「間違える」のいろいろな言い方【ドイツ語表現】
「聞き間違える」
「計算間違いをする」
「電話をかけ間違える」
「人を間違える」
「日にちを間違える」
人間は日常でしょっちゅういろいろなことを間違えています。
間違えることは全く悪い事ではなく、むしろ愛嬌があって人間らしいと私は思います。
ここではドイツ語の「間違える」の使い方を一部紹介します。
バリエーションがかなりたくさんありますので、いかに人間が間違いをしでかしているかの証拠でもあります。
今回は「間違える」という表現をネガティブにとらえず、人間は間違うものとして温かい目で見守りながら勉強していきたいと思います。
簡単に使える表現から順に基礎的なパターンをいくつか紹介します。
レベル1
falsch+動詞
falschは形容詞で「間違い」という意味richtig(正しい)の反対です。
Der Satz ist falsch.というと「この文は間違ってる」のように使えます。
ここではfalschは変化せず、副詞的に使われています。
(詳しい形容詞の使い方はこちら)
例文↓
1.falsch+verstehen
Habe ich dich falsch verstanden?
2.falsch+aussprechen
Ich habe das Wort falsch ausgesprochen.
3.falsch+schreiben
Ich habe hier einen Buchstaben falsch geschrieben.
4.falsch+wählen
Du hast die Nummer falsch gewählt.
5.falsch+antworten
Du hast falsch geantwortet.
6.falsch+rechnen
Ich habe falsch gerechnet.
7.falsch+machen
Perfektionisten können nichts falsch machen.
日本語訳(意訳)
1.間違えて理解した?
2.その単語を間違えて発音してしまった。
3.ここ一文字書き間違えた。
4.間違った番号にかけてしまった。
5.答えを間違えた。
6.計算間違えた。
7.完璧主義者はミスができない。
ちなみに「間違い」というとder Fehlerという単語を最初に思い浮かべる人も多いかもしれません。
が、Fehlerは名詞、falschは形容詞なので意味は同じと言えども機能が違います。
Fehlerを使うのであれば、名詞の使い方をしましょう。
たとえば「私はミスをした」と言いたいのであればIch habe einen Fehler gemacht.です。でもIch habe falsch gemacht.は間違いです。
☆☆
レベル2
sich+ver動詞
sichがつく動詞は再帰動詞と言います。
この表現のsichは四格、非分離動詞です。
これに当てはまる動詞は非常に限られているため、すべての動詞にverをつけたり、verがついている再帰動詞を容易に「~し間違う」と訳すことはあまり賢くありません。
主にこれらの動詞には使うことができます↓
読み間違える:sich verlesen
Ich habe mich verlesen.
聴き間違える:sich verhören
Ich habe mich verhört.
言い間違える:sich versprechen
Ich habe mich versprochen.
書き間違える:sich verschreiben
Ich habe mich verschrieben.
見間違える:sich versehen
Ich habe mich versehen.
計算し間違える:sich verrechnen
Ich habe mich verrechnet.
打ち間違える:sich vertippen
Ich habe mich vertippt.
クリックし間違える:sich verklicken
Ich habe mich verklickt.
falsch+動詞とかぶっているものもかなり多いです。
基本的にはどちらにも使えるものが多いですね。勉強系の動詞とか。
確かにfalsch+動詞とsich ver動詞はどちらも「~し間違う」という意味がありますが、少しニュアンスには違いがあります。
falsch+動詞のほうは、勘違いしていた、つまりそれが正しいと思ってしていた結果間違っていたというニュアンスがあります。
つまり、ドイツ語のある単語のスペルを勘違いして覚えていて、それを書いてしまって指摘されたとき
Ich habe es falsch geschrieben.
がふさわしく、
正しいスペルを知っているにもかかわらず「うっかり」書き間違えてしまった場合には
Ich habe mich verschrieben.
