時間の副詞 -Temporale Adverbien【ドイツ語文法52】


ドイツ語文法副詞シリーズのつづきです。

前の文法はこちら。

ここでは時間の副詞を勉強していきたいと思います。

 

まずちょっと復習。ドイツ語の副詞(Adverbien)とは

・小文字で書く。

例:hinten=後ろ。名詞のようにHintenと書かない。

 

・形が変化しない。

例:hintenerとかhintenestにならない。いつもhinten。

 

・格もない。

例:女性名詞一格だからhinteneとか中性名詞四格だからhintenesとか一切ない。

 

・文法に影響しない。

例:Er sitzt hinten am Tisch.この文にhintenがあってもなくても全く問題なし→Er sitzt am Tisch.

使いやすい品詞です。

 

今回取り上げる時間を表す副詞はいつも同様数えきれないほどにありますので、全部出すのは不可能です。

ここでは日常や教科書でよく出て来るものを厳選していますが、それでもかなり多いです。

無理せずによく使いそうなものをそれぞれ選んでくださいね。

それではドイツ語の時間の副詞を大量に見ていきたいと思います。

 

過去・現在・未来

過去を表す副詞例

gestern(昨日)

vorgestern(おととい)

vorhin(今さっき)

vorher(その前)

daher(その前)

früher(以前)

damals(当時)

gerade(たった今)

など。

 

現在を表す副詞例

heute(今日)

heutzutage(こんにち)

momentan(目下のところ)

zurzeit(目下のところ)

jetzt(今)

nun(今)

gleich(すぐに)

gerade(~しているところ)

など。

 

未来を表す副詞例

morgen(明日)

übermorgen(明後日)

bald(じきに)

demnächst(もうすぐ)

nachher(後で)

später(後で)

künftig(未来に)

など。

ちなみに過去・現在・未来というのは文法の時制の話ではありません。

時制を表す副詞」とは書いていないので注意です。現在の副詞は現在形でしか使えない、ということではありません。

あくまで今紹介した副詞は「過去、現在、未来の意味をもつ副詞」です。

 

たとえば、geradeは過去にも現在にも入っていますが、

Ich lerne gerade Deutsch.(今ドイツ語を勉強してるとこ。)

Ich habe gerade Deutsch gelernt.(さっきドイツ語勉強した。)

というように時制によって意味がかわるような副詞もあります。

 

また意味やニュアンスの微妙な違いもそれぞれの副詞にあったりします。

文法は簡単だけど、意味によって時制が変わったりするところは結構大事。

vorhinとvorherの違いなどを解説したページはまさにそれです。vorhinは過去の形でしか使えないが、vorherはそうではありません。

詳しくはこちらを見てみてください。↓

副詞 vorhin vs. vorher【ドイツ語表現】

 

 

それでは実際の文にどのように入れていけばいいのか見てみましょう。

たとえば「最近地震いつあった?」という質問に答えてみましょう。

地震=das Erdbeben

Vorgestern gab es ein Erdbeben.

Gestern gab es ein Erdbeben.

Heute gab es ein Erdbeben.

Vorhin gab es ein Erdbeben.

Gerade gab es ein Erdbeben.

Zurzeit gibt es kein Erdbeben, aber früher gab es das sehr oft.

今回は「いつ?」と訊かれていてそれに答えているのが副詞なため、一番最初に入れるのがふさわしいです。

が、主語と交代して主語が最初、副詞が三番目に来ることもよくあります。

例)Es gab vorgestern ein Erdbeben.

 

こんな感じで「最近いつ地震あった?」に答えたのですが、なんか物足りません。

今日とかたった今地震があったは言えたけど、朝とか夜中とかもいるんちゃん?「朝に地震があった」とかなんていうねん?

というのが次のお題↓

 

 

前置詞と副詞

たとえば「午前中に地震があってん」って言いたい。

午前中の言い方は以前、時間の前置詞という文法で勉強しました。文法シリーズ32です。

時間の前置詞(1)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法32】

その中でこのような表も学びました。

単語の種類 前置詞
時刻 um um halb neun(8時半に)
一日 am am Nachmittag(午後に)
am am Mittwoch(水曜日に)
日付 am am 9. Juli(7月9日に)
im im Januar(1月に)
季節 im im Herbst(秋に)
年、世紀 im im 20. Jahrhundert(20世紀に)

時刻だとum、週ならamのように前置詞が変わりますよっていうものですね。

なのでさっきの話に戻りますが「午前中に地震があってん」やったら

Am Vormittag gab es ein Erdbeben.

