人称単数の場合だとdu kaufst(現在形)⇒du kauftest(過去形)になります。
しかし、三人称単数は一人称単数と同じ形になることが注意!
er kauft(現在形)⇒er kaufte(過去形)※kaufttにはならない。

そして当然、上の変化は規則動詞です。不規則動詞は独特の変化をします。

ここでは書き言葉の過去形は変化形があり、動詞は2番目に来る。のみを知れば十分です。

過去形を詳しく勉強する。

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過去完了形「~していた」のつくりかた:補助動詞の過去形hatte/war+ge(動詞の語幹)tです。補助動詞は2番目、動詞は最後。

Sie hatte sehr lange geübt, bevor sie das Stück so gut spielen konnte.
(この曲がよく弾けるようになるまで彼女は長い間練習していた。)

過去進行形は「彼女は長い間練習していた。」という一文だけでは使えません。
必ず「~の後に+過去進行形の文」であったり、「~の前に+過去進行形の文」という2文以上で出てきます。

過去の一定期間にその状態を継続していた、というだけの場合はドイツ語は現在完了形で表します。

Ich habe früher in Deutschland gewohnt.
(私は昔ドイツに住んでいました。)

※日本語では過去進行形になりますが、ドイツ語では現在完了になる。

過去完了形を詳しく勉強する。

 

 

3.「未来」の表現(2つ)

ドイツ語の未来の表現は一つめ(未来1)が「~するつもりだ」といった予定と、「~するでしょう」という推測の意味で使われます。
二つ目(未来2)が未来完了「~したはずだ」。

未来完了形は日常会話で耳にすることはありません。
学術論文の中で時々見かける程度なので、読んで理解できるだけで事足ります。

未来形のつくりかた:補助動詞werden + 動詞の不定形。動詞は最後。

Ich werde in den Ferien in Europa reisen.
(その長期休暇にヨーロッパ旅行にいくつもりです。)

※ドイツ語では比較的大きな予定、また意志をもって決意した予定のみが未来形で表されます(たとえば結婚、移住、大きな試験など)。
「明日買い物に行くつもり」といった小さな未来の予定はは現在形(Ich gehe morgen einkaufen)になります。

もう一つ「~するんじゃないか」という推量でも未来形を使います。

Es wird bald regnen.
(もうすぐ雨が降りそうだ。)

推量の場合は小さなことでも未来形が使えます。
雲で覆われた空を見上げたとき、この表現はよく使われます。

未来形1を詳しく勉強する。

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未来完了形のつくりかた:補助動詞werden + ge(動詞の語幹)t + haben/sein
※最後のhaben/seinは人称変化しません。人称変化するのは2番目の補助動詞だけ。

Ich werde bis Montag meine Hausaufgabe gemacht haben.
(私は月曜日までには宿題を終えてるはずです。)

今現在の時点では宿題を終えていないので、未来の話になります。
未来のある時点で高確率で終えている事を表したいときに未来完了が使われます。

Er wird sicher nach Hause gekommen sein.
(彼は間違いなく家に着いただろう。)

未来完了にもhabenかseinの2択があります。現在完了と同じです。

※例文のような表現は会話ではされません。
会話では「ほぼほぼ」という副詞を現在完了形と一緒に使って
er ist höchstwahrscheinlich schon nach Hause gekommen.
と表現したり、「私は~と思う」と現在形を一緒に使ったりします。
Ich glaube, er ist schon zu Hause.

未来完了形を詳しく勉強する。

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まとめ☆

日常生活において使われる時制は、ほとんどが現在形か現在完了形である。

書き言葉のみで使われるのは過去形と未来完了。

未来形は推測の意味でよく使われる。

次からそれぞれの時制の中身を詳しく勉強します。

動画解説はこちら↓

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