【補助動詞】2つの顔を持つ重要動詞 sein, haben, werden【ドイツ語文法24】


ドイツ語基礎文法一覧

3つの動詞 sein, haben, werdenには本動詞補助動詞という2つの顔があります。

本動詞というのは意味をもち、独立して使える動詞(食べる、行く、寝る、、など)。
補助動詞は意味を持たず、文法的な機能のみをもつ動詞です。

本動詞としてのsein, haben, werdenは

・sein=~である/~にいる

・haben=持っている/~がいる・ある

・werden=~になる

という、1語で使える独立した意味を持っています。
以下のような文です。

Ich bin zu Hause.
(私は家にいる。)

Ich habe viele Freunde.
(私は友達がたくさんいる。)

Ich werde später mal Schauspieler.
(僕はいつか俳優になる。)

もちろん過去形になっても

Ich war zu Hause.
(私は家にいた。)

Ich hatte damals viele Freunde.
(私は当時たくさん友達がいた。)

Ich wurde Schauspieler.
(僕は俳優になった。)

ちゃんと意味を持っていますね。これが本動詞としての使い方です。

しかし現在完了形、過去完了形、未来形で文の2番目に出てくるsein, haben, werdenは、補助動詞としての働きをします。

Ich bin zu Hause gewesen.
Ich war zu Hause gewesen.
(私は家にいた。)

Ich habe damals viele Freunde gehabt.
Ich hatte damals viele Freunde gehabt.
(私は当時たくさん友達がいた。)

Ich bin Schauspieler geworden.
Ich war Schauspieler geworden.
(僕は俳優になった。)

Ich werde Schauspieler werden.
(僕は俳優になるつもりだ。)
In fünf Jahren werde ich ein bekannter Schauspieler gewesen sein.
(5年後には僕は有名な俳優になっているだろう。)

これらは同じ動詞が2度、形を変えて(現在形/過去形と過去分詞形)入っている文です。日本語では到底考えられませんが、ドイツ語では普通の文です。
緑が本動詞、青が補助動詞として使われています。

青のsein, haben, werdenは、文の意味には影響を与えず、時制を決定する文法的な機能のみを果たしています。これが補助動詞としての機能です。

補助動詞としてのsein, habenは現在完了形と過去完了形で使われ、補助動詞としてのwerdenは未来形と受動態で使われます。未来完了のように一文に2度の補助動詞が出てくることもあります。

また補助動詞は、本動詞の『補助』としての働きしかしないので、文の中で唯一の動詞、または述語としては使えません。必ず本動詞とセットで出てきます。

文の中で唯一の動詞としてsein, haben, werdenが出てきた場合は、本動詞としてです。

―――――――――――――

それではもう一度、それぞれの語を復習と予習もかねて詳しく見ていきましょう。
sein, haben, werdenの変化表一覧はこちら

 

seinの使い方

・本動詞としてのsein(~である)

sein+名詞
seinの後は一格(主語+述語)
例)Ich bin Student.
(私は学生です。)

sein+形容詞
例)Er ist nett.
(彼は優しい。)

・補助動詞としてのsein

過去の表現:
sein+過去分詞:
例)Ich bin nach Berlin gefahren.
(私はベルリンに行った。)

受動態の過去の表現
例)Das Haus ist renoviert worden.
(この家はリフォームされた。)

状態受動としての表現
例)Die Tür ist geschlossen.
(ドアは閉まっている。)

 

habenの使い方

・本動詞としてのhaben(~を持っている/~がある・いる)

haben +名詞(四格)
例)Ich habe Durst.
(のどが渇いた。直訳:のどの渇きを持っている。)

※haben+名詞は、よくsein+形容詞と混同される。
=Ich bin durstig.

・補助動詞としてのhaben

過去の表現:
haben +過去分詞
例)Ich habe sie mit ihrer Schwester verwechselt.
(私は彼女を、彼女の姉と間違えた。)

 

werdenの使い方

・本動詞としてのwerden(~になる)

werden +名詞
werdenのあとは一格(主語+述語)
例)Er wird Arzt.
(彼は医者になる)

werden+形容詞
形容詞は比較級の形で。
例)Die Fernseher werden immer dünner.
(テレビはだんだん薄くなっていく。)

・補助動詞としてのwerden

未来の表現
例)Wir werden bald einen neuen Fernsehr kaufen.
(私たちはもうすぐ新しいテレビを買います。)

受動態の現在形としての表現
例)Das Haus wird renoviert.
(この家はリフォームされる。)

受動態の過去形の表現
例)Das Haus wurde renoviert.
(この家はリフォームされた。)

受動態の現在完了形の表現
例)das Haus ist renoviert worden.
(この家はリフォームされた。)

※受動態の現在完了形に注意!gewordenではなくwordenと形がかわる。

 

動画解説はこちら↓

前の文法へ【ドイツ語文法23】
次の文法へ【ドイツ語文法25】
ドイツ語文法の一覧へ
ドイツ語独学トップページへ


1 コメント

 

XHTML: タグをつける: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>