と前置詞+名詞で言うことができます。

同様に「5時に地震があってん」であれば

Um fünf Uhr gab es ein Erdbeben.

ですね。

 

なのですがこの表の色がついた部分がですね、

単語の種類 前置詞
時刻 um um halb neun(8時半に)
一日 am am Nachmittag(午後に)
am am Mittwoch(水曜日に)
日付 am am 9. Juli(7月9日に)
im im Januar(1月に)
季節 im im Herbst(秋に)
年、世紀 im im 20. Jahrhundert(20世紀に)

この黄色い部分は副詞に置き換えることもできるんです。黄色い部分だけ。他のところは副詞バージョンがありません。

こうなります↓

am Morgen(朝に)→ morgens

am Vormittag(午前に)→ vormittags

am Mittag(正午に)→ mittags

am Nachmittag(午後に)→ nachmittags

am Abend(夜に)→ abends

in der Nacht(夜中に)→ nachts

am Montag(月曜に)→ montags

am Dienstag(火曜に)→ dienstags

am Mittwoch(水曜に)→ mittwochs

am Donnerstag(木曜に)→ donnerstags

am Freitag(金曜に)→ freitags

am Samstag(土曜に)→ samstags

am Sonntag(日曜に)→ sonntags

am Wochenende(週末に)→wochenends

an Werktagen(平日に)→werktags

 

もう一度副詞だけ取ってみると

morgens
vormittags
mittags
nachmittags
abends
nachts
montags
dienstags
mittwochs
donnerstags
freitags
samstags
sonntags
werktags

最初を小文字にして最後にsをつけることで副詞になります。

なので「午前中に地震があった」は

Vormittags gab es ein Erdbeben.

といってもいいのです。

しかし副詞のほうは意味がこれだけではありません。2つ意味があります。

たとえば

Ich stehe samstags um 8 Uhr.

この文は「私は土曜日8時に起きる」という意味と、「私は土曜日8時に起きる」という繰り返しの意味もあります。

なのでちょっと意味には注意。

 

次。前置詞のあとは基本的に名詞か代名詞が入りますね。

しかし、例外的に前置詞のあとに副詞が来るものがあります。それも時間の副詞。

文法シリーズ32のほうでは↓

時間の前置詞(2)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法33】

流れの前置詞(1)でseit, ab, von, bisという前置詞を勉強しました。詳しくはそちらのページでご確認下さい。

前置詞だから格もあってこの前置詞は三格でこっちは四格で・・と覚えたかと思います。

しかしこのseit, ab, von, bisに関しては副詞をそのまま入れてもいい!

らく!

例文!

Seit gestern gibt es hier eine Baustelle.

昨日からここで工事してる。

 

Von vorgestern bis zum nächsten Montag gibt es Bahnstreiks.

おとついから来週の月曜までストライキがある。

 

Ab jetzt lerne ich fleißig Deutsch!

今から真面目にドイツ語勉強する!

 

Bis morgen mache ich das fertig.

明日までにこれを終わらせるぞ。

イエーイ。らく。

どんどん副詞を使っちゃおう。でも他の時間の前置詞、たとえばnachとかvorの後には副詞は入れることができません。まぁそんなにうまくもいかない。

 

 

bis+副詞

bisに時間の副詞をつけると、別れ際にいう「また〇〇」という意味になります。

たとえば

bis morgen!

また明日!

bisのあとにつける副詞によって、どれぐらい後にもう一度その相手と会う、またはコンタクトを取るのかを表すことができます。

それでは一気にいってみよう。

最後のコンタクトから次のコンタクトまでの時間が短い順番に書いています。

Bis gleich!

Bis nachher!

Bis dann!

Bis später!

Bis bald!

Bis morgen!

Bis übermorgen!

(×Bis überübermorgen)

Bis dahin!

Bis nächsten Montag!

 

Bis gleichは1分前から1時間ぐらいまででしょうか。一番短いスパンです。

たとえば会う約束をしている相手に

Ich bin gerade im Bus und komme in 10 Minuten an. Bis gleich!

今バスなんだけどあと10分ぐらいで着く。またすぐに!