がニュアンス的にふさわしいです。
だから語学の学習の時は間違って記憶することも多いですから、falschバージョンをよく使うかもしれませんね。
また、先ほども言いましたがこの文法が使える使えないは意味ではなく、動詞で覚えるといいと思います。
たとえば「話し間違える(sprechen)」
は、sich versprechenが上の例文に出てきました。
じゃあ「言い間違える(sagen)」
はsich versagenかというとそうではありません。
versagenそのものにはそもそも「言う」じゃなくて、まったく別の意味があります。versagenは難しい動詞です。
書いてあるとおり、sich(四格) versprechenだけが「話し間違う」という意味です。
このように使えない動詞のほうが圧倒的に多いため、使える動詞を正しく覚えましょう。
そしてあまり応用のきかない表現であるため、そのまま例文を覚えてもいいかもしれません。
また間違えた内容を言いたい時は、レベル1で紹介した言い方のほうが一般的ですが、レベル2でも言えないことはありません。
bei Dをつけることができます。
Ich habe mich beim Satz verschrieben.
と言った感じです。
が、この文法は私が間違えたこと自体を強調する言い方であるため、内容を付け足していうことは滅多にありません。
☆☆
さらなるこのパターンで使える動詞の例文↓
道を間違える(迷う)
sich verlaufen/sich verfahren
1)Wir haben uns verlaufen.
2)Ohne Navi verfahre ich mich immer.
☆☆
変なとこに入った(誤嚥する)
sich verschlucken
3)Ich habe mich verschluckt.
☆☆
ミスタッチする(楽器)
sich verspielen
4)Ich verspielt mich immer, wenn ich die Etüden von Chopin übe.
☆☆
電話をかけ間違える
sich verwählen
5)Entschuldigung, da habe ich mich verwählt.
訳↓
1)道に迷った(歩いていて)
2)ナビなしではいつも迷ってしまう(車の運転中)
3)誤嚥した。
4)ショパンのエチュード弾いたらいつもミスタッチしてしまう。
5)すみません、かけ間違えました。
☆☆
レベル3
名詞+間違える
レベル1と2では、聴き間違えたり、かけ間違えたり、動詞+間違えるという表現でした。
今回はたとえば
「日にちを間違える」
「家を間違える」
「人を間違える」
などなんらかの名詞を間違える時に使うものです。
今回は3つの動詞を紹介します。
(A=四格、D=三格)
A verwechseln
sich irren
sich vertun
日常でも使えそうな「日時を間違える・勘違いする」の例文です。
Ich habe die Uhrzeit verwechselt.
Ich habe mich in der Uhrzeit geirrt.
Ich habe mich in der Uhrzeit vertan.
この文は3つとも同じ意味で
「時間(=die Uhrzeit)を間違えた!」です。
日にちであればdas Datum、曜日であればder Wochentagをふさわしい格にして入れます。
sich irren とsich vertunは文法も意味も同じですが、sich vertunは口語のみで使われます。
でもどうしても一文にする必要もありません。
「あ、間違ってた、〇〇じゃなくて〇〇だった」のような言い方はよく日常会話であります。
Ich habe den Wochentag verwechselt. Der Termin war am Samstag, nicht am Sonntag.
=曜日を勘違いしていた!予約は日曜じゃなくて土曜日だった。
Ich habe mich geirrt. Der Termin war um 16 Uhr, nicht 17 Uhr.
=勘違いしてた。予約は17時じゃなくて16時だった。
Der Termin war um 16 Uhr, wenn ich mich nicht irre.
=勘違いしてなかったら予約は16時だったはず。
また日時だけではなく、物を間違えたときも同じように使えます。
Ich habe mich im Haus geirrt.
=家を間違えてしまった。
Ich habe mich im Regenschirm geirrt.
=傘を間違えた。(自分の傘を他の傘と)
ただ、「人を間違える」時はverwechselnのみが使えます。
Ich habe ihn mit meinem Bruder verwechselt.
=あの人を兄と間違えた。
この場合は×Ich habe mich im Bruder geirrt.は言いません。
☆☆
まとめ
「~し間違える」という動作を間違えた場合、
1)falsch+動詞
2)sich+ver動詞
の2つ
「~を~と間違える」という名詞を取り違えた、または勘違いした場合、
A mit D verwechseln
sich in D verirren
sich in D vertun(口語)
の3つ
を紹介しました。
ここで紹介したのはほんの一部で、他にも表現はたくさんあります。
たとえば人を間違えた場合は、halten für Aを使うこともできましたね。
詳しくはこちらの動画、またはこちらのブログ記事の中を探してみてくださいね。。
☆☆
耳で学びたい人はこちらに動画解説があります。↓
5月のある日の昼ご飯。お庭で☆
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