【ドイツ語文法5】名詞の格変化と冠詞


名詞の性名詞の複数形に続き、第三回目の名詞の勉強はいよいよ実践に入ります。覚えた名詞をどのように使えばいいのか、という最初の第一歩です。

名詞の文法は、東アジアの言語を母語に持つ人たちにとって大きな壁です。

複雑に感じるのは、一つはドイツ語に3つも性があるせい。まずそのことがとんでもなく名詞の文法を複雑にしています。

そしてもう一つの壁が冠詞の理解。ドイツ語の名詞の前にはほぼ必ず冠詞をつけなければいけないというルールがあります。
名詞の前に何もつけなくてもいい私たちの言語からは、置き換えて考えることができません。

しかし簡単に使えないのはあなたのせいではありません。

冠詞の理解には、韓国人も中国人もみんな苦労しています。

動詞の現在人称変化が理解できた上に今回の名詞の使い方が理解できると、使える表現がぐっとぐっと広がります!
かなり会話のバリエーションも広がるはず!それでは腹をくくっていきましょう。

 

1.ドイツ語の冠詞と格とは何か?

名詞には3種類の性と複数形、つまり4つの形があることをここまでで学びました。

さらに、それぞれの名詞の前にder(男性名詞)、die(女性名詞)、das(中性名詞)、die(複数名詞)をつけることも知りました。
このように名詞の前につくものを「冠詞=der Artikel」といいます。

ドイツ語は基本的に「冠詞+名詞」で出てきます。
つまり冠詞をマスターすることによって正しく名詞をつかえることができるのです。

英語でも名詞の前に “the” や “a” などが付きますね。これは英語の冠詞です。
ドイツ語にもいくつかの冠詞の種類があります。
der, die, das, dieは冠詞の一つであり、最も頻繁に使われています。

ドイツ語のder, die, das, die は英語でいう“the”にあたります。
これを「定冠詞=Bestimmter Artikel」といいます。
英語なら1種類ですむところをドイツ語では名詞の性のせいで4種類あるというわけ。

それだけでも英語の4倍覚えることが多くなるのですが、ドイツ語の冠詞はさらに用途にあわせて4種類に変化します。

 

2.定冠詞と不定冠詞

そもそもドイツ語の冠詞って何種類あるの?

5種類です。

ここではまず、最もよく出てくる定冠詞と不定冠詞の2つを覚えます。

名詞の性を覚える際にすでに出てきた定冠詞(Bestimmter Artikel)のほかに、その対義語にあたる不定冠詞(Unbestimmter Artikel)があります。英語でいう“a”ですね。一般的には定冠詞=その、不定冠詞=一つの、と訳されますが、この使い分けはとても複雑で難しい。

さらに、定冠詞は複数形にも使えますが、不定冠詞は単数形にしか使えません。

定冠詞と不定冠詞の使い方はこの記事に詳しく書いてあります。

軽く触れておくと

これは村上春樹の本だ。 =  Das ist das Buch von Haruki Murakami.

というように、対象物がはっきりしている時は定冠詞。

逆に不定冠詞とは

ここに本がある。= Es gibt hier ein Buch.

何の本かはっきりしないけど、とにかくここに一冊本があるんだ。または題名は重要じゃなく、本がここに一冊あることを強調するというニュアンスのときに不定冠詞を使います。別の記事を読むともっときっちり理解できるはず。

 

3.4種類の格(Kasus)を学ぶ

それでは4種類の名詞の使い方を定冠詞と不定冠詞とともに学んでいきます。

これを4つのKasus(格)」といい、
Kasusが4種類に変化することを「格変化=Deklination」といいます。

そしてDeklinationつまり格変化を使いこなすには、各単数名詞の性と名詞の複数形を知っていることが必須になります。
どのように使うのか、例文とともに見ていきましょう。

以下、男性名詞女性名詞中性名詞複数名詞を色でわけます。

Nominativ(一格)

主語になるもの。「~は」または「~が」。

定冠詞の例:

Der Schüler liest. = (男子)生徒は読んでいる。
Die Schülerin liest. = (女)生徒は読んでいる。
Das Kind spielt. = 子供は遊んでいる。
Die Kinder spielen. = 子供たちは遊んでいる。

不定冠詞の例:

Ein Mann sitzt da. = ある男性がそこに座っている。
Eine Frau geht einkaufen. = ある女性が買い物に行く。
Ein Fahrrad steht auf der Straße. = ある自転車が道路に置いてある。

Genitiv(二格)

日本語の「の」にあたるもの。しかしドイツ語は順番が違うので注意。たとえば「父の本」はドイツ語では「本 父の」となる。

Das Buch des Vaters. = 父親の本。
Das Buch der Mutter. = 母親の本。
Das Buch des Kindes. = 子供の本。
Das Buch der Schülern. = 生徒たちの本。

Der Stift eines Mannes. = ある男性のペン。
Der Stift einer Frau. = ある女性のペン。
Der Stift eines Mädchens. = ある少女のペン


Dativ(三格)

日本語の「に」にあたる。

Der Stift gehört dem Schüler. = そのペンはその生徒のものだ。(直訳は「~属する」)
Der Stift gehört der Lehrerin. = そのペンはその(女性の)先生のものだ。
Der Stift gehört dem Kind. = そのペンはその子供のものだ。
Der Stift gehört den Eltern. = そのペンは両親のものだ。

Ich helfe einem alten Mann. = 私はあるおじいさんを助ける
Ich helfe einer alten Frau. = 私はあるおばあさんを助ける
Ich helfe einem Kind. = 私はある子供を助ける


Akkusativ(四格)

日本語の「を」にあたる。目的格ともいう。

Der Vater isst den Apfel. = 父はそのりんごを食べる。
Der Vater isst die Banane. = 父はそのバナナを食べる。
Die Mutter isst das Eis. = 母はそのアイスを食べる。
Die Mutter ist die Bananen. = 母はそのバナナ(2つ以上)を食べる。

Der Vater isst einen Apfel. = 父はりんごをひとつ食べる。
Die Mutter isst eine Banane. = 母はバナナを一本食べる。
Das Kind isst einen Kuchen. = 子供はケーキをひとつ食べる。

 

4.定冠詞の格変化

表にまとめてみましょう。

Kasus(格)maskulinfemininneutralPlural
Nominativ(一格)derdiedasdie
Genitiv(二格)des    -sderdes    -sder
Dativ(三格)demderdemden     -n
Akkusativ(四格)dendiedasdie

わかりやすく名詞を入れます。

Kasus(格)maskulin
(男性)
feminin
(女性)
neutral
(中性)
Plural
(複数)
Nominativ(一格)der Manndie Fraudas Kinddie Leute
Genitiv(二格)des Mannesder Fraudes Kindesder Leute
Dativ(三格)dem Mannder Fraudem Kindden Leuten
Akkusativ(四格)den Manndie Fraudas Kinddie Leute

男性名詞、中性名詞のGenitivと複数名詞のDativは前だけでなく、語尾にもつくので忘れないよう注意です!

 

5.不定冠詞の格変化

Kasusmaskulinfemininneutral
Nominativeineineein
Genitiveines       -seinereines      -s
Dativeinemeinereinem
Akkusativeineneineein

名詞を入れます。

Kasusmaskulinfemininneutral
Nominativein Manneine Frauein Kind
Genitiveines Manneseiner Fraueines Kindes
Dativeinem Manneiner Fraueinem Kind
Akkusativeinen Manneine Frauein Kind

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名詞の格変化についての解説動画はこちらです。