【基礎ドイツ語】基本動詞sehenの使い方と日本語の「見る」との違い【間違えやすい表現】


動詞“sehen”(見る)はドイツ語をはじめてかなり最初のほうに出てくる基本的な動詞でしょう。

しかし日本語の見る=sehenと直訳で覚えてそのまま使ってしまうと数々の誤りが出ます。

確かに“sehen”も「見る」も目で認識するという意味では同じです。しかしドイツ語の「見る」の認識と日本語の「見る」の認識にはけっこうな差があります。日本語だと当然すぎて頭にもよぎらないような区別がドイツ語にはあります。

日本語とドイツ語の「見る」は大きく分けて2つの異なる点があります。

まず1つめ。ドイツ語には「見る」と「見える」の区別がないこと。日本語だと自動詞と他動詞という使い方の違いがありますよね。「私は~を見る」と「~が見える」です。意味的には前者は意図的に見る、後者は偶然見えるという違いを文法ではっきりとつけています。しかしドイツ語はどちらもsehen+四格です。ドイツ語ではその違いは重要ではないのです。

そして2つめ。

「何を見る」と「どこを見る」を区別すること

言い換えれば対象物そのものの形を見るのか、対象物の機能を見るのか、の違いです。

たとえばドイツ語は「鏡(の形)を見る」と「鏡(の中の自分)を見る」とで言い方を変えなければなりません。前者はsehen+四格、後者はsehen+場所の前置詞です。

鏡には自分の姿を見るという機能がありますね。

日本語だと同じ言い方でも前後のニュアンスではっきりとどっちなのか理解できるところです。それをドイツ語はわざわざ文法を変えて区別するのです。

例)

・Ich sehe den Spiegel.
=私は鏡(そのものの形)を見る。

・Ich sehe in den Spiegel.
=私は鏡(の中の自分の姿)を見る。

これは日本語母語者には非常に理解しにくいことだと思います。

もう一度、日本語とドイツ語の「見る」の違いを視覚化してみましょう。

日本語他動詞自動詞
見る~を見る(意図的に)~が見える(偶然)

 

ドイツ語sehen+四格sehen+場所の前置詞
sehen(対象物)を見る/が見える(場所)を見る
Ich sehe die Uhr.
私は時計(の形)を見る。
Ich sehe auf die Uhr.
私は時計(の時刻)を見る。

もともとドイツ語は場所の前置詞を非常に細かく使う言語ですよね。

日本語だと

「テーブルにスマホを置く」
「椅子にすわる」
「壁に絵をかける」

など全部「に」で済ませられるところをドイツ語は

「テーブルの上にスマホを置く」
「椅子の上に座る」
「壁のすぐ横に絵をかける」

といった具体的な場所を必ず言わなければなりません。

これがsehenでも同じなのです。見ている具体的な場所を言わなければならないのです。

たとえば日本語で

「卵まだあったか冷蔵庫を見てくれる?」

と言われたときに「冷蔵庫の形を見るの?それとも冷蔵庫の中をみるの?」なんて聞きなおす人は通常いません。冷蔵庫を開けて中を見るのだと当たり前のように認識します。

しかしドイツ語はそうはいかないのです。冷蔵庫そのものを見るのか、中を見るのかが文法によって分かれているわけです。

「冷蔵庫の中を開けて見る」は
Ich sehe in den Kühlschrank.

「冷蔵庫の形を見る」は
Ich sehe den Kühlschrank.

です。冷蔵庫だけでなく、他の対象物でも同じように考えます。なので常にその対象物の形を見ているのか、その対象物の機能を見ているのか、使い分けましょう。

そして、対象物によってどの前置詞を使うのかも違ってくるので場所の前置詞を理解していることが前提です。

時計を見るならauf die Uhr、PCなどのスクリーンもauf den Bildschirmだし、鏡だとin den Spiegel。この辺の使い方は場所の前置詞の文法で学んでくださいね。

場所の前置詞(1)
場所の前置詞(2)

の文法解説は読んで理解しておきましょう。

それではどんな対象物が動詞+場所の前置詞で表現されるのでしょうか。

基本的に観賞用でないすべての対象物に対し使えます。鏡や時計は日常生活でよく使う代表格でしょう。鏡や時計は日常的にその機能を見るからです。

・Kannst du auf die Uhr sehen?
=時計(時間)を見てくれる?