みたいな時に多用してるイメージ。約束した時間の直前のメッセージなどに使いやすいです。

 

Bis nachher/Bis späterはだいぶ似ている感じ。日本語では「またあとで」でしょうか。

数時間後から一日以内です。明日になるときは使えません。

たとえば私には、水曜日の13時と16時に2回レッスンを取っている生徒さんがいます。

13時のレッスンが終わるときに私はその生徒さんにいつもBis nachherかBis späterと言います。

gleichほどすぐじゃないけど、一日以内。

 

それにたいしBis baldは日本語では「またすぐに」っていう感じかな。

でも今日中にもう一度というときは使いません。明日以降、数日以内。

私は日常ではよく義両親に使っています。

基本的には次いつ会うかはっきりと分かっていないけど、よく会う相手やよくコンタクトを取る近い相手であればbis baldを使います。

 

逆に明日会うって必ず分かっている時はbis morgen、明後日会うってわかりきっている時はbis übermorgen.

でもしあさってはもうドイツ語に存在しないので、これは3日後とか曜日に切り替えてくださいませ。Bis nächsten Samstag!また土曜日にね!みたいな。

 

最後にbis dannですが、次にコンタクトを取る時間または日にちが決定している時に使います。3時間後でも1週間後でもbis dannといいます。

 

 

 

頻度を表す副詞

Wie oft putzt du Zähne?(どんな頻度で歯磨く?)

といったwie oft…..?の質問に答える副詞リスト。

その副詞や表現を一気に勉強したあとに実際、wie oft…?の質問に答えてみましょう。

 

まず、頻度の少ないほうからです。

nie(全くない)

fast nie(ほぼない)

kaum(ほとんどない)

selten(たまに)

manchmal(時々)

oft(よく)

häufig(頻繁に)

immer(いつも)

ständig(いつも)

 

これをパーセンテージで横の表にしてみると

nieはゼロパーセント。

また50%ぐらいのところにはmanchmal(時々)がいます。

そしてoftとhäufigは似た単語。だいたい同じ意味。

ständigとimmerも非常によく似ていますがständigは90%~95%ぐらい、immerは100%な感じでしょうか。

語学学校の教科書で最初に出て来るのはoftとimmerのほうなので、こっちを先に覚えてもいいかも。

ただoftには比較級はありますが最上級がありません(×am öftesten)ので、「一番よく~している」と言いたい時はhäufigの最上級(am häufigsten)を使います。oftの比較級はあります。

比較級と最上級 -Komparativ/Superlativ-【ドイツ語文法44】

 

次。

「毎日」や「毎週」の形容詞。副詞じゃないけと副詞的に使うので紹介。

これはjeden Tagやjede Wocheと表すことのほうが多いですが、形容詞のバージョンもあります。

täglich(毎日)

wöchentlich(毎週)

monatlich(毎月)

jährlich(毎年)

後ろに-lichをつける、まさに形容詞の定番。

 

また、「一日に〇〇」「〇日に3回」などの頻度の表し方は

einmal am Tag(一日に1回)

einmal an zwei Tagen(二日に1回)

zweimal am Tag(一日に2回)

dreimal in der Woche(週に3回)

viermal in zwei Wochen(二週に4回)

fünfmal im Monat(一か月に5回)

zehnmal im Jahr(年に10回)

もうこれは覚えてしまいましょう!

日本語と逆でドイツ語の場合、回数が先に来ます。

「1回一日に」という順番ですね。

 

一回、二回、三回・・・のつくりかたはは数字のうしろにmalをつけるだけ。

100回であればhundertmalです。

そして「一日に〇〇回」の一日はam Tag

週の場合はin der Woche

月ならim Monat

年ならim Jahr

です。前置詞がamになったりimになったりするのは時間の前置詞の文法でやったとおり。

ちなみに「何回も」はmehrmals

mehrmals im Jahr

=年に何回も

という言い方もあります。

 

それでは練習。Wie oft…?から始まる質問に答えてください。

1.Wie oft lernst du Deutsch?

2.Wie oft machst du Sport?

3.Wie oft putzt du deine Zähne?

4.Wie oft lügst du?

5.Wie oft gehst du shoppen?

6.Wie oft findet Olympia statt?

7.Wie oft musst du die Pflanze gießen?

8.Wie oft fährst du in den Urlaub?

9.Wie oft hast du damals deine Großeltern besucht?

10.Wie oft hast du schon an diesem Fest teilgenommen?

 

日本語訳

1.ドイツ語を勉強する頻度は?

2.スポーツする頻度は?

3.歯を磨く頻度は?

4.嘘つく頻度は?

5.ショッピング行く頻度は?

6.オリンピックが開催される頻度は?

7.この植木に水をやる頻度は?

