前置詞とは?前置詞の使い方【ドイツ語文法29】


ドイツ語基礎文法一覧

ドイツ語の前置詞って何?どういう使い方をするの?どんな種類があるの?という前置詞の基本をここでまとめて説明します。

最初に例文を見てみましょう。

Seit einer halben Stunde warte ich auf dich.
(30分前からあなた待っているんだけど。)

Wir treffen uns um acht vor dem Bahnhof.
(8時駅の前で待ち合わせしよう。)

文に出てくるseit, auf, um, vorなどの短い語のことを前置詞(Präposition/Verhältniswörter)といいます。

前置詞は必ず名詞や副詞、代名詞の前に置かれ、1語のみで使うことはできません
(1語で出てきたらそれは前置詞ではなく、分離動詞や連語です。※ab und zu =時々 など)

上の文では

seit + einer halben Stunde
auf + dich
um + acht
vor + dem Bahnhof

のように何らかの語とくっついています。

前置詞の後につく語をまとめて語群(Wortgruppe)といいます。

 

前置詞の文法の機能は大きく2種類に分かれます。

一つ目は、seit einer halben Stunden, um acht Uhr, vor dem Bahnhofのように動詞に左右されず、前置詞がある程度、意味を持っているもの。たとえば場所が後ろにつく前置詞voは「前」、aufは「上」といった意味です。

二つ目はauf dich wartenのように、動詞に左右される前置詞です。「~を待つ」は「warten +auf+四格」と決まっており、これらの前置詞をドイツ語ではPräpositionalpbjekt(前置詞つきの目的語)と呼びます。

つまり目的語の機能を果たす前置詞です。これらの前置詞は意味が動詞に左右されます。

 

一つ目の機能をもつ前置詞は、語群の内容によって4種類に分けられます。プラス二つ目の機能、動詞とくっついた前置詞を入れてここでは5種類に分けることにしましょう。

そしてそれぞれの前置詞には、二格・三格・四格のいずれかの名詞がつきます。
こちらがおもな前置詞+格の表です↓

前置詞+三格 前置詞+四格 前置詞+二格/三格 前置詞+三格/四格
aus für trotz an
bei durch wegen auf
zu bis statt in
von gegen während neben
seit ohne längs hinter
mit um mittels vor
nach per laut unter
gegenüber pro über

それではこれから場所・時間・方法・原因の4種類の前置詞について、ここではさらっと理解しておきましょう。

 

場所を表す前置詞(lokal: wo/wohin?)

A:Wo treffen wir uns morgen?
(明日どこで待ち合わせする?)

B:
Wir treffen uns neben der Schule.
(学校の横で待ち合わせしよう。)

Wir treffen uns vor der Schule.
(学校の前で待ち合わせしよう。)

Wir treffen uns hinter der Schule.
(学校の後ろで待ち合わせしよう。)

Wir treffen uns in der Schule.
(学校の中で待ち合わせしよう。)

neben(横), vor(前), hinter(後ろ), in(中)などが、場所を表す前置詞です。
学校のどの場所で待ち合わせするかを前置詞を使って表しています。

上の例のようにどこで?(Wo?)という疑問詞に答える形は前置詞+三格がつきます(der Schule)。

また、どこに?(Wohin?)という質問には前置詞+四格で表されます。

A:Wohin gehst du?
(どこに行くの?)

B:Ich muss in die Schule gehen.
(学校に行かなきゃならないんだ。)

同じ前置詞“in”でも使い方によって三格がつくときと四格がつくときがあります。

詳しくはこちらへ↓

場所の前置詞(1) -Lokale Präpositionen-【ドイツ語文法30】

場所の前置詞(2) -Lokale Präpositionen-【ドイツ語文法31】

inとaufどっちだ?場所の前置詞(2)【ドイツ語文法31ー1】

 

 

時間を表す前置詞(temporal: wann?)

A:Wann treffen wir uns?
(いつ待ち合わせする?)

B:
Wir treffen uns um 18 Uhr.
(18時に待ち合わせしよう。)

Wir treffen uns gegen 18 Uhr.
(18時前後に待ち合わせしよう。)

Wir treffen uns kurz nach 18 Uhr.
(18時すぎに待ち合わせしよう。)

Ich bin ab 18 Uhr frei.
(18時からずっと空いてるよ。)

um(時間の前につく), gegen(前後), nach(すぎ、後), ab(から)などは時間を表す前置詞です。
18時、のような時間の場合は冠詞がつきませんが、たとえばgegen+四格、nach+三格など、三格と四格がつく前置詞の両方があります。

(0時~9時までのときは数字のあとのUhrを省略する。10~24時のときはUhrをつける。)

くわしい解説はこちら↓

時間の前置詞(1)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法32】

時間の前置詞(2)-Temporale Präpositionen- 【ドイツ語文法33】

 

 

方法を表す前置詞(modal: wie?)

A:Wie bist du hierher gekommen?
(どうやってここに来たの?)

B:Ich bin mit dem Auto gekommen.
(車で来たよ。)

―――――――

A:Wie möchtest du deinen Kaffee?
(あなたのコーヒー、何を入れましょうか?)

B:Nur mit Milch und ohne Zucker.
(ミルクだけで砂糖はなしで。)

――――――――

方法(wie?)を表す前置詞は非常にたくさんあり、その用法も多様です。
とてもここで一言で説明できるような単純なものではありません。
お決まりの言い回しなどもあるので徐々に覚えていきましょう。

詳しくはこちら↓

方法と理由の前置詞 -Modale und kausale Präpositionen- 【ドイツ語文法34】

 

 

理由を表す前置詞(kausal: warum?)

A:Warum seid ihr alle so spät gekommen?
(なんでみんな遅れてきたの?)

B:Wegen eines Unfalls hatte der Zug Verspätung.
(事故のせいで電車が遅れたんだ。)

――――――――

A:Warum verhält sie sich wie eine Helikopter-Mutter?
(なぜ彼女はモンスターペアレンツ的な態度をとってしまうのでしょう?)

B:
Aus Angst um ihr Kind kann sie nicht damit aufhören.
(彼女は子供の心配からそれがやめられないのです。)

wegen(~のせいで), aus(から), vor(~のあまり)などが理由・原因を表すときに使う前置詞です。
今までは三格と四格のみでしたが、稀に2格がつく前置詞もあります。wegenは二格の前置詞です。二格支配は比較的少ないので覚えやすいです。

詳しくはこちらへ↓

方法と理由の前置詞 -Modale und kausale Präpositionen- 【ドイツ語文法34】

 

☆☆☆

動詞+前置詞つきの目的語(Präpositionalobjekt)

先ほどの4種類の前置詞とは全く違う、別の文法の機能をもつ前置詞の使い方もあります。

それは前置詞を目的語として機能させるものです。動詞に特定の前置詞をつけてそのあとに三格または四格の目的語をつける文法です。

たとえばwartenは必ずmit+三格またはauf+四格がつく、というような決まりです。

ほんの一例をあげると

beginnen + mit +三格
(~を始める)

achten + auf +四格
(~に注意する)

arbeiten + an +三格
(~で仕事をする)

bitten + um +四格
(~をお願いする)

ärgern + über +四格
(~に対して怒る)

などなど、これらは丸覚えするしかない動詞と前置詞の組み合わせです。

この動詞と前置詞つきの目的語については一つ前の文法で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

また、動詞と前置詞の組み合わせも例文とともに一覧にしています。できれば例文と共に使い方を丸覚えしましょう。

この文法解説を動画で見る↓

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