・Sie sieht morgens lange in den Spiegel.
=彼女は毎朝長い間鏡を見ている。

・Die Dame sieht aus dem Fenster auf die Straße.
=その奥様は窓から外の様子を眺めている。

・Kannst du im Kühlschrank sehen, ob es noch die Cola gibt?
=まだコーラがあるか冷蔵庫見てくれる?

最後の例im Kühlschrankが三格になっているのは冷蔵庫の中を直接パッと見るのではなく、コーラがどこにあるか探すからです。たんに「冷蔵庫を見る」だけだと四格のin den Kühlschrankが一般的です。

また「上を見る」などの方向を見るときは前置詞nachと一緒に使います。

・Man sieht nach oben.
=上を見る

・Man sieht nach unten.
=下を見る

・Man sieht nach rechts.
=右を見る

・Man sieht nach links.
=左を見る

 

逆に対象物そのものを見るときは日本語と同じようにsehen+四格です。

・Du musst den Sonnenuntergang hier sehen!
=君ここで日の入りを見なきゃ!

・Ich habe noch nie einen echten Mondgestein.
=私はまだ本物の月の石を見たことがない。

・Ich möchte gern die Wohnung sehen.
=お部屋を拝見したいのですが。

「~が見える」の表現も同じくsehen+四格です。

・Siehst du das Eichhörnchen dort?
=あそこにリスが見える?

・Ich sehe aus dem Fenster den Fuji.
=窓から富士山が見えるよ。

・Wir sehen keine Möglichkeit.
=私たちは可能性が見えない。

・Gestern habe ich dich an der Uni gesehen.
=昨日君を大学で見かけたよ。

「偶然見える」と「意思をもって見る」の表現はドイツ語では区別がありません。ちなみに「可能性が見えない」「将来が見えない」といった抽象的な事柄にも使えます。

また人を偶然「見かけた」ときにも使えます。

 

しかし「テレビを見る」という表現は例外です。論理的に考えるならばテレビ(対象物)とテレビ(に流れている番組)を見るの2つに分けることができ、通常のテレビを見る=sehen+前置詞で表されるはずです。

しかし実際はこうなります。

Ich sehe Fernsehen./TV.

または

Ich sehe fern.

Ich sehe fernのほうは分離動詞(fernsehen=テレビを見る)があるのでテレビという名詞をつける必要がないのですね。

Ich sehe Fernsehenはなぜそうなるのかわかりませんがなぜかゼロ冠詞でFernsehenという語がつきます。

ちなみにテレビはder Fernseherといい、「テレビを買った」などというときはIch habe einen Fernseher gekauft.といいます。

しかし「映画・ドラマを見る」と言うときはsehen+四格でそのまま使えます。

・Ich sehe einen Film.

・Ich sehe die Serie.

・Ich sehe den Anime.

こんな感じですね。定冠詞と不定冠詞の意味の違いさえ正しく言えば問題のない表現ですね。

 

また最後に「人に会う」ときもsehenを使うことがあります。treffenと同じ使い方でもあります。

・Wir sehen uns später.
=また後でね。

・Wo seht ihr euch morgen?
=明日君たちどこで会うの?

・Ich habe ihn schon lange nicht gesehen.
=もう長いこと彼に会ってないなぁ。

「私たちは会う」というときは主語とおなじ人称代名詞を四格にした形で、「私は(人)に会う」は「(人)を偶然見かける」と同じ文法です。しかし最後の例のように偶然見かけるだけでなく、「長いこと見てないなぁ(会ってないなぁ)」といった表現でも使えます。

 

それでは最後にsehenの変化形の表を確認して終わりましょう。sehenは不規則変化をする動詞です。

sehen現在形過去形現在完了形
ichsehesahhabe gesehen
dusiehstsahsthast gesehen
er, sie, essiehtsahhat gesehen
wirsehensahenhaben gesehen
ihrsehtsahthabt gesehen
siesehensahenhaben gesehen

他の基本動詞も一つ一つ丁寧に使い方を解説しています。

いまのうちに使い方や意味をマスターしておけばあとあと実力になりますよ!動詞の勉強は丁寧に。

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