8.どれぐらいの頻度で旅行行く?

9.当時どれぐらいの頻度でおじいちゃんおばあちゃんとこ行ってた?

10.どれぐらいの頻度でこのイベントに出たの?

 

私も真面目に答えてみましたので参考にどうぞ!

1.Ich lerne täglich Deutsch.

2.Ich mache dreimal in der Woche Sport.

3.Ich putze mindestens dreimal am Tag.

4.Ich lüge nie.

5.Ich gehe selten shoppen.

6.Olympia findet einmal in vier Jahren statt.

7.Ich muss nie die Pflanzen gießen.

8.Ich fahre ein oder zweimal im Jahr in Urlaub.

9.Ich habe einmal in zwei oder drei Monaten meine Großeltern besucht.

10.Ich habe schon oft genug an diesem Fest teilgenommen.

こんな感じです。

あなたもぜひ真面目に答えてみてね。

 

 

順序を表す副詞

「先に」これをして、「それから」こっちをやって、「その後」ここに行って・・・・

というような物事に順番を決める時にも副詞を使うことができます。

たくさんありますが、ここでは現地の教科書に出てくる基礎的なものを紹介します。

zuerst(先に)

erst(先に)

dann(それから)

danach(その後で)

anschließend(その後で)

schließlich(最後に)

zuletzt(最後に)

endlich(ついに)

のような副詞です。

同じような意味のものも多いですね。

違いが気になる方はこちらの動画にも一部解説していますのでご覧ください↓

副詞erstの意味は3つあるよ【ドイツ語表現】

 

なかなかすべて単語をきっちりと見ていこうと思うと時間がかかりすぎてしまうので、まずは使いそうなものだけ取り出して覚えることも大事かもしれません。

ということでzuerstとdannとdanachぐらいを使って、あなたのルーティーンについて説明してみるのはどうでしょうか。

朝起きてからのルーティーンでもいいし、仕事を始める時のルーティーンでもいいです。または週末のルーティーンでもいい。

 

たとえば私の仕事を始める前のルーティーンをシンプルに書いてみると

Zuerst schalte ich meinen Computer ein. Dann checke ich die E-Mails. Danach beantworte ich sie.

=まずコンピューターを立ち上げます。それからメールをチェックします。その後それに返事します。

というような感じです。

もうちょっと柔らかく自然に書きたかったら

Zuerst schalte ich meinen Computer ein. Dann checke ich die E-Mails und Danach beantworte ich sie.

のように接続詞などを使ってつなげてもかまいません。このへんは慣れでしょうか。

その後に次の行動をつなげたかったら、anschließendやschließlichなどを使ってつなげても大丈夫。またdannやdanachを再度入れてもかまいません。

書き方はたくさんあります。

行動を順序立てて説明するときにこれらの副詞を使います。

 

それでは最後に簡単な作文を。

副詞に線を引き、作文を訳してみましょう。

Heute ist Montag. Ich möchte heute viel tun.

Zuerst muss ich einkaufen, dann habe ich einen Termin beim Zahnarzt und bringe meine Oma zum Arzt.

Danach gehe ich ins Schwimmbad.

Morgen bin ich wahrscheinlich zu Hause. Ich muss die Wäsche waschen und die Wohnung putzen. Abends gehe ich zu einer Party. Vorher muss ich aber noch einkaufen und kochen.

 

答えは下にある動画の中です↓↓↓↓

 

 

まとめ

それでは時間の副詞を簡単にまとめておきます。

1.過去、現在、未来をあらわす副詞

heute, gerade, vorhin….など。

 

2.前置詞と副詞

前置詞が副詞になるとこんな形になる。

morgens, abends, wochenends, mittwochs…など。

前置詞のあとには名詞か代名詞が来るが、例外的にseit/von/bisは副詞がつくこともある。

seit gestern, ab jetzt…など。

 

3.バイバイの時に使う副詞

bis +副詞で、どれぐらい後にまたコンタクトを取るのか、または次の約束があるかないかなどを使い分けることができる

 

4.頻度をあらわす副詞

wie oft….?に答える副詞。全くない0%から「いつも」の100%まで段階的にある。

週に〇〇回などの言い方。

 

5.順序をあらわす副詞

行動や物事などを順序立てて説明するときに使う。ここではルーティーンを例にとりましたが、プレゼンでもめっちゃ使います。B1のゲーテ口頭試験に出て来るよ。

zuerst, dann, danach…

 

動画解説はこちら↓

